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『私の少年 9巻』あらすじとネタバレ感想!

harutoautumn
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月日が流れ、成長した真修と聡子は静かで穏やかな時間を過ごしていた。だが二人の関係はやがて波紋を生み、周囲の人たちを傷つける。そんな中聡子は、真修との関係を真っ向から見つめる覚悟をする--。「このマンガがすごい!2017」<オトコ編>第2位「第3回次にくるマンガ大賞」第3位ほか各メディアで話題沸騰の『私の少年』最終9巻。聡子と真修、二人がたどり着いた場所--。

Amazon商品説明より

九巻でついに完結を迎えた『私の少年』。

前の話はこちら。

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成長する真修はだんだん少年から青年に変わり、これまでの付き合い方では自分たち、周囲共に納得できないだろうなと思っていたので、終わりが近いだろうとなんとなく考えていました。

そしていざその終わりが迎え、自分の予想以上の結末に驚きました。

追いかけてきて良かったと思える内容で、これまでの中で一番好きな内容でした。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

第39話『ハッピーエンド』

週末、聡子と遊びに行くことを父親に伝える真修。

不機嫌な父親は二人の交流をよく思っていませんでしたが、それは仕事で家庭を顧みず、今更になって父親としての自分の役割を見つけられずにいる焦りの裏返しであることが描写されています。

そして、デート当日。

真修の苦い失敗を吹き飛ばそうと、あえて回転寿司で昼食をとることにします。

よく食べる真修の姿を見ながら聡子は、自分はどう見られたいのだろうと混乱します。

母親のような存在か、それとも一人の女性としてか。

聡子は思い切って真修に自分のことを母親みたいと思ったことがあるか質問します。

これをきっかけに、二人の様々な関係が描かれ、一つの結論が出ます。

第40話『面影』

真修は自宅に戻ると夕食の支度を始め、じっとしていられない父親も手伝うことに。

ぎこちない会話ながら、父親も真修に歩み寄ろうという気持ちが見えました。

今日は怒らない、という父親の言葉を信じ、真修は思っていたことの全てを打ち明けるのでした。

また真修と奈緒とのやりとりも描かれ、一つの区切りが出来たことが分かります。

第41話『わたし』

聡子の一日を描いた話。

職場や町の中で、聡子はかつての自分を何人も見つけます。

ボロボロになっても闘い続ける自分。

泣ける気持ちを紛らわせるために脇目も振らず走る自分。

家族に不安や恐怖を抱え、恋の先に家族が待ってると思うと怖くなってしまう自分。

それらは今でも聡子の中に残されていて、いくら頑張っても克服できるものではありません。

それは悪いことではなく、どれも聡子だからです。

聡子は真修だけでなく自分とも常に向き合い、ようやく自分の弱さを許すことができました。

第42話『ME』

真修の家で、かつて聡子がプレゼントしたサッカーボールが見つかり、二人は昔を思い出してパスを出すと同時に質問をし合うゲームをします。

些細な質問で気持ちがほぐれてくると、聡子は自分の一番大切な気持ちを彼女なりに打ち明けるのでした。

第最終話『続く』

聡子と真修は浴衣に身を包み、別々に花火会場に向かいます。

この花火はただの花火ではありません。

二人の今にとって大切な時間であり、かつての約束でもありました。

感想

本書は聡子と真修の距離が近づくほど様々なところで歪が生じ、二人以外の人にも拭えない不安や悲しみが漂っていました。

二人には年齢関係なく幸せになってほしいけれど、二人の求める幸せって何だろう。

そんなものはあるのだろうかと、シリーズを通して読みながらずっと考えてきました。

結局、その答えが出ないまま完結作である本書を読んだわけですが、その結末には本当に驚きました。

聡子は自分の弱いところ、欠点だと思っているところを客観的に受け入れ、真修への自分の気持ちを正しく理解することが出来ました。

そして真修も、奈緒や父親との関係をしっかり自分の力で望むものにして、その姿は少年というよりも青年でした。

男らしさが増して、すごくカッコよかったと思います。

あれだけ不幸オーラを全体的に振りまいていた本シリーズをよくここまで一巻で綺麗にまとめ上げたなと、作者の高野さんに何度感動させられたか分かりません。

結末が怖くて途中で読むのを止めてしまった人。

周囲からの評判を聞いて、悲しい話は読みたくないと本書を手にとれずにいる人。

そういった人に、そんなことないと胸を張っていえる結末でしたので、ぜひ今からでも読んでほしいと思います。

この場を借りて、本書をオネショタという色物で終わらせず、年齢関係ない家族の関係や恋を描いてくれた高野さんに感謝します。

本当にありがとうございました。

おわり

九巻の表紙の二人のような、晴れやかな気分になれる内容で、しばらく何度も読み返しそうです。

二人のその後については自分の頭の中で妄想を膨らませようと思います。

もちろん、二人の幸せな姿をです。

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