ミステリー

『ABC殺人事件』徹底ネタバレ解説!あらすじから結末まで!

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注意することだ―ポアロのもとに届けられた挑戦状。その予告通り、Aで始まる地名の町で、Aの頭文字の老婆が殺された。現場には不気味にABC鉄道案内が残されていた。まもなく第二、第三の挑戦状が届き、Bの地でBの頭文字の娘が、Cの地でCの頭文字の紳士が殺され…。新訳でおくる著者全盛期の代表作。

【「BOOK」データベースより】

『そして誰もいなくなった』、『オリエント急行の殺人』、『アクロイド殺し』などと並ぶアガサ・クリスティーの名作である本書。

ABC……アルファベットの順番に殺害される被害者、しかし、犯人もその目的もなかなか見えてきません。

読みやすさに加え、物語自体が大変魅力的で、最後まであっという間に読むことが出来ました。

 

この記事では、そんな本書の魅力をあらすじや個人的な感想を交えながら書いていきたいと思います。

ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。

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登場人物

本書には数多くの人物が登場します。

そこでここでは簡単にご紹介したいと思います。

記事を読んでいて混乱してきたら、頭の整理にご利用ください。

 

エルキュール・ポアロ………………………私立探偵

ヘイスティングス……………………………ポアロの友人。大尉

アリス・アッシャー…………………………最初の犠牲者

フランツ・アッシャー………………………アリスの夫

メアリ・ドラウアー…………………………アリスの姪

エリザベス・バーナード……………………二番目の犠牲者

ミーガン・バーナード………………………エリザベスの姉

ドナルド・フレイザー………………………エリザベスの恋人

カーマイケル・クラーク卿…………………三番目の犠牲者

フランクリン・クラーク……………………クラーク卿の弟

ソーラ・グレイ………………………………クラーク卿の秘書

ジョージ・アールスフィールド……………四番目の犠牲者

アレグザンダー・ボナパート・カスト……行商人

トンプスン博士………………………………精神病研究者

クローム………………………………………警部

ジャップ ………………………………………主任警部

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挑戦状と被害者:A

ヘイスティングスはイギリスを訪れると旧友のポアロと再会しますが、ポアロはこれを見てどう思うかと一通の手紙を見せます。

そこにはABCと名乗る人物から今月二十一日のアンドーヴァーに注意するよう書かれていました。

ヘイスティングスは頭のおかしい人物の仕業と一蹴しますが、ポアロは気になって仕方ありません。

すると警部のジャップから連絡が入り、アンドーヴァーで小店を経営していたアリス・アッシャーという女性が殺害されたことが判明します。

アンドーヴァー警察は彼女とその夫・フランツが不仲であることを知り、夫の犯行の線で捜査を進めます。

しかし、フランツには犯行当時のアリバイがありました。

また、犯行現場にはABC鉄道案内が置かれていて、手紙の主が関与していることは明白です。

被害者:B

再びABCから手紙が届きます。

そこには二十五日、ベクスヒル・オン・シーに注意を向けるといいと書かれていました。

犯行予定日は明後日に迫っていて、ポアロたちは警察と情報共有して捜査に臨みます。

第一の犯行では場所も被害者もアルファベットが『A』で始まっていることから、今回は『B』の場所と被害者が選ばれるのではと予測。

第一の犯行の容疑者を監視した上で殺人防止のために動きますが、それは起こってしまいます。

被害者はエリザベス・バーナードという名前で、周囲からはベティーと呼ばれていたためイニシャルはB.Bです。

さらに今回も現場からABC鉄道案内が見つかり、ABCの異常性が垣間見えます。

必死に捜査を続けますが、前回の殺人との関連性が見えず、警察もポアロも困惑します。

しかし、このまま野放しにすればアルファベットを一周する可能性もあります。

限られた情報から 捜査を続ける他にありません。

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被害者:C

そんな中、三通目のABCからの手紙が届きます。

やはりこれまでの法則に従い、三十日にチャーストンで何かが起きると書かれていました。

しかし、ABCがポアロの住むマンション名を間違えたことで手紙は犯行日当日に届き、結果としてカーマイケル・クラーク卿が殺害されてしまいます。

またしても現場にはABC鉄道案内が置かれていました。

これまでの死によって誰が利益を得るのか?

