『兇人邸の殺人』あらすじとネタバレ感想!廃墟遊園地に隠された研究結果とは?
廃墟テーマパークにそびえる奇怪な屋敷。
そこに入ったが最後、
姿を見ることは二度とない。シリーズ累計140万部!!
『屍人荘の殺人』シリーズ第3弾
綾辻行人×今村昌弘 特別対談を収録“廃墟遊園地”に建つ奇怪な屋敷「兇人邸」。班目機関の研究資料を探すグループとともに、深夜そこに侵入した葉村譲と剣崎比留子を待ち構えていたのは無慈悲な首斬り殺人鬼だった。同行者が次々と惨殺され、比留子は行方不明になってしまう。絶体絶命の状況下で葉村は比留子を見つけ出し、謎を解いて生き延びることができるのか。『屍人荘の殺人』の衝撃を凌駕するシリーズ第3弾。対談=綾辻行人・今村昌弘
Amazon商品ページより
シリーズ第三弾となる本書。
前の話はこちら。

冒頭はホラーやサスペンスに近い導入でしたが、やがて事態を解決するためのミステリ要素が加わり、フィクションならではの大胆さと緻密さが共存した素晴らしい読み応えでした。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
連絡
ある日、葉村のもとに比留子から電話がかかってきて、カラオケボックスに呼ばれます。
そこにいたのは成島グループという医療・製薬関連企業の子会社社長・成島陶次と、その秘書の裏井でした。
成島たちの目的は比留子でしたが、彼女の要望で葉村も同席することになったのでした。
シリーズを読んできた人からすればすぐに分かると思いますが、目的とは班目機関に絡んだものです。
研究結果
成島グループは班目機関の研究結果の恩恵を受けてここまで成長したという背景があります。
彼らは班目機関の研究結果の価値を知っていて、そのうちの一つを回収しようと考えていました。
そこで比留子、もっといえば彼女の体質の出番です。
成島たちは研究結果を所有していると思われる人物を三名まで絞っていて、二名は空振りでした。
三人目も空振りにするわけにはいかなく、そこで比留子の事件を引き寄せる体質を逆手にとって、彼女が同行すれば何かが起こるから空振りにはならないと考えたのでした。
さらに比留子からしても、周期的にそろそろ事件を引き寄せる時期で、成島たちが護衛を用意してくれるのであれば事件が起きても被害を最小限に抑えることができます。
葉村が同行する必要はありませんが、比留子が決断した時点で、彼が同行することは必然でした。
兇人邸
成島たちは五人の護衛を雇っていて、荒事に慣れている様子からも穏やかではありません。
一行が目指しているのは馬越ドリームシティという場所で、滅びゆくテーマパークとして話題を呼んでいました。
そしてそこには兇人邸と呼ばれる屋敷があり、班目機関に所属していた研究者・不木玄助が使用人と共にそこに住んでいます。
成島はそこに班目機関の研究結果があるとにらんでいました。
潜入描写と並行して、過去の班目機関に関する描写がされます。
二つは関連しているものの明確な繋がりが見えませんが、やがて密接に関係していることが判明します。
感想
鮮やかな導入
本書は本題までスムーズに移行します。
比留子の体質と班目機関を組み合わせれば、少々有り得ないシチュエーションでもすんなり受け入れることができます。
改めて上手い設定だと感心しました。
もちろん今村さんの抜群のリーダービリティがあってのことですが。
事情もすんなり受け入れられるので、複雑な背景がありつつも、サスペンスやミステリ部分に集中できるので、お手軽さと重厚感を同時に味わうことができます。
探偵という存在
本書では比留子と葉村を通じて、探偵という存在に対する投げかけがあります。
とある状況から比留子が安楽椅子探偵役になるのですが、彼女は探偵役は簡単だといいます。
その理由がかなり頷けるもので、この考察だけでもかなり楽しめました。
裏を返せばこの話は葉村の優秀さを物語るもので、彼が立派にワトソン役を務めていることを示しています。
また圧倒的な暴力を前に、探偵が真実を暴いたとして事態が好転するとは限らない。
その事実が二人の葛藤を生み出します。
ただ目の前の事件を解くだけではないところもポイントが高く、二人の成長も見ることができます。
最後の伏線
本書は次巻以降に繋がるであろう伏線が最後に置かれています。
正直、僕は覚えていなくて、他の記事を見てもこの伏線がどう活かされるのか全くイメージできませんでした。
しかし、今村さんが先のことも見据えた上で本書を執筆したことがうかがえるので、単体だけでなくシリーズとしても連動性を持って楽しませてくれそうです。
比留子と葉村の関係にも変化というか、絆が深まったところなので、それが次巻以降にどう活かされていくのか、非常に楽しみになりました。
おわりに
最後に綾辻行人さんとの対談があったせいか、綾辻行人さんの後継者といっても過言ではないほど素晴らしい作品でした。
冷静に謎解きする一方で、読者の上を行くようなトリックで翻弄されたい。
そんな読者のわがままを完璧に満たしてくれる一冊でした。
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