【感想】『徒然日和』日常に美しさが溶ける女子高生たちの緩い日常【ネタバレ注意】
田舎の女子高生は好きですか? 友達以上恋人未満な女子高生4人組が送る、田舎のまったりスクールライフ。特別なことは起きないけれど、この日々はきっと”とくべつ”
Amazon商品ページより
タイトルから想像できるように、日常が舞台の何の変哲もない物語です。
しかし、その日常がとても尊い、それが『徒然日和』という百合漫画です。
四人のタイプの違う女子高生が可愛くてバランスがいいのはもちろんですが、何気ない風景が美しくてどこか懐かしく、日常の大切さを教えてくれます。
この記事では、本書の魅力や評価の分かれるポイントについて書いています。
多少のネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。
登場人物
内容に入る前に、メインの女子高生四人についてご紹介します。
『徒然日和』3巻表紙より
左上が白月真冬、右上が花村小春、左下が風見実里、右下が飛鳥七椰です。
※七椰の表記について、公式で『七揶』と書いてあるものもあります。
ここでは作中の表記で『七椰』としています。
花村小春
小学生のような身長、無邪気さだが、れっきとした高校生。
真冬いわく、小学生の時から変わっていない。
天然というかほんわかしていて、真冬には小春の全てが可愛く映っている。
無邪気に見えて、時折、真冬に対して特別な感情を抱いていることがうかがえる。
白月真冬
東京から父親の転勤の関係で田舎に来たが、元々小学校は小春と同級生で、何も言わずに転校してしまったことをずっと後悔していた。
しかし変わらない小春に安心し、徐々に彼女に対して特別な感情を抱いていることが明らかになる。
美人だがマイペースで、思ったことはズバズバ言うはっきりした性格。
そのせいかこれまで友達はおらず、四人での行動に戸惑いながらも少しずつ心を開いていく。
飛鳥七椰
小春とは小学校のキャンプで知り合った仲。
親戚が大家をしているアパートに幼馴染の実里とルームシェアしている。
軽いノリでいじられキャラ。
そのキャラから勘違いされがちだが、勉強はできる。
風見実里
七椰の幼馴染で、美術部所属。
家事全般が得意で、七椰に接する姿はまるでお母さん。
しかし、それを嫌がっているわけではなくむしろ嬉しそうで、何だかんだ相性が良い。
魅力
シンプルに可愛い
表紙から見て分かるように、非常に絵柄が可愛いです。
しかも表紙と中身にほとんどギャップがないので、表紙買いしても問題ありません。
そもそもが可愛い女子高生なので、女子高生同士で絡んで可愛くないはずがありません。
可愛い、綺麗な作品を見たいという人にはとにかくオススメです。
描写が丁寧
日常作品といえば、いかにありふれた日常の大切さ、美しさを描くのかが重要になってきますが、本書はそういった描写がとにかく丁寧です。
時には風景がメインとなって主張し、時にはキャラクターの背景として引き立てる。
一巻だと、駅のベンチで小春と真冬が隣り合って座るシーンがお気に入りです。
電光掲示板や券売機の絵だけでここまで読みこんだのは間違いなく初めてです。
評価の分かれるポイント
百合成分は薄め
全三巻という短い物語なこともあってか、百合度がじょじょに高まってきたところで完結します。
一番高まったところでも爽やかさが程よく残っていて、百合作品に慣れ親しんだ人だと物足りなさを感じるかもしれません。
逆に可愛い女の子たちが戯れる=百合と捉える人であれば、必要十分な百合度だと思います。
ある意味退屈かも
日常作品ですので、当然というか大事件は起こりません。
ひたすらに淡々と日々が流れ、何気ない彼女たちのやりとりをのんびり眺めて楽しみます。
それが本書の売りですが、それを退屈と感じる人も当然いると思います。
タイトルから日常ものだと分かりやすいので興味がない人は回避しやすいと思いますが、一応ご注意ください。
迷ったら試し読み
ここまで記事を読んでも、まだ購入しようか迷われている人は、一度無料で試し読みしてみてください。
一部ではありますがpixivコミックで公開されています。
おわりに
百合漫画のオススメとしてよく見かける本書ですが、あまり興味がないという人にも読んでもらいたい。
それくらいありふれた日常に込められた愛情がすさまじく、日常系が好きな人であればまず間違いありません。
もちろん百合部分も期待通り、もしくは期待以上に楽しめます。
百合マンガのランキングを作りました。