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『悪の教典』小説の徹底ネタバレ解説!あらすじから結末まで!

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とびきり有能な教師がサイコパスだったとしたら、その凶行は誰が止められるのか?
晨光学院町田高校の英語教師、蓮実聖司はルックスの良さと爽やかな弁舌で、生徒はもちろん、同僚やPTAから信頼され彼らを虜にしていた。そんな〝どこから見ても良い教師〟は、実は邪魔者は躊躇いなく排除する共感性欠如の殺人鬼だった。少年期、両親から始まり、周囲の人間をたいした理由もなく次々と殺害してきたサイコパス。美形の女生徒をひそかに情婦とし、同僚の弱みを握って脅迫し、〝モリタート〟の口笛を吹きながら、放火に殺人にと犯行を重ねてゆく。
社会から隔絶され、性善説に基づくシステムである学校に、サイコパスが紛れこんだとき――。ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコホラー傑作長編。
デビュー以来、著者のテーマである〝心を持たない人間〟を中心に据えたピカレスクロマン。「悪の教典」を現在とするならば、その過去にあたる「秘密」、未来にあたる「アクノキョウテン」の小話も併録。解説は三池崇史(映画監督)

「BOOK」データベースより

映画化もされて話題となった本書。

『このミステリーがすごい!2011年版』では一位に選ばれ、実際に読んでみるとそれも頷ける衝撃の内容でした。

ただし、ミステリーというよりはサイコホラーな作品なので、猟奇的なシーンが苦手だという方はご注意ください。

序盤はイケメンで爽やかで教師、生徒からも信頼の厚い高校教師・蓮実聖司が鮮やかな手腕を発揮し、学校の問題を解決していくのですが、次第にそのやり方はエスカレート。

ついには人として手を出してはいけない領域まで達し、ようやく彼の本性が見えてくるという構成になっています。

はっきり言って、下巻中盤からのあの展開は全くの予想外だったので、読んでいて上巻と同じ作品かと驚いてしまいました。

以下は本書に関する貴志祐介さんへのインタビューです。

著者インタビュー|貴志祐介 『悪の教典』特設サイト|文藝春秋

この記事では、そんな本書の魅力をあらすじや個人的な感想を交えながら書いていきたいと思います。

ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

第一章

物語の主人公となるのは高校教師の蓮実聖司。

彼はルックスが良く爽やかで生徒の絶大な支持を得ていて、他の教師たちからも一目を置かれています。

蓮実は教師たちからの信用を利用して、問題児や自分の好みの生徒ばかりを集めます。

それは、自分だけの王国を築くためでした。

しかし、問題児だらけのクラスをまとめ上げるのはそう簡単なことではありません。

クラスは多くの問題を抱え、蓮実はそれらを穏便に解決するために様々な手段をとりますが、日々問題は増えます。

蓮実は片桐怜花から相談を持ち掛けられ、内容は同じクラスの安原美彌(やすはらみや)が体育教師の柴原からセクハラを受けているというものでした。

蓮実は美彌に確認すると、彼女は万引き現場を柴原に目撃され、話した内容を録音されて脅されているのだと言います。

そこで蓮実は彼女を連れて万引きしたお店に謝罪。

仮に柴原が万引きのことを誰かに話したとしても、店長に味方になってもらえるように根回しをします。

この一件以来、美彌は蓮実にますます惹かれていき、後に肉体関係を持つようになります。

次の問題として、体育教師の園田が鳴瀬修一に指導として体罰を加え、訴えられそうになっていました。

そこで蓮実は園田を説得して鳴瀬の父親に謝罪をさせ、穏便に解決するのでした。

しかし、問題は学校のことだけではありません。

蓮実の住むアパートには、毎朝早くに二匹の大きなカラスがやってきて、大きく鳴き散らして彼を悩ませていました。

蓮実は北欧神話の主神オーディンの眷属にちなみ、二匹のカラスを思考(フギン)、記憶(ムニン)と名付けます。ちなみに、ムニンの左目は白濁しています。

蓮実がどんな対策をしても二匹はすぐに学習して戻ってきてしまうため、彼は自作の装置でフギンを感電死させます。

それ以来、ムニンは彼のアパートに寄りつかなくなります。

この時、蓮実は上機嫌になると『三文オペラ』の『モリタート』の口笛を吹くことが判明します。

第二章

蓮実はスクールカウンセラーの水落聡子にいじめっ子の蓼沼将弘といじめられている前島雅彦の心理テストの結果について教えてもらいます。

そこで前島には同性愛的な傾向があることが判明。

しかも蓮実の前に、同様のことを美術教師の久米が水落に質問していたことも分かりました。

これに平行して、清田梨奈がいじめられているという問題もありますが、実際にはそんなことは起きておらず、彼女と不仲で典型的なモンスターペアレントの父親が一方的に学校側を責めているだけでした。

