『進撃の巨人 29巻』ネタバレ解説!あらすじから結末まで!
巨人がすべてを支配する世界。巨人の餌と化した人類は、巨大な壁を築き、壁外への自由と引き換えに侵略を防いでいた。だが、名ばかりの平和は壁を越える大巨人の出現により崩れ、絶望の闘いが始まってしまう。「地鳴らし」を発動させるべく、ついに兵団に刃を向けた「イェーガー派」。彼らはザックレー総統を殺害し、兵団の要人を拘束。ジークのもとへ向かう。一方ジークを見張るリヴァイは、死闘の末に再びジークを捕らえる。そこで明かされるジークの真の計画とは……。
Amazon内容紹介より
前の話はこちら。
前回、ジーク自ら雷槍の信管を抜き、大爆発が起きてリヴァイ共々巻き込まれてしまいました。
今回は、そこから始まります。
第115話『支え』
打ち破る方法
落雷のような音を耳にするハンジたち。
ハンジだけは、それが雷槍の音であることに気が付いていて、音のした方に向かいます。
場面は変わり、ジークは上半身の一部を残して、ほとんどが爆発によって吹き飛ばれて瀕死状態でした。
思い出すのは、獣の巨人の前任者であるクサヴァーとの会話でした。
クサヴァーは研究した結果、マーレにまだ知らせていない情報をジークにだけ教えます。
壁の王が『始祖の巨人』を封じるために課した『不戦の契り』ですが、打ち破る方法があります。
それは、『王家の血を引く巨人』が『始祖の巨人』の保有者に接触することで、その能力を引き出すというものです。
この時、力の使い方の決定権は始祖の巨人の保有者にあり、ジークはいわば鍵の役割です。
クサヴァーは、『安楽死計画』のために、信頼できる人間に始祖の巨人を託すようジークに伝えるのでした。
そして、ジークはクサヴァーを食べ、獣の巨人を受け継いだのでした。
決意
マーレはかつてのエルディア帝国のように巨人の力に溺れ、周辺の国々を蹂躙しました。
ジークはマーレに恨みを持つ人間を集め、打倒する機会を待っていました。
そんな時に、始祖の巨人の保有者がエレン、つまり自分の弟であること、父親であるグリシャがどのようにして始祖の巨人をエレンに渡したのかを知ります。
エレンもまた、自分と同じ目に遭っていることを知り、グリシャの洗脳から助け出すことを決意します。
そしてエレンがマーレに単身で乗り込んだ際に、話し合いの場を設け、エルディア人の安楽死計画について伝えます。
エレンは四年前、ヒストリアの手に口づけをしたことをきっかけにグリシャの記憶を開き、彼がどのようにして始祖の巨人を奪取したのかを知りました。
エレンはグリシャのやったことは間違いだと断言し、エルディア人が生まれてこないことほどの救済はないと計画に理解を示します。
自分の手で巨人が支配した二千年の歴史にケリをつけると決意し、ジークのことを兄さんと呼びます。
ジークは思わず涙しそうになりますが、エレンに触れては始祖の力が発動してしまいます。
クサヴァーとキャッチボールしていた時に使っていたボールを渡すのでした。
ここで回想が終わり、ジークの脳裏に木桶を持った見知らぬ少女が浮かびます。
ジークはそのまま息を引き取ったように見えました。
その時、一体の巨人がジークの目の前に現れます。
自分の腹をこじ開けると、内蔵の中にジークを押し込むのでした。
罰
同じ食卓を囲むピクシスたちとイェレナたち。
ジークの脊髄液を盛られたピクシスたちに、イェレナたちの申し出を断るという選択肢はありません。
イェレナたちは、腕に巻く布の色で人間を区別していました。
イェーガー派は白、脊髄液を摂取したことを知らされ服従を強いられている人間は赤、脊髄液を摂取してそのことを知らなかった人間は黒です。
イェレナはピクシスたちを非難することなく、ジークたちを信じていれば世界は今頃救われていたといいます。
ピクシスたちはパラディ島だけが救われると思っていましたが、本当の話は違っていたようです。
しかし、イェレナはそのことには答えず、裏切ったピクシスたちに、世界を救う神であるジークから罰が下るだろうと断言するのでした。
道
ハンジたちが雷槍の爆発現場に着くと、巨人がうずくまり、血まみれのリヴァイが倒れていました。
ハンジは死んでいると断言しますが、フロックはとどめを刺そうと銃を向けます。
その時、巨人から噴き出す蒸気が吸い込まれるように消え、巨人の中から裸のジークが現れます。
爆発の傷はなくなり、全くの無傷でした。
イェーガー派が呆気にとられる中、ハンジはリヴァイを連れて川に飛び込んで逃亡。
イェーガー派の一部が後を追う中、ジークは何があったのかをフロックたちに説明します。
