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『ソフィーの世界』あらすじとネタバレ感想!哲学の入門書に最適な一冊

harutoautumn
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ソフィーはごく普通の十四歳の少女。ある日、ソフィーのもとへ一通の手紙が舞い込んだ。消印も差出人の名もないその手紙にはたった一行、『あなたはだれ?』と書かれていた。おもいがけない問いかけに、ソフィーは改めて自分をみつめ直す。「わたしっていったいだれなんだろう?」今まで当たり前だと思っていたことが、ソフィーにはとても不思議なことのように思えてきた。その日からソフィーの周りでは奇妙な出来事が次々と起こり始めた…。

「BOOK」データベースより

差出人の名前もない手紙がきっかけで、不思議な哲学講座を受けることになったソフィー。だが、十五歳の誕生日の前日、ソフィーは自分の存在の秘密に気づいてしまった。存在するとはどういうことか?ソフィーの世界はどこにあるのか?そして謎の少女ヒルデはいったいどこに?哲学ミステリーはいよいよクライマックスを迎える…。世界50か国1500万人以上の読者と思考でつながるロングベストセラー。

「BOOK」データベースより

本書は1991年に出版され、日本では1995年に発売されました。

全世界で2,300万部以上を売り上げ、僕も当時、小学生にして挑戦した記憶があります。

もちろん内容のほとんどを理解できておらず、今回の再読は新鮮な気持ちで読むことが出来ました。

『哲学』と聞くと難しいもの、怪しいものとして敬遠してしまう人も多いと思いますが、本書はそれが誤解であることを教えてくれます。

手紙を通じて行われる哲学の講義はどれも興味深い謎に満ちていて、決して胡散臭いものなどではありません。

教科書や専門書に比べて非常にとっつきやすいので、哲学の入門書としてはもちろんのこと、ファンタジーやミステリとしてもぜひ読んで欲しい一冊です。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

不思議な手紙

ソフィー・アムンセンは学校から帰ってくると、郵便箱から差出人の名前がない、切手も貼っていない自分宛ての手紙を見つけます。

中には『あなたはだれ?』と書かれた紙きれ。

それは、ソフィーが生まれてから一度も考えたことのない疑問でした。

次の手紙には『世界はどこからきた?』と書かれた紙きれが入っていて、ソフィーは今いる世界、そして自分自身が誰なのかという疑問について考えるようになります。

以降、手紙のボリュームがグッと増え、簡単な哲学の講義が始まります。

どこの誰とも分からない相手からの手紙ですが、ソフィーはいつの間にか哲学の世界に足を踏み入れていました。

不思議の連続

ソフィーは興味深い手紙だけでなく、差出人についても興味を募らせます。

最初は一方的な講義でしたが、やがて手紙のやり取りをするようになり、最終的には直接会って話すようになります。

不思議なことは他にも起こります。

ソフィーの元にヒルデという少女宛ての手紙が何度も届きますが、ソフィーはその少女を知りません。

ヒルデとは誰なのか?

どんな秘密が隠されているのか?

前半は哲学の講義がメインですが、後半ではこういった謎が少しずつ明かされていくので、小説としてかなり読みやすくなります。

感想

哲学が身近になる

あなたはだれ?

世界はどこからきた?

こんな質問、日常の中でまず聞けないですよね。

知人、友人にこんなことを言えば大半はこちらを何かあったのか、と疑わし気に見てくるはずです。

かといって、哲学書でこんなことを調べても、なかなか腑に落ちないという人ともいるはず。

そこで本書の出番です。

本書では手紙を通してですが講義形式で行われるので、一方的なコミュニケーションに止まらず、疑問を投げかけてそれに対して回答を得ることも出来ます。

ソフィーは非常に優秀な生徒で、読者が思いつく質問は大体してくれるので、彼女と一緒に講義を受ければ、他の教科書や専門書を読むよりもずっと哲学を身近に感じることが出来るはずです。

また、本書には解説書と呼ぶべき本があり、『ソフィーの世界』をより分かりやすく知ることができます。

本書の内容が分かりにくかったり、さらに一歩踏み込んで知りたいという人は検討するのもありだと思います。

小説としての面白さ

序盤は哲学の講義が中心となるので、ここまでであれば哲学書風の小説です。

しかし、中盤以降に思わぬ展開が待っていて、そこからはグイグイ引き込まれるように読んでしまいました。

ただの小説ではないし、ただの哲学書とも違う。

二つの良い所を巧みに融合させているからこそ小説としても哲学書としても本書は優秀なのだと改めて思います。

なので、仮にあなたが哲学に興味がなかったとしても、僕はぜひ本書をオススメしたいです。

何なら気になるところまで流し読みでも結構です。

本書はせっかく様々な読書の楽しみ方に対応できるだけの懐の深さを持っているので、それを利用しない手はありません。

一気読みは禁物

僕は新装版ではない一冊バージョンを読みましたが、六〇〇ページ以上とかなりのボリュームです。

しかも次から次へと考えさせられる課題を出されるので、一気に読もうとすると挫折する恐れがあります。

そしてそれ以上に、ただ一気読みするのはもったいなさすぎます。

本書には普段、あまり考えることのない疑問が溢れていて、考えることで思考の幅がグッと広がります。

ぜひソフィーと同様、生徒になったつもりで哲学の問題に取り組むのはいかがでしょうか。

考えて前に進めることが出来れば、一日十ページでも十分です。

それこそが本書最大の楽しみ方だと思うので、ぜひこの長い読書を実りあるものにしてもらえればと思います。

おわりに

発売から二十年以上が経過しても全く古臭さを感じませんでした。

哲学という古から続く学問がテーマであることはもちろん関係していますが、やはり小説としても非常に魅力的な作品だからだと思います。

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