『ヲタクに恋は難しい 11巻』あらすじとネタバレ感想!
隠れ腐女子の成海とゲーヲタの宏嵩の恋愛模様を描いた超人気ヲタ恋も大団円のラスト11巻…! 成海がヲタバレのピンチをむかえたことで、宏嵩との関係にも今までにない危機が…? 描き下ろしでは、成海と宏嵩の子供時代の出会いのお話や、その後のみんなのお話も大収録! ヲタクな人も、そうじゃない人もそれぞれの“好き”を大切にしたくなる。その点ヲタ恋ってすげぇよな、最後までキュンたっぷりだもん!…な内容でおとどけいたします!!
Amazon商品ページより
シリーズ第十一弾にして、最終巻となる本書。
前の話はこちら。
自分がヲタク趣味をかじっているせいもあって他人事ではない気がしていたし、ここまで登場人物たちの幸せを願える作品は最近ありませんでした。
もう、最高の締め方です。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
Episode 78『enchount』
小学生時代。
宏嵩と成海の出会いの話。
成海としては特に意識したことではありませんが、宏嵩にとって決定的な瞬間になったことは間違いなく、短いけれど感慨深いエピソードです。
Episode 79
キラーとサバイバーに分かれて行うゲームを、いつもの面子でやったらの話。
ゲームにそれぞれの意外な個性が反映されていて面白い。
Episode 80
宏嵩の何気ない仕草から、歯が痛いことを見抜いた成海。
宏嵩は強制的に歯医者に連れていかれますが、その様はただの子ども。
普段、感情の起伏に乏しい宏嵩の珍しい一面が見られます。
Episode 81
無事に交際をスタートさせた尚哉と光の話。
お互いに恋愛初心者ということでいつも以上にぎこちないですが、それゆえに初々しさを楽しめる話になっています。
Episode 82『monolouge』
成海が宏嵩のいる会社に転職してきた時の、宏嵩の心情が描かれた話。
この時点で宏嵩らしからぬ行動をしていますが、そのおかげで今の宏嵩がいるわけで、改めて違った側面から見ると様々な発見ができます。
Episode 83
成海は会社でうっかりカバンを落としてしまい、ヲタク趣味を示すものを多数ぶちまけてしまいます。
同僚の中でそのことが話題になることはありませんでしたが、ヲタクバレしたのではと心配になる成海。
一方、ヲタク趣味を隠す意味が分からない宏嵩は思ったことを口にしますが、それによってケンカに発展してしまいます。
Episode 84
ケンカしてしまったことを後悔する二人。
するとすぐにそのことを察した樺倉、花子がそれぞれをフォロー。
恋愛の先輩である二人のアドバイスを得て、二人は無事に仲直りし、お互いの大切さを再認識します。
後日、成海は同僚にヲタクであることを打ち明け、何事もなく受け入れられます。
それよりもしれっと宏嵩と付き合っていることもカミングアウトし、そのことの方が同僚を驚かせるのでした。
Episode 85
宏嵩×成海、樺倉×花子、尚哉×光が一堂に会し、同じ時間を共有します。
誰に気を遣うことなく、ありのままの自分をさらけ出せる空間。
シリーズで積み重ねてきたものがかけがえのないものであることを気づかせてくれるエピソードです。
Episode 86『will』
それからのそれぞれについて少しだけ描かれます。
尚哉×光は少しずつ恋人らしくなっていますが、まだまだ初々しいです。
花子は黙っていた妊娠を打ち明け、樺倉は思わず涙ぐんでしまいます。
宏嵩×成海は今まで通りに見えますが、ヲタクであることを受け入れ、ありのままでお互いを受け入れる幸せそうな二人を見ることが出来ます。
感想
ついに最終巻です。
これだけ仲が深まっても悩みは尽きないところや、それを乗り越えてさらに仲を深める各カップルの様子。
最終巻としてふさわしい内容だったと思います。
読んでいて思わずニヤニヤしてしまうのは樺倉×花子ですが、自分の境遇に重ねていつも共感してしまうのはいつも宏嵩×成海でした。
ヲタクであることを楽しむ一方で、それを周囲に知られても以前のままでいられるのかと不安になる気持ちはよく分かります。
それでも二人でその壁を乗り越える様子は、十一巻も経たからの成長で、シリーズとして描く意味があったのかなと思います。
あとがきにある二人のその後はまんま僕と妻の生活で、本筋ではありませんが一番笑ってしまいました。
第一巻が発売された当初はこんなヲタクカップルはいないと思っていましたが、今はスマートで話していても一見そうとは分からない人も増えてきて、作品に時代が追い付いてきたのかもしれません。
名残惜しさもある一方で、綺麗に完結できたことにホッとしています。
おわりに
著者のふじたさん、本当にお疲れ様でした。
ヲタクという言葉をこれまでの価値観とは違ったものとして発信したことは本当に大きいと思うし、ヲタクを誇りに思える素晴らしい作品でした。
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