そのことを考えながら捜査を進めますが、一向に犯人が見えてきません。

規則に合わない被害者

ABCからの四通目の手紙が届きます。

次は九月十一日にドンカスターで起こるということで、一行はドンカスターに向かいますが、またしても殺人が起きてしまいます。

ところが、被害者の名前はジョージ・アールスフィールドで、イニシャルがDではありません。

しかし、殺害されたジョージは事件当時、映画館にいて、隣にはロジャー・エマニュエル・ダウンズという人物が座っていました。

彼のイニシャルがDだったため、間違えてジョージが殺害されたのだろうと警察は判断します。

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真相

これまでの捜査から、犯行前に被害者のもとにストッキングの行商人が現れていたことが判明。

さらに新聞の記事を見て自分が犯人なのではと悩んで自首をする人物が現れ、名前をアレグザンダー・ボナパート・カストといい、イニシャルがABCになります。

警察が彼の部屋を調べると、ABC鉄道案内が八冊も見つかり、さらに凶器と見られる乾いた血がこびりついたナイフも見つかっています。

しかし、彼はてんかん持ちで、犯行の時の記憶はありません。

警察は犯人を捕まえた気になっていますが、ポアロは違いました。

彼はカストと面会して名乗りますが、カストは知らないという風な反応です。

また手紙は自分が書いたものではないと断言。

カストは雇われているストッキング卸製造業の会社からどこへ行けという指示、訪問する人々のリストがタイプされた手紙を持っていると証言します。

面会を終え、ポアロは事件の真相を説明します。

この犯人が世間に名を轟かせるためにポアロにわざわざ手紙を送ったとして、なぜより大きな宣伝になる警察に送らなかったのか。

ポアロに個人的な恨みでもあるのか。

さらに殺人が目的であればもっと大勢殺害しようとするはずだし、見つからないように痕跡は隠すはずです。

ポアロは犯人の人格とカストの人格には大きなずれを感じていました。

彼は何かを隠すために一連の殺人が行われたのだと推理、そしてその犯人像は三人目の被害者・カーマイケル・クラーク卿の弟、フランクリン・クラークと一致します。

カストは犯行を認めていますが、それはそう思い込もうとしているだけで、彼にこれらの犯行を出来る能力も度胸もないことは明白です。

犯人が暗示にかかりやすいカストを選び、罪をかぶせようと考えたのです。

動機について、フランクリンはカーマイケルが秘書のソーラ・グレイを気にかけていることを見抜き、このままでは結婚して子どもが生まれる可能性があり、それでは相続できる遺産が減ってしまいます。

そこで殺害を決意し、その中でカストを身代わりにすること、カーマイケルがチャーストンに住んでいることから今回の一連の犯行を思いつきます。

フランクリンはまずカストの名前で手紙を書くと、大量のストッキングが彼のところに送られるよう手配します。

合わせてABC鉄道案内も送ります。

そして、高い給料と歩合が提供されることを伝え、犯行予告に使う手紙をあらかじめタイプすると、使ったタイプライターをカストに送りました。

そしてカストに被害者のリストと日付を送ると、先回りして被害者を殺害。

カストは現場付近で目撃され、犯人に仕立て上げられるというわけです。

そして三つ目の手紙について、遅れて届いたのは意図的で、ここが送り先にポアロを選んだ理由になります。

警察に送っては、住所が間違っても宛先に届いてしまいます。

届くのを遅らせるためには、個人に送る必要があったのです。

そこでフランクリンは、知名度が高く、警察に手紙を持ち込むであろうポアロを選んだのでした。

こうして目的のカーマイケルを殺害しますが、ここで止めては誰かに真相を突き止められる可能性があります。

そこで彼は四人目の殺害を計画。

ドンカスターに行くよう指示したカストの後をつけ、映画館で被害者を殺害。

その後、カストの袖でナイフの血をぬぐい、上着のポケットにすべりこませたのです。

殺害した人物を選んだのはただの偶然で、おそらく近くにいるはずだと予想していました。

こうしてカストは全ての現場に居合わせ、次第に自分の犯行だと思うようになっていったのです。

疑いだすと、フランクリンが犯人だという証拠はいくらでも出てきます。

彼を目撃したという証言が複数出てきて、さらにカストが持つタイプライターには彼の指紋が残されていました。

ついにフランクリンは犯行を認め、事件は解決するのでした。

結末

カストの晴れて無実だと証明され、新聞社からは有名人として取材が持ち掛けられていました。

そして彼の頭痛が、新しい眼鏡にすれば治るかもしれないとポアロはアドバイス。

カストと別れると、ポアロとヘイスティングスは微笑み合うのでした。

最後に

目の前にある法則とは違う法則が見えてきた時、事件の様子ががらりと変わるあの感覚は衝撃的でした。

王道で、登場人物が魅力的な非常に読みやすいミステリー小説になっていますので、ぜひその目で確認してみてください。

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