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『ナミヤ雑貨店の奇蹟』徹底ネタバレ解説!あらすじから結末まで!

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悪事を働いた3人が逃げ込んだ古い家。そこはかつて悩み相談を請け負っていた雑貨店だった。廃業しているはずの店内に、突然シャッターの郵便口から悩み相談の手紙が落ちてきた。時空を超えて過去から投函されたのか?3人は戸惑いながらも当時の店主・浪矢雄治に代わって返事を書くが…。次第に明らかになる雑貨店の秘密と、ある児童養護施設との関係。悩める人々を救ってきた雑貨店は、最後に再び奇蹟を起こせるか!?

「BOOK」データベースより

東野圭吾さんというとミステーを思い浮かべる人が多いと思いますが、本書は良い意味で今までの東野作品とは違っています。

詳しいことは後述しますが、心を満たすような感動、優しさに満ち溢れたハートフルな作品で、2017年にHey!Say!JUNPの山田涼介さん主演で映画化されました。

https://www.youtube.com/watch?v=1J7qAfTODVA

最初は多くのことが謎に包まれていますが、章を追うごとにそれぞれの繋がりが見えてきて、最終的にはタイトルにもある『ナミヤ雑貨店』に集約していきます

読みだすとあっという間に作品に引きずり込まれてしまうので、一気読みは必至です。

この記事では、そんな本書の魅力をあらすじや個人的な感想を交えながら書いていきたいと思います。

ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

不思議な雑貨店

翔太、敦也、幸平は盗んだ車が動かなくなり、歩いて逃走します。

翔太の提案で彼の知るあばらやに向かうことになり、そこは今は誰もいない雑貨店で、看板から辛うじて『ナミヤ雑貨店』と読むことができます。

彼らはそこで次の行動を考えますが、突然、シャッターの郵便投入口から一通の封筒が投函されます。

それが、物語の始まりでした。

一人目の悩み相談

やりとり

封筒を見ると、差出人の名前は『月のウサギ』となっています。

警戒しながらも封を開けると、そこにはナミヤ雑貨店の店主に宛てられた悩み相談が書かれていました。

月のウサギは何かの競技でオリンピック出場を目指していますが、病気で余命わずかの恋人と離れることが心苦しく、どうするべきか悩んでいました。

三人は話し合いの末、試しに返事の手紙を書いて、外の牛乳箱に入れます。

すると手紙は、次に開けた時にはなくなっていて、その五分後には月のウサギからの新しい手紙が届いていました。

アドバイスの結果

三人は何度から手紙のやりとりをした後、以下のことに気が付きます。

・ナミヤ雑貨店の中と外では時間の流れが異なり、中は極端に時間の流れが遅い

・シャッターの郵便投入口と牛乳箱は過去に繋がっている

・月のウサギは一九七九年を生きている

一九八〇年のモスクワオリンピックは、日本が出場をボイコットしています。

三人は本当の理由を書かずに恋人の側にいるよう月のウサギを説得しますが、彼女はなかなか決心がつかず、三人は突き放したような手紙を書きます。

それからしばらくして手紙が届きますが、月のウサギの時間で前の手紙から半年が経過していました。

結局、月のウサギはオリンピックに向けて練習するも、日本がボイコットすることが決定。

さらに恋人も病院で息を引き取りました。

しかし、月のウサギは自分の選択を後悔しておらず、むしろ三人のアドバイスに感謝していました。

三人は誰かの力になれてすっかり気を良くします。

すると、そこにすかさず別の人から手紙が投函されます。

再生

松岡克郎はミュージシャンとしてデビューすることを夢見ていて、慰問として児童養護施設『丸光園』を訪問して演奏します。