ジークが横たわる中、先ほど思い浮かんだ見知らぬ少女が土をこね、ジークの体の欠けた部分を作りました。
そこは知らない場所で、その時間は一瞬にも何年にも感じられました。
ジークはそれが『道』なのかと思い至ります。
意識がはっきりしてくると、ジークは計画のために進みだすのでした。
場面は変わり、ガビが閉じ込められている部屋を訪れたエレン。
ファルコを助けるために協力しろと命令のように口にしますが、その時、エレンの背後からピークが現れます。
エレンの警護についていた兵士の喉にナイフを突き立てると、エレンに銃を向けます。
第116話『天地』
安楽死計画
ガビは兵士の落としたライフルを手に取り、エレンに向けます。
ピークは銃で脅して従わせようとしますが、エレンはピークに始祖の巨人の保有者である自分を殺せないことが分かっていました。
強きに出ると、ピークはあえなく降参。
銃をおろし、始祖の力があればマーレを倒せるのではと考えていることを明らかにします。
場面は変わり、牢屋。
これからについて話し合う104期メンバーたち。
ジャンはエレンが正気だと仮定した場合、ミカサやアルミンのことを傷つけたことについても何か理由があるはずだと語ります。
その時、イェレナたちが現れます。
後ろにはオニャンコポン、グリーズの姿もあります。
グリーズはエルディア人のことを罵りますが、イェレナはそんな彼を射殺。
非礼を詫び、自分たちの目的はマーレへの復讐ではなく、世界を救う『安楽死計画』にあるのだといいます。
場面は変わり、エレンとピークの会話。
ピークはいずれ一人残される父親の未来のためにも、マーレを叩き潰す必要があると考えていました。
そのためであれば、何でも協力すると。
これに対してガビは裏切り者だと罵りますが、ピークは今のままではダメだと反論します。
善良なエルディア人であると証明し続けたところで、いずれ巨人の力が通用しなくなれば意味がないと。
しかし、エレンはすぐにピークを信用しません。
ピークもそれは予想済みで、この街に潜む仲間の位置を教えると持ち掛け、建物の屋上に移動します。
場面は変わり、安楽死計画について説明するイェレナ。
ユミルの民が消滅するのを待ち、その間は地鳴らしで抑止力を行使する予定です。
幸い、ヒストリアは子どもを身ごもっているので、その子どもが死ぬまで始祖の巨人を継承し続ければ、作戦は可能になります。
この作戦に対して、素晴らしいとアルミンは涙を流し、その姿を見たイェレナも思わず瞳を潤ませます。
その時、侵入者が現れたと知らせが入り、騒然となります。
反撃
ピークはガビと手錠で繋がれ、エレンと共に屋上に移動します。
エレンたちはいつでも攻撃に移れる態勢をとり、敵はどこかとピークに聞きます。
それに対して、ピークは怯えるガビに笑いかけると、エレンの方を指さします。
そしてガビを抱えて横に倒れると、直後、エレンの立つ床が崩れ、下から巨大な口が出現。
顎の巨人となったガリアードでした。
ガリアードはエレンの下半身を食いちぎり、エレンも巨人化します。
ピークは裏切ったわけではありませんでした。
しかし、マーレに仕えても未来はないとして、空を見上げます。
空にはマーレの飛行艇が多数飛び、エレンの位置を確認します。
彼らはレベリオでの雪辱をはらすべく意気込み、その中にはライナーもいました。
第117話『断罪』
それぞれの決意
戦いの振動は捕らわれのアルミンたちにも伝わります。
マーレの飛行艇からは多数の兵士がパラシュートで降下してきます。
ピークがガリアードを呼ぶと、ガリアードはピークの手を爪で切り落とします。
当然、ピークはかなり痛がりますが、これでガビと手錠で繋がれていたのが解消されました。
痛がりながら屋上から飛び降り、車力の巨人と化します。
イェレナは、戦槌の力を使って地下から逃げるようエレンにいいますが、エレンはその言葉を無視して屋上から地上に降りると、飛行艇に向かって歩き出します。
その先では、ライナーがパラシュートで降下していました。
ライナーも巨人化すると、エレンとの一騎打ちが始まります。
一方、ガビは車力の巨人によってマガトの元まで運ばれます。
ピークは、エレンが始祖の巨人の力を使わないこととジーク不在を関連付け、二人を接触させてはいけないと警告します。
自分は大型銃器を背負うと、マガトもその背中に乗ります。
一進一退
エレンはライナーに対して優位に戦いを進めますが、ガリアードがそこに加わり、エレンは戦槌の力を使って応戦。
