フルメタル・パニック

『フルメタル・パニック!放っておけない一匹狼?』あらすじとネタバレ感想!本編とは違う楽しみがある学園コメディ第一弾

今日も元気だ狙撃がキマル。校舎に轟く爆発音。他人の迷惑なんのその――。戦争ボケ高校生相良宗介の、日常的な1日である。だが、そんな彼にひとつの転機が訪れた。なんと宗介の下駄箱に一通のラブレターが置かれていたのだ! 差出人はいったい? うまくいったら戦争バカも社会復帰か? そんな微かな希望をあざ笑うように、狂戦士・相良宗介はラブレターの影に潜む陰謀を打ち砕かんと動き始めた!! 危うし差出人! 危うし学校! 宗介の無謀な作戦を、誰が止められるのか!?(『南から来た男』より) 前代未聞のバイオレンス(笑)学園ラブコメ! 彩り豊かな5本の傑作に、書き下ろしを加えた衝撃の短編集!!

Amazon商品ページより

本編とはほとんど別物のシリーズなっている本書。

巻数の代わりにタイトルに何冊目かを表す数字が入っているのが特徴です。

本編ではコメディというよりもシリアス路線が濃厚ですが、本書においてミスリルやASが全く登場しないので、純粋な学園コメディとして楽しむことが出来ます。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

あらすじ

南から来た男

相良宗介は自身の下駄箱を誰かが開けた痕跡を見つけ警戒し、爆弾が仕掛けられているのではと勝手に警戒。

プラスチック爆薬でトラップを除去するという暴挙に出ますが、当然、中には何も仕掛けられていません。

あるのは、爆破でボロボロになった紙片だけでした。

内容は断片的でうまく読み取れませんが、明らかにラブレターでした。

しかし、宗介は断片的な内容から自分に危害を加える人間からの手紙だと判断。

待ち合わせに向けて、明らかに過剰な準備を始めます。

愛憎のプロパガンダ

千鳥かなめのもとに生徒会長の林水が訪れ、複数のトイレにかなめに関する悪い落書きがされていることを報告します。

援助交際や薬物など彼女を知っている人間であれば一目で嘘だと分かる内容ですが、面白半分に真に受ける人間が一定数いるのも事実です。

この件について、かなめは解決に消極的で、宗介はかなめが犯人に弱みを握られているのではと推測。

勝手な思い込みから行動を開始しますが、犯人は意外な人物でした。

鋼鉄のサマー・イリュージョン

海に遊びに来た宗介やかなめたち。

かなめは宗介に褒められたくて張り切って水着を用意しましたが、鈍感な宗介にそんな乙女心が届くはずもなく、逆に宗介の不用意な発言で怒っていなくなってしまいます。

一人歩いていると見知らぬ男に声を掛けられます。

何でも男の主がかなめに興味を持っているようで、かなめは好奇心でついていきます。

案内されたのは岬にある屋敷で、かなめの前に現れたのは年下の少年・日向柾民でした。

病弱で静養中の柾民は、窓の外に見つけたかなめに一目惚れ。

一方、かなめも宗介に怒っていたこともあって柾民に付き合うことにして、話の流れで彼女を追って屋敷の前まで来た宗介を変態だと嘘をついて追い払わせてしまいます。

これによって、宗介はかなめが屋敷に監禁されていると勘違い。

即座に武力行動に出ます。

恋人はスペシャリスト

恋人である白井に振られてしまった稲葉瑞樹。

彼女は友人に白井を紹介することになっていて、これでは面子が丸つぶれです。

そこで別の話で関わりを持った宗介に白井のふりをさせることを思いつき、ここから宗介の恋人のふりをするためのレッスンが始まります。

かなめはそれを複雑な気持ちで眺め、ついに当日を迎えます。

芸術のハンバーガーヒル

写生会で、かなめたちのクラスは宗介をモデルに絵を描くことに決めます。

しかし、宗介は美術教師・水星のとんでもないモデルの存在意義を真に受けてしまい、クラスメイトたちの前から姿を消してしまいます。

このままでは絵は描けず、かといってモデルを変更すれば水星によって最低評価をつけられてしまいます。

腹をくくったかなめたちは、宗介の捜索に全力を注ぐことになり、写生会とは遠くかけ離れたバトルが勃発します。

シンデレラ・パニック!

本書に登場するキャラクターで『シンデレラ』の演劇を再現するという話。

内容は原作に忠実ですが、行動や言動の端々からキャラクターたちの隠せない個性がにじみ出ていて、かなりカオスな内容に仕上がっています。

スポンサーリンク




感想

ザ・学園コメディ

本編では宗介とかなめのやりとりを中心に、確かにラブコメ要素がありました。

しかし、それよりもミスリルやASに関係する非日常で殺伐とした内容が大部分を占めていて、とても甘酸っぱい青春要素を楽しむ余裕などありませんでした。

その点に関していえば、本書はまごうことなき学園コメディです。

正統派中の正統派で、何の心配もなく宗介やかなめたちが織り成すドタバタを楽しんでいられます。

彼らが運命に振り回されていなければこんな学園生活だったはず。

そんな妄想を実現させたような物語ばかりで、本編を通じてもっと普通の幸せがあったのかもしれないと思っていた僕にとって、最高のご褒美となりました。

キャラの暴れっぷりは次巻以降に期待

宗介やかなめをはじめ、最初からキャラクターが良い意味で目立っています。

スポットで参戦するキャラクターもしっかり味を出していて、宗介たちの陰に隠れることなく活躍してくれます。

とはいえ、第一巻ということで個人的にはまだまだ控えめに感じられました。

彼らのポテンシャルはこんなものではないはず。

ハードルを高くするようであれですが、次巻以降にさらなるドタバタを期待したいです。

おわりに

宗介の傭兵としての一面ではなく、年相応の青年として日常生活を楽しむ様子が楽しめる一冊になっています。

リラックスして読める話ばかりなので、本編のようなシリアス度MAXの話を警戒するような必要はありません。

ゆったりのんびり楽しんでもらえればと思います。