演奏後、セリちゃんと呼ばれる少女が最後の曲を気に入り、それは克郎のオリジナル曲『再生』でした。

回想

ここからは八年前の回想。

克郎は病気で思うように働けない父・健夫のことが気になり、夢を諦めて実家の魚屋『魚松』を継ごうか迷っていました。

その時、昔、ナミヤ雑貨店の主人に悩み相談をしたことを思い出し、店の様子を見に行きます。

克郎はシャッターの郵便投入口に何かを入れる女性を見かけます。

描写から相手が月のウサギで、最後のお礼の手紙を入れたことが分かります。

今も悩み相談が続いていることを知った克郎は翌日、手紙を書いて投函します。

しかし、ナミヤ雑貨店から返ってくる手紙は辛辣で、克郎の心にその言葉は届きません。

そんな時、健夫が再び倒れ、克郎は夢を諦めようとします。

ところが、健夫は負け戦でもいいから自分の足跡を残してこいと、克郎と男と男の約束をします。

その後、ナミヤ雑貨店からの手紙にも変化が起き、彼のミュージシャンとしての夢を応援するような内容でした。

足跡

ここで回想は終わり。

克郎が丸光園で目を覚ますと、火事が発生していました。

克郎は逃げる中、セリと合流しますが、彼女はいなくなった弟・タツユキを探していました。

火の勢いが増す中、克郎はタツユキを助け出しますが、克郎は全身にやけどを負って亡くなってしまいます。

彼は負け戦でしたが、しっかりと自分の足跡を残したのでした。

そして、最後に超満員のアリーナでのライブの様子が描かれます。

主役である天才女性アーティストは、ライブの定番曲を最後に演奏します。

それは、彼女がアーティストとして世に出るきっかけになった曲であり、作曲者は彼女の弟の命の恩人でした。

生涯その曲を歌い続けることが恩返しだとして、彼女は今日もその曲を歌います。

曲名を『再生』といいます。

この女性アーティストは、克郎が丸光園で知り合ったセリでした。

男と男の約束

ナミヤ雑貨店の主人

ナミヤ雑貨店の主人・浪矢雄治は見知らぬ誰かの悩みにも、真剣に応えていました。

しかし、経営自体は大赤字で、息子の貴之は商売をやめ、自分と一緒に暮らそうと説得します。

やがて雄治は同居を了承しますが、一緒に暮らし始めてすぐに倒れてしまいます。

雄治は病院に内緒で、ナミヤ雑貨店に連れて行ってほしいと貴之に頼み、男と男の約束をします。

雄治は遺言状を貴之に渡すと店の中に入り、それから貴之は遺言状を読みます。

そこには雄治の三十三回忌の命日だけ、ナミヤ雑貨店の相談窓口が復活することを告知してほしいと書かれていました。

ナミヤ雑貨店には未来からの手紙がたくさん届いていて、そのどれもがかつて雄治が悩み相談した相手からでした。

その中には現在、セリのマネージャーをする彼女の友人からの手紙もありました。

友人の母親がナミヤ雑貨店に悩み相談をしたことがあり、そのお礼の手紙でした。

雄治は自分のアドバイスが間違っていなかったことに安心しますが、その時、何も書かれていない便箋が投函され困惑します。

貴之はいたずらだと決めつけますが、雄治はその手紙にも返事を書いて投函します。

月のウサギのその後

雄治の死後、貴之がナミヤ雑貨店を眺めていると、女性に声を掛けられます。

女性はフェンシングをしている人で、去年の十一月にナミヤ雑貨店に手紙を書いたといいます。

しかし、その時はすでに雄治は病院で寝ていたため、何かの間違いだろうと貴之は思います。

実際は、女性に手紙を書いたのは翔太たち三人で、女性は月のウサギです。

約束

それから月日は流れ、雄治の言っていた三十三回忌が目前になります。

貴之はすでに亡くなっていて、雄治の遺志は貴之の孫・駿吾に託されていました。

駿吾は祖父との約束通り、ナミヤ雑貨店が一日だけ復活するという情報をネットで流します。

夜逃げ

バー

和久浩介は、ナミヤ雑貨店復活の噂を聞きつけ、生まれ故郷に戻ってきました。