蓮実は父親の追及を巧みにかわし、どのように処理しようか考えます。

ここで、蓼沼と前島の問題が進展します。

前島はこれまで蓼沼たちに数十万円を恐喝されていて、彼にスポンサーがついていることは明白であり、蓮実はすでに目星をつけていました。

久米と二人きりで会うと、刑事事件になると脅しをかけて前島と性的関係にあることを自白させます。

久米の実家は大地主で、これくらいの金額を援助するくらいは何の問題もありません。

二人はお互いの合意のもとで恋愛をしていますが、そもそも教師が未成年に手を出していいわけがありません。

蓮実はこの件について自分がなんとかして二人が無事に済むよう取り計らうと約束し、その代わりにこの件をネタに今後、久米に様々な協力をさせます。

その三日後、今度は蓼沼が山口卓馬が殴り合いのケンカをします。

原因は裏サイトに蓼沼を誹謗中傷するような書き込みがされ、個人情報などもアップされたことでした。

蓼沼は山口が書きこんだのではないかと疑っていますが、山口はそれを否定します。

第三章

早水圭介は何人かの仲間と共にカンニングを目論んでいました。

一学期の中間テストで、自分の解答を携帯のメールで送り、成功を確信します。

ところが全員の携帯が圏外になっていて、カンニングは失敗します。

実は、蓮実は学校の至るところに盗聴器をしこんでいて、そこからカンニングのことを事前に察知。

物理教師の八木沢に依頼し、学校の中だけ圏外になるよう細工をしていたのでした。

これは電波法違反になりますが、訴えてもそれを立証する手段が圭介にはありません。

圭介は蓮見しか考えられないと見抜き、彼を見返すための次なる計画を考え始めます。

一方、蓮実は蓼沼の排除に乗り出します。

彼と二人で会うと、クラスメイトの何人かが彼の退学などを求めていると嘘をつき、不信感をあおります。

それが避難訓練の時に爆発し、蓼沼は暴れ出します。

仲裁に入った蓮実はカッターナイフで腹部を切られますが、服の中に防刃チョッキを着ていて無事でした。

この暴力をもって蓼沼の退学は決まり、蓮実の邪魔者が一人消えました。

さらに蓮実は梨奈の父親の問題も解決することにします。

車で灯油の入った数十本の2Lのペットボトルを運び、梨奈の家の前に置かれた水の入った2Lのペットボトルと交換。

後日、簡単な発火装置を作って灯油に引火させると、家を燃やします。

結果、父親は亡くなり、梨奈は明るくなってクラスメイトとも打ち解けるのでした。

第四章

ここで蓮実の過去が少しずつ明かされます。

生まれてすぐから年齢にそぐわない知的能力を発揮しますが、著しく共感能力に欠ける面もあったことが判明します。

ここまで順調にきていましたが、蓮実にピンチが訪れます。

久米から川崎にある高級マンションを貸してもらい、そこで美彌と密会しましたが、マンションから美彌が出てくるのを目撃されてしまいます。

このことを打ち明けてきたのは数学教師の真田ですが、彼は相手の教師が久米だと勘違いしていました。

しかし、このまま放置しておけば蓮実にまで火が及んでくるのは明らかです。

そこで蓮実は真田を泥酔させると、彼の車で学校に戻る道を走ります。

道中、国語教師の堂島を撥ね、学校に到着。

真田を運転席に座らせると、花壇にある竹の支柱を利用して車を発進させ、酒井教頭の車に突っ込ませます。

教頭の車の盗難警報装置を発動させると、蓮実はその場から去ります。

翌日、堂島は重傷、真田は危険運転で懲戒解雇となります。

さらに堂島のロッカーから蓮実を誹謗中傷するビラが発見され、酒井に報告。

彼女もまた依頼退職にまで追い込まれます。

一方、圭介は蓮実が車に仕込んだ細工を見抜き、誰かが意図的に車を発進させたことを知るのでした。

第五章

修学旅行で京都を訪れた一行。

この章では、蓮実の過去がさらに明かされます。

蓮実が殺人に手を染めたのは中学二年の時で、二人を殺害します。

ところが父親に目撃され、口封じのために両親も殺害。

その後、ナイフで自分にも怪我を負わせると自ら通報し、被害者を装って追及から逃れ、京都に住む叔父に引き取られます。

そこで蓮実は周囲の望むように立ち振る舞い、信用を勝ち取ります。

ところが中学三年の時、クラスメイトの石田憂美だけが彼の演技を見抜いていました。

蓮実は彼女に勉強を教える代わりに、彼女から感情について色々と教わります。

蓮実が高校に進学後、憂美は就職した会社の先輩から乱暴をされ、それを理由に自殺。

蓮実はその相手を殺害します。

