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『詩的私的ジャック』あらすじとネタバレ感想!歌詞と奇妙な符号を見せる事件の関係とは?

harutoautumn
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大学施設で女子大生が連続して殺された。現場は密室状態で死体には文字状の傷が残されていた。捜査線上に浮かんだのはロック歌手の結城稔。被害者と面識があった上、事件と彼の歌詞が似ていたのだ。N大学工学部助教授・犀川創平とお嬢様学生・西之園萌絵が、明敏な知性を駆使して事件の構造を解体する!

Amazon商品ページより

シリーズ第四弾となる本書。

前の話はこちら。

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女子大生が立て続けに殺害される事件と、そこに見出される関連性。

非常にミステリ的で、そこに理系的知識や歌詞という情緒的なものが加わり、複雑な面白さを生み出しています。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

絞殺事件

S女子大は三年前に創設されたばかりの大学です。

助手として赴任した杉東千佳が朝早く訪れ、ログハウスで何かが光っているのを見つけます。

近づくもログハウスの扉は開かず、裏側の窓から中を見ます。

そこには裸の女がいて、絞殺されていました。

事件の詳細

犀川はS女子大で非常勤講師として講義することになり、担当窓口である千佳から事件について聞きます。

千佳は萌絵と知り合いで、彼女の夫が萌絵も所属するミステリ研のOBでした。

犀川は事件に興味がないため詳しいことは聞きませんでしたが、