彼の運命に、ナミヤ雑貨店が多く関わっていました。

少し早く着いてしまったため、『Bar Fab4』というバーで時間を潰すことに。

店名にある『Fab4』は『Fabulous4』の略で、日本語に訳せば『素敵な四人』で、ビートルズの別称です。

店主の女性同様、浩介の人生にもまたビートルズが大きく関わっていました。

ビートルズの思い出

ここからは回想です。

浩介は亡くなった従兄の影響でビートルズのことが好きになり、彼の遺したレコードを大事にしていました。

父親の貞幸は会社を経営し、非常に裕福な家庭で育ちます。

ところが万国博覧会が開催される年から、貞幸の様子がおかしくなります。

次第に今までの贅沢はなくなり、ある時、貞幸は一家で夜逃げすることを浩介に伝えます。

理由も説明せず、ステレオも処分されてビートルズも聴けず、浩介は両親に対して不信感を抱きます。

気持ちの切れ目

そんな時、ナミヤ雑貨店の噂を聞き、浩介は今の状況について手紙を書いて投函します。

手紙のやりとりを通じて、浩介は両親のことを嫌いになったわけではないと確認し、彼らについていくことを決めます。

そして迎えた夜逃げ当日。

浩介は東京に行き、ビートルズのドキュメンタリー映画『レット・イット・ビー』を見ます。

それを見ればビートルズの解散の理由が分かるという話でしたが、浩介が見たのはすでに終わった後のビートルズでした。

それでビートルズについて吹っ切れ、友人に持っていたレコードを格安で譲り、別れも告げずに夜逃げします。

新たな人生

浩介は行き先も知らされず、貞幸の運転する車に乗っていましたが、その道中で気持ちの糸が切れてしまいます。

トイレ休憩で立ち寄ったサービスエリアで見知らぬトラックの荷台に乗り込み、両親と別れます。

行き着いた先は東京でした。

その後、補導された浩介は両親のことを考えて本名は明かさず、藤川博と偽名を名乗ります。

それからは藤川博として丸光園に引き取られ、そこで彫刻の楽しさに目覚め、中学卒業後、木彫刻職人の道を歩みます。

相談者のその後

両親のこともほとんど忘れ、充実した人生を歩んでいた浩介ですが、ある日、丸光園が燃えてしまったことを知ります。

何かできないかと駆け付けると、かつて同じ施設にいた武藤晴美と再会します。

彼女は前に浩介からもらった木彫りの子犬を大事にしていて、今は会社の社長をしていました。

彼女もまたナミヤ雑貨店のアドバイスによって成功した一人で、これから日本経済が下落すると、預言のような言葉を残します。

晴美の言葉でナミヤ雑貨店のことが気になり、その足で向かうと貴之に会います。

すでに雄治は亡くなっていましたが、貴之は相談者のその後をいくつか紹介してくれ、その中に浩介の境遇によく似た相談者がいることが判明。

その彼は今も両親と幸せに暮らしているということでした。

結末

回想は終わり、バーで浩介がママと話すシーンに戻ります。

浩介は、ナミヤ雑貨店に宛てたお礼の手紙をこれから出す予定でした。

その時、浩介は店にあるレコードのジャケットに見覚えがあることに気が付きます。

それは、浩介が友人に譲ったものでした。

友人の名前は前田といい、ママは前田の妹でした。

そして、あの夜逃げの二日後、浩介の両親が無理心中したことが判明します。

その話では、貞幸が妻と浩介を薬で眠らせてから海に落とし、最後は首を吊って死んだことになっていました。

しかし、浩介はこうして生きています。

そこで浩介は、両親が浩介を死んだことにして、彼がそれまでの経歴を捨てて生きる手助けをしてくれたのではと考えます。

確認しようがありませんが、両親は最後まで浩介のことを一番に考えてくれていたのではないか。

浩介は考えた末に、手紙を書き直します。

後半で両親と幸せに暮らしたと嘘を書き、それは前に浩介が貴之に聞いた話そのものでした。

貴之が持っていたのは、浩介がこれから出す未来からの手紙ということになります。