しかし、彼にはさらなる秘密が隠されていました。

旅行中、蓮実が以前いた学校の教師・寒河江と偶然再会し、彼はいかに蓮実に感謝をしているのかを口にします。

その現場を目撃している教師がいて、それは国語の釣井でした。

第六章

圭介、夏越雄一郎、怜花はいつも一緒に行動する仲良しで、蓮実について調べていました。

すると蓮実の前任校の都立高校で、四人の生徒が自殺していたことが判明します。

圭介は、人数が多すぎるのもそうですが、全員が学校で自殺していることが不自然だと指摘します。

しかし、この時点で蓮実が完全にクロなのかは分かりません。

一方で、もう一人蓮実を脅かす存在がありました。

釣井です。

彼は学校の影の支配者を自負していて、邪魔者の蓮実をいつ始末しようかと考えていました。

釣井はすでに寒河江に接触、四人の自殺について話を聞き出そうとしていました。

蓮実はそのことを寒河江から教えてもらい、釣井の排除に乗り出します。

ここでその前に、釣井の過去が明かされます。

彼には景子という妻がいましたが、彼女は現在の校長である灘森と前から知り合いで、不倫をしていました。

そこで釣井はバールで景子を殺害。

灘森に死体を隠す手伝いをさせ、共犯者として彼の弱みを握ります。

ここで回想は終わり、蓮実は釣井を校門から出るところから尾行。

居酒屋に寄って終電の電車に乗ると、釣井は寝始めます。

他に誰もいないことを確認すると、蓮実は手製のブラックジャックで釣井を脳震盪状態にします。

そのまま彼を電車のつり革にぶら下げ、自殺に見せかけて始末するのでした。

後日、釣井が亡くなったことで灘森は頭がおかしくなり、余計なことを全校集会で口走り、教師たちによって取り押さえられるのでした。

第七章

ここからは下巻。

蓮実は期末テストでも生徒の誰かがカンニングを企てていることを知ります。

しかし、これは圭介の策略でした。

彼はわざとカンニングの話を流すことで盗聴器の場所を探ろうとしていたのです。

ところが、それでも盗聴器を発見できず、圭介は肉体関係を持つ養護教諭・田浦に相談します。

終業式の日であれば打ち上げで校舎には誰もいないということで、圭介は一旦保健室のベッドの下に隠れ、夜になると盗聴器を探すために校内を歩きます。

すると、突然盗聴器のスイッチが入り、その周波数を頼りに屋上に出ます。

襲撃に備えてナイフを持っていましたが、蓮実のスタンガンによる攻撃にあえなく倒れ、殺害されてしまいます。

蓮実は死体を処理しようとしますが、なぜか柴原と女子生徒の誰かが校内を歩いているところを目撃します。

このまま車で死体を運び出すとバレる危険性があるため、とりあえず中庭に隠すのでした。

第八章

行方不明になった圭介を心配する怜花ですが、ある日、彼からメールが届いて安心します。

ところが、文面から圭介ではない誰かがこのメールを打ったのではないかと疑念を覚えます。

それもそのはず。

そのメールを打ったのは蓮実でした。

これまでのメールのやりとりから圭介を真似て打ったのですが、思わぬところでボロが出てしまいます。

さらに蓮実は、美彌に圭介の携帯を持っていることをバレてしまいます。

その場はうまく取り繕いますが、この時点でいずれ処分することを決めます。

第九章

学校に泊まり込みで文化祭の準備にとりかかる二年四組の面々。

さらに蓼沼はバンド演奏のために学校を訪れていました。

また、当初の宿直は生物科の猫山でしたが、食中毒で園田に変わっています。

蓮実は屋上で美彌と密会を約束していて先に待っていましたが、ここで自殺にみせかけて殺害するつもりでした。

美彌がやって来ると、ブラックジャックで頭を殴りますが、力加減を間違えて流血させてしまいます。

これでは、首吊り自殺に見せかけるには不自然です。

そこで予定を変更し、中庭に投げ込んで飛び降り自殺に見せかけます。

しかし、蓮実は屋上から出てくるところを永井あゆみに目撃されてしまい、彼女はみんなのもとに戻るとそのことを早速クラスメイトに話し始めます。

蓮実もそこに合流し、彼女を監視。

あゆみが教室の外に出ると後を追いかけ、屋上に出られるドアに到着。

蓮実はうまく誤魔化そうとしますが、さっき服についてしまった美彌の血を指摘され、咄嗟に首を捻って殺害。

これは完全に予想外であり、どうやって誤魔化そうか頭を働かせます。

さらに盗聴器が拾う会話から、誰かが蓮実の前任校での事件を知っていて、すでに警察とも接触していることを知り、もはや中途半端な手段ではこの事態を収束出来ないことを悟ります。

