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『領怪神犯2』あらすじとネタバレ感想!特別調査課が生まれた理由を描くシリーズ第二弾

harutoautumn
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危険な神々と対峙する特別調査課に秘された過去とは。話題作、待望の続編!

この世には、理解不能な神々が引き起こす超常現象がある。
善悪では測れず、だが確かに人々の安寧を脅かすそれは「領怪神犯」と呼ばれている。

この人智を超えた危険な現象を人知れず調査し、対処にあたる「領怪神犯特別調査課」は、役所内に秘かに存在していた。
その全貌を誰も知らない、謎めいた組織――。
同課の片岸と部下の宮木は、各地の現象を追う中で領怪神犯のある真実と、組織が隠し持つ、世界の秘密の一端に触れた。

+ + +

それより時は遡り、20年前。
霊感商法詐欺を働いていた青年、烏有定人(うゆう・さだひと)は警察に捕まるが、
連れて来られた先で始まったのは普通の取り調べではなかった。

そこにいたのは、元殺人課の刑事・切間(きるま)と、民俗学の准教授・凌子(りょうこ)。
烏有は「見える」力を持つために目を付けられ、警察の管轄内にある「領怪神犯対策本部」で
2人と共に、日本各地の村々で起こる異常な現象に立ち向かうことになるが……。

「対策本部」が「特別調査課」に至るまでに、一体何があったのか?
最終章の驚愕、再び。そして胸を刺す衝撃のラストが待ち受ける。

SNSなどでも話題沸騰!ホラーエンタメの大注目作、待望の続編登場!

Amazon商品ページより

シリーズ第二弾となる本書。

前の話はこちら。

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本書では前作から二十年さかのぼり、登場人物が一新されます。

はじめは似ているけれど違う話を読んでいるようでしたが、次第に前作との繋がりが見えてきて、面白さが倍増します。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

蓋を押す神

鳥有定人は霊感商法詐欺で警察に捕まります。

彼の取り調べに当たったのは、切間という元殺人課の刑事と凌子という民俗学の准教授でした。

この組み合わせは何なのか。

疑問に感じる鳥有ですが、やがて切間たちが自分の詐欺に使った民俗学的な情報が嘘ではないと知っていて、鳥有が一般人には見えていないものを見えていることに気が付いていることに気が付きます。

話は簡単で、鳥有には刑務所に送られない選択肢があって、そのためには切間たちが相手する『領怪神犯』の調査に協力しなければいけないということです。

鳥有に選択肢はなく、なし崩し的に彼らの調査に協力することになります。

火中の神

鳥有と切間はとある村を訪れます。

山奥にも関わらず、森が強く燃えていました。

昭和の初め頃からこのように燃え、以降、悪いものが出なくなったのだといいます。

良い話風に思えますが、鳥有には気になっていることがありました。

話をする村人の頭が燃えていたのです。

すずなりの神

今回も鳥有・切間コンビで領怪神犯に挑むことになりますが、それ以外にも注目ポイントがあります。

鳥有たちの所属する組織では、領怪神犯を収容して、有効活用を検討していること。

切間には妻子がいて、娘が宮木礼という名前であること。

このあたりで前作に登場した組織との違いや、二十年という期間を埋める繋がりが見えてきます。

くわすの神

今回は鳥有と凌子のペアでの調査です。

今回訪れたエリアではかつて養蚕が有名で、それにまつわる信仰が残されていました。

一見、何もない場所に思えましたが、鳥有は今は廃れたはずの蚕の幻想を感じます。

俤(おもかげ)の神

組織はくわすの神を収容し、活用を検討していました。

鳥有はそれに反感を覚えますが、実はすでに日本は領怪神犯の活用によって守られていました。

その領怪神犯は、未来を教えてくれるものでした。

ここから主題となる領怪神犯だけでない不穏な空気が流れ始めます。

呼び潮の神

切間が実は出生地における四大名家で、それが理由で疎遠になっていたことが明かされる物語。

今回は疎遠になっていた場所に調査で向かうわけですが、楽しいことはなく、嫌な話が続きます。

切間の過去が明かされることでシリーズとしての解像度が上がり、面白さや緊張が一気に増してきます。

そこに在わす神

前作にも登場したタイトルです。

ここで一気に前作との繋がりが明らかになり、単純な怖さだけでなく、人間ならではの怖さが披露されます。

感想

違った視点

僕はシリーズということで、てっきり前作と同じ流れで描かれると思っていました。

ところが、読み始めてみると、前作から登場人物が一気に入れ替わり、どういうこと?と戸惑いが先行しました。

それでも領怪神犯という共通点があることですぐに状況を把握し、順応することができました。

二作目にして切り口を変えてくるのは新鮮で、冒頭から惹きつけられました。

礎の重さ

本書では、前作でいう特別調査課が出来るまでの経緯が描かれています。

てっきり過去で領怪神犯による大事件が起こり、放っておけないという理由から組織されたものだと予想していました。

ところが、その予想は思い切り外れ、むしろ逆でした。

そんな理由から特別調査課が誕生し、あの人があんなことをしていたなんて。

多分僕自身も鳥有のようなショックを受けたと思います。

少なくとも、通勤中の電車内でさらりと読める内容ではありませんでした。

おわりに

二作目としても素晴らしい内容でした。

気になるのは次作で、本書を受けて現代パートをどうするかです。

その出来によって本シリーズがどう評価されるのかが左右されるといっても過言ではないので、しっかり追っていきたいと思います。

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