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【感想】『あの娘にキスと白百合を』それぞれの特別な関係を描くオムニバス百合作品【ネタバレ注意】

品行方正、成績優秀の秀才少女・白峰あやかは、中等部から高等部に進学。『今までと同じ自分』であり続ける……はずだった!? 天才少女・黒沢ゆりねとの出会いから、彼女の世界は一変する…?!

Amazon商品ページより

僕の中でもダントツでオススメしたい百合マンガが本書です。

中高大一貫の清蘭学園を舞台に、メインキャラを変えながらオムニバス形式で物語が展開していきます。

短編ですがお互いの話が影響し合っているので、色々なカップルに焦点を当てながらも作品としてしっかりまとまっているのが特徴です。

この記事では、本書の魅力や評価の分かれるポイントについて書いています。

多少のネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。

登場人物

内容に入る前に、本書の登場人物について説明します。

といってもカップルだけでも十組以上ありますので、実質メインカップルである二人について言及します

『あの娘にキスと白百合を』1巻より

左が白峰あやかで、右が黒沢ゆりね。

白峰あやか

清蘭学園に中等部から在籍していた優等生。

負けず嫌いかつ努力家で、中等部ではあらゆるもので一位を取ってきた。

高等部でも清蘭の生徒の鑑として明るい未来が待っているはずが、黒沢ゆりねの登場により常に二位に甘んじるようになり、彼女をライバル視するようになる。

はじめは敵意しかなかったが、ゆりねと交流を深める中でライバル以外の関係を見出し、しかしその正体が何なのか悩むことになる。

世話好きで優しい性格だが、ゆりねと寮のルームメイトで従姉妹の瀬尾瑞希にはキツめに接し、これも彼女の素の表情。

母親との折り合いが悪く、コンプレックスが想像もできないほど深い。

黒沢ゆりね

清蘭学園に高等部から入学した天才。

大して努力せずとも何でも一位をとってしまうため、入学早々あやかからライバル視されることになった。

周囲からは憧れる反面、近寄りがたいと距離を置かれる。

ゆりね自身は普通に憧れを持ち、ゆりねに負けることで変われるのではと期待している。

一方的にゆりねに好意を示し、彼女と関係を築く中で人として成長し、協調性を見せる反面、今まで見えていなかった問題に直面していく。

天才ゆえにコンプレックスがあり、物語が進行するにつれて一番印象が変わるキャラ。

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魅力

オムニバス形式

あやか・ゆりねのカップルがメインですが、彼女たちにずっと焦点が当たっているわけではありません。

学年や中高大に関わらず清蘭学園全ての生徒が物語の主人公で、最終的には十組以上のカップリングが出来上がります。

恋人もいれば大切な親友もいますし、良きライバルもいます。

これだけ多様な関係性を見られるのがオムニバス形式の利点です。

しかも舞台は常に清蘭なので、それぞれの短編の繋がりを感じることができ、作品としてもしっかりまとまっているのが魅力です。

カップル成立後も悩みはある

多くの百合作品では恋人同士になることがゴールになりますが、本書はそれだけではありません。

恋人になったからこそ出てくる悩みがあり、些細なことで嫉妬したり不安になる姿が描かれています。

これは性別関係なく恋愛や結婚において忘れられがちですが大切なポイントで、それを乗り越える彼女たちの勇気に何度も心を動かされました。

お互いに影響しあう

オムニバス形式なので、あるエピソードの裏ではこんなことがあった、など舞台裏まで見ることが出来ます。

これによって誰かの行動が別の誰かの行動に影響を及ぼしていることが分かり、作品としての一体感が生まれます。

終盤になる頃にはモブキャラなどいないくらい全員に思い入れを持てるようになり、どの作品よりも大切な存在になれるポテンシャルを秘めています。

評価の分かれるポイント

キャラを覚えるのが大変

オムニバス形式の良い所を上記しましたが、もちろんそれだけではありません。

その一つにキャラの多さがあります。

カップルだけでも十組以上が登場し、カップルとは関係ないキャラも多く登場。

『徒然チルドレン』を読んだことのある方であればピンとくると思いますが、とにかくはじめはキャラを覚えるのが大変です。

なので覚えるのが苦手もしくは億劫だという人は、特定のお気に入りを見つけ、それだけに集中するのも一つの手だと思います。

掘り下げが足りない

十巻というそれなりのボリュームですが、主要カップル以外はそこまでメインエピソードがないので、人によって推しカップルのメイン回が少ないと不満を覚えることがあると思います。

こればかりは作品の構成上、仕方がないことなので、受け入れるしかありません。

特定のカップルを常に追っていたいという人にはあまり向いていないと思います。

もちろんあやか・ゆりねはメインカップルでエピソードも豊富なので、この二人を推したいという人はそこまで問題にならないと思います。

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迷ったら試し読み

ここまで記事を読んでまだ迷うという人は、ぜひ試し読みしてください。

一部ではありますが、pixivコミックで無料で本書を読むことが出来ますので、絵柄など自分に合うか確認してもらえればと思います。

『あの娘にキスと白百合を』pixivコミック

おわりに

百合作品ではありますが、単なる恋愛モノとしてもこれ以上ないほど素敵な作品です。

性別にこだわらずに読めるという人は、百合としてではなく恋愛マンガとしてぜひ読んでもらえれば嬉しいです。

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