それから、浩介は前田が大事にしていたという『レット・イット・ビー』の映像を見ます。

するとあの時と違い、ビートルズは懸命に演奏していて、気持ちが切れたように見えたのは自分の気持ちが原因だったことに気が付きます。

浩介は目を閉じ、両親の冥福を祈るのでした。

今に繋がる

復活の日

ここで翔太たちの視点に戻ります。

時系列は、月のウサギの相談の後、克郎(魚屋ミュージシャン)の相談に乗っていたところで、そこで以下のことが判明します。

・三人もかつて丸光園にいた

・セリの本名が水原セリである

・魚屋ミュージシャンこそが『再生』の作曲者である

三人はそれまでのアドバイスを翻し、音楽を続けるよう魚屋ミュージシャンにアドバイスします。

そろそろナミヤ雑貨店を出ようとしますが、その時、ナミヤ雑貨店が一日だけ復活することをネットで知ります。

しかも、その日こそが今日でした。

三人は奇妙な縁を感じ、逃げ出す前に最後の相談に乗ります。

予言

相談者は迷える子犬と名乗り、経済的自立を強く望んでいました。

ここで迷える子犬視点で物語が展開し、その人物が美晴であることが判明します。

美晴は家の近所に住んでいた静子(月のウサギ)と仲良くなり、彼女からナミヤ雑貨店のことを聞きます。

そこでナミヤ雑貨店に相談の手紙を書きます。

はじめはお互いに意見が合わず、ケンカのようなやりとりになってしまいます。

しかし、最後の手紙でナミヤ雑貨店(翔太たち三人)は、日本はこれから好景気を迎えるから、株や不動産で儲けて一九九〇年までに全て売ることをすすめます。

まるで予言のような内容でしたが、美晴は言われた通りに勉強し、結果は大成功。

浩介に会った時のように、社長として忙しく働いていました。

そんな時、丸光園が燃えてしまったことを知り、なんとか援助できないかと考えていました。

美晴が調べる中で、以下のことが判明します。

・丸光園の前代表・皆月暁子は浪矢雄治と駆け落ちする予定だった

・暁子は結局待ち合わせ場所に行かず、その罪滅ぼしとして丸光園をナミヤ雑貨店の近くに建てた

冒頭に繋がる

美晴は丸光園再建のために頑張りますが、自分の商売に利用する気ではとあらぬ噂が立ち、うまく話が進みません。

そんな時、ナミヤ雑貨店の復活を知り、美晴はお礼の手紙を用意します。

ところがその夜、自宅に強盗が入ります。

美晴に相手の正体は分かりませんが、強盗は翔太たちです。

彼らはここで盗みを働き、冒頭のナミヤ雑貨店に向かう話に繋がるのです。

翔太たちは、美晴が丸光園を取り壊して、ラブホテルにすると信じて疑っていませんでした。

結末

三人はナミヤ雑貨店に逃げ、盗んだ美晴のハンドバッグの中に手紙が入ってることに気が付きます。

読むとそれはナミヤ雑貨店へのお礼の手紙で、さっきまで自分たちがアドバイスをしていた迷える子犬が美晴であることに気が付きます。

三人は頭を抱え、ナミヤ雑貨店と丸光園には不思議な繋がりがあることを認識します。

こんな自分たちに感謝してくれる人がいることに感激し、迷える子犬が嘘をつくはずがないと思い直します。

美晴の拘束をとき、自首するために戻ろうと決心したその時、一通の手紙が届きます。

それは、敦也が投函した白紙に対する雄治の回答でした。

雄治は、白紙の手紙=地図が白紙と捉え、何もかもが自由だとアドバイス。

それは雄治の最後の悩み相談の回答で、それを受けた三人は目を輝かせるのでした。

おわりに

物語が進むにつれて伏線が回収されていく手腕は、さすが東野圭吾さんでした。

翔太たちの最後は描かれていませんが、仮に捕まったとしても、雄治のアドバイスをもらった三人ならきっと正しい幸せな人生を歩んでくれると信じています。

もしくは、美晴の計らいで、彼女のもとで働くかもしれませんね。

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