そこで蓮実は、学校にいる全員を殺害することを思いつきます。

殺害には散弾銃を使うとして、容疑者が別に必要になります。

そこで久米を学校に呼び出すと、ブラックジャックで殴り拘束。

その場に残し、監視カメラの映像も見ながら計画の実行に移ります。

この時、妨害電波が流されていて、携帯は全て使用できないようになっていました。

まずはじめに蓮実は音楽室に行き、バンドの練習をしていた三人の生徒を殺害。

蓮実は首からポケットカウンターをぶら下げていて、これ以降、誰かを殺害する度にその数字を減らし、男女共にゼロになるまで殺害を続けます。

その後、園田と対決。

驚異的な身体能力を誇る園田に一時、劣勢を強いられますが、怪我を負いつつも殺害します。

第十章

蓮実は校内スピーカーで不審者が侵入したことを伝え、屋上に避難するよう指示します。

ところが、不審者にも情報が伝わってしまうにもかかわらずなぜ放送でそのことを伝えるのかと疑問に思う生徒も出て、ここで生徒たちは分断。

蓮実は屋上に逃げた生徒はいつでも始末できると判断し、他に逃げた生徒から追います。

生徒側も防火扉をおろしたり、ロープを使って校舎からの脱出を試みますが、蓮実の咄嗟の判断の前にあえなく失敗。

蓮実はこの不可能と思えた大量殺人を完了し、後は警察の判断を待つのでした。

第十一章

警察は唯一の生き残りである蓮実から事情を聞きます。

彼の話では、久米が散弾銃を持って学校に侵入し、蓮実に暴行を加えて拘束すると、校内にいた生徒を皆殺しにし、自殺したということでした。

なぜ蓮実だけが生かされたのか、なぜ久米が学校にやって来たのかなど納得しにくい部分もありますが、この話以外で説明がつけられません。

さらに単独犯では無理だというところに当時、柴原もまた学校にいたことが分かっていて、ますます蓮実にとって有利な状況になります。

ところが、蓮実の計画にずれが生じます。

皆殺しにしたはずが、実は生存者が二人いたのです。

それは雄一郎と怜花でした。

二人は垂直降下式の避難袋で死体をおろし、それを蓮実に撃たせて殺害したと誤認させると、死体に混ざって死んだふりをしていたのです。

二人は蓮実が犯人だと訴えますが、決め手に欠けてこれまでかと思われました。

ところが、天は蓮実を見限ります。

実はあの夜、生徒がAEDを作動させていて、AEDには録音機能があったのです。

音声を再生させると、音声は蓮実が犯人であることを指し示していました。

言い逃れの出来なくなった蓮実。

ところが、彼はすでに頭を切り替えていました。

突然、神の意志でやったと言い出す蓮実。

彼は心神喪失による無罪を狙うのでした。

第十二章(結末)

後日、真田と会う雄一郎と怜花。

真田は実地検分のやり直しの結果、飲酒運転の容疑が晴れていました。

また美彌も奇跡的に助かったことが判明します。

テレビでは連日蓮実の起こした事件が報道されていましたが、今後彼にどんな判決が下されるのかはまだ分かりません。

しかし、雄一郎は分かっていました。

蓮実にとってこれは、死刑になるかどうかのゲームなのだと。

もし死刑を免れれば、脱獄でもなんでもできる。

そして蓮実が自由の身になれば、必ず自分たちを殺しにくるだろうと。

おまけ

一つ目は蓮実の前任校の生徒、佐々木麻美と栗栖こずえの会話。

こずえは好きな人がいると打ち明けようとしていて、それが蓮実であることは明白でした。

そこで麻美はこずえを巻き込まないために、自分も蓮実のことが好きで、自分のことを応援してほしいと頼み、こずえは断れません。

しかし、麻美の表情はどう見ても恋する乙女の顔ではありませんでした。

その後、麻美は四人のうちの一人として殺害されたものと思われます。

二つ目は、『アクノキョウテン』という短編。

深夜デパートの警備にあたっていた中嶋晴は、早朝になって入口から音を聞き、対応を迫られます。

本来であれば仮眠をとっている相棒を起こし、無理があれば警察に通報するところですが、晴は去年の夏、蓮実が起こした事件によって意識が根底から覆えされ、やられる前にやってやろうと思っていました。

通用口のドアから出ると、酔っ払いがシャッターを叩いていました。

晴は何をしているのかと問いかけます。

相手は白人で、どうにもうまく会話が出来ません。

開店してから来るよう説得しますが、白人が『悪の教典』と言ったように晴には聞こえました。

ところが、それは聞き間違えで、実際は『……開くの、今日、十時(テン)?』でした。

おわりに

かなり猟奇的なシーンが多く、蓮実の異常さがよく描かれた作品でした。

上下巻でかなりのボリュームですが、それが気にならないくらいテンポ良く進行しますので、気になった方はぜひ読んでみてください。

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