さすがに二対一でライナーたちの勝利に見えましたが、エレンは戦槌の力で柱を何本も地面から出現させ、二体の巨人を串刺しにします。
兵士たちは二体に雷槍を食らわせようと押しかけますが、その瞬間、エレンの頭が撃ち抜かれます。
やったのは、車力の巨人の銃器を操るマガトでした。
その間にライナーとガリアードは態勢を立て直し、雷槍を持った兵士たちをマーレの兵士たちが撃ちます。
そこに飛行艇からの射撃も加わり、戦いは激しさを増す一方です。
敗北しそうなエレンをただ見てるしかないイェレナですが、エレンは何度でも抵抗し、しぶとさを見せます。
しかし、戦槌の力は消耗が激しいため、ついにライナーに抑えられ、うなじを噛みちぎられそうになります。
その時、エレンは決死の力でライナーの口を引き裂き、さらにライナーの顔に石が襲い掛かります。
ライナーは吹き飛ばされ、エレンは石が飛んできた方を見ます。
イェレナは、石を投げた相手を見て涙を見せます。
壁の頂上。
そこには獣の巨人と化したジークが立っていました。
一人で耐えたエレンを褒め、後はお兄ちゃんに任せろと気合を見せます。
第118話『騙し討ち』
ジークは細かく砕いた石を投げつけ、飛行艇を次々に落とします。
マガトはジークのうなじを狙うようピークに指示しますが、こちらにも石を投げつけられ、明らかに不利でした。
さらに立体機動装置を操る兵士たちもピークを狙い、回避に専念します。
一方、ガリアードとライナーがダウンする中、エレンは接触するためにジークの方を目指します。
止めないといけないと分かっていても、巨人には巨人でしか対抗できません。
そこでコルトとガビはファルコの救出のために動きだします。
場面は変わり、牢屋にいる104期生をオニャンコポンが解放します。
彼はこれまでの計画のことなど知らず、エレンから始祖が奪われるのを防いでほしいとお願いします。
それぞれの意思がある中、アルミンは、エルディア人が子どもを一切作らない世の中をエレンが望んでいるとは思えないと発言。
始祖の力を発動しても、どう使うかはエレン次第です。
そして、マーレが攻めてきた今、地鳴らしを発動させて力を見せつければ、パラディ島は今後五十年は誰にも手出しできなくなります。
これでみんなの意思は固まり、戦いに出る準備を始めます。
この時、ミカサはエレンに巻いてもらったマフラーを置いていきます。
場面は変わり、ガビたちは解放されたファルコを見つけますが、隣を歩くナイルに見られてしまいます。
しかし、子どもがいる場所じゃないとナイルはガビたちのことは知らなかったことにして、ファルコを解放。
三人は他の人たちに見られないようにしながら本隊との合流を目指します。
ガビは今回の一件で、この島には悪魔なんていなかったのだと自分の思いこみを後悔し、ファルコを巻き込んでしまったことを謝罪します。
それに対してファルコは、自分の後悔も口にし、それからガビのことが好きだとついに告白します。
ガビに鎧の巨人を継承してほしくないから戦士候補生になり、自分と結婚して幸せになるために長生きしてほしかったと。
言葉の意味に気が付いたガビの顔は赤くなりますが、ファルコは恥ずかしそうに、なおも続けます。
自分はジークの叫びによって巨人になってしまうかもしれないが、言い残すことはないと。
ファルコの決意を見届けたガビですが、ファルコの腕に巻かれた黒い布をとると、行こうと声を掛けます。
コルトも、ファルコが脊髄液を飲んだことをジークが知れば、叫びを止められるかもしれないと賛同し、ファルコは望みがあることに涙します。
場面は変わり、ライナーとガリアードはエレンに襲いかかりますが、その度にジークに妨害されます。
二人の接触まであと少しです。
その時、ジークの視界に車力の巨人が入ります。
やられたのか蒸気を出し、白骨化しかけていました。
兵士たちも勝利を確信しますが、誰が仕留めたのか分かっていませんでした。
そう、ピークはやられてなどいませんでした。
騙し討ちのためにわざと巨人の体から抜け出していて、銃器だけがジークの方を向きます。
そしてマガトが撃ち、弾は獣の巨人のうなじに命中します。
ジークの背中側に当たり、獣の巨人は地上に落下します。
そのまま動きませんが、マガトはとどめを刺そうとします。
しかし、射角がとれないため、移動するようピークに命令します。
少しでも命があれば、叫ぶはずだと。
おわりに
敵味方入り乱れての戦闘は、久しぶりに興奮しました。
このままジークが死んでしまえば、安楽死計画は達成できませんが、ここからどう展開するのかが非常に楽しみです。
次の話はこちら。