『南の子供が夜いくところ』あらすじとネタバレ感想!不思議な島に迷い込んだ少年を取り巻く短編集
からくも一家心中の運命から逃れた少年・タカシ。辿りついた南の島は、不思議で満ちあふれていた。野原で半分植物のような姿になってまどろみつづける元海賊。果実のような頭部を持つ人間が住む町。十字路にたつピンクの廟に祀られた魔神に、呪われた少年。魔法が当たり前に存在する土地でタカシが目にしたものは――。時間と空間を軽々と飛び越え、変幻自在の文体で語られる色鮮やかな悪夢の世界。
Amazon商品ページより
これまで沖縄を舞台にホラーを描いてきた恒川さんですが、今回は南国でも異国です。
それによって変わる味わい、変わらない恒川さんらしさがあり、あらゆる感覚が刺激されて面白いです。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
南の子供が夜いくところ
タカシの家族は多額の借金を抱えていました。
彼らは湘南の海水浴場で絶望に暮れていましたが、露店の女性店員に言われます。
誰も来ないところに連れていけると。
タカシは気が付くと知らないところに連れていかれていて、そこは家族がいない南国でした。
紫焔樹の島
島には紫焔樹(しえんじゅ)という名前の樹木がありました。
雨季になると赤と白の果実がなり、赤い果実は一年に一度だけ口にしてよく、白い果実は口にしてはいけないのだといいます。
その聖域に入れるのは女性だけであり、果樹の巫女と呼ばれていました。
十字路のピンクの廟
舞台はトロンバス島。
ティアムという小さな町にはピンク色の廟があり、そこにはご神体が納められていました。
私は住民に聞き込みをすることになり、様々な視点で描かれることで物語は次第に浮かび上がります。
雲の眠る海
ベライアという島には、数十キロ離れたコラという敵がいました。
ある日、コラから襲撃を受けますが、それは想像もつかないような攻撃の数々で、ペライアはすぐに劣勢に立たされます。
ペライアの住人・シシマデウは『大海蛇の一族』がいるというテオスを目指し、舟を漕ぎ出します。
蛸漁師
世捨て人のような男は、セントマリー岬の崖の中で暮らしていました。
彼の息子が死んだこと。
ヤニューという悪魔が存在すること。
物語が進むにつれて男のことや、息子の死の真相が明らかになります。
まどろみのティユルさん
岩から浮き出て、半分植物のような謎の存在。
その男性はティユルと名乗り、今が平穏な状態なのだといいます。
それを見つけた東洋人の少年はタカシと名乗り、これまでの作品とのリンクがすぐに見えてきます。
夜の果樹園
人間の顔が果物であるという、不思議な町が物語の舞台です。
私がタカシの父親であり、妻の亜麻子とはもうやり直せないほど関係が悪化していることが分かります。
感想
バリエーション豊か
南国が舞台ですが、分かりやすく日本ではない異国なので、日本の怪異ものとは違ったテイストがまずあります。
加えてそれぞれの短編で持ち味が異なり、単にホラーと括ることは難しいほど振り幅が広いです。
そして同じ南国を舞台にした『月夜の島渡り』とも違っていて、その引き出しの多さに改めて驚きました。
各話の関連性
おそらく読んだ人であればすぐに気が付くと思いますが、本書に収録された話はどれも舞台を同じにしていて、関連しています。
といっても、連作短編というほどの関連性はなく、あくまで登場人物が共通している程度のものです。
なので、関連性という点から繋がりによって物語の幅を自身で広げるのも面白いし、それぞれの話単体で読み込むこともできます。
これは完全にその人の趣味嗜好だと思うので、お好みで問題ありません。
おわりに
タイトルといい表紙といい、恒川さんと絶対マッチしていることが確信できるもので、事実その通りでした。
ホラーにとどまらない魅力があるので、存分にお楽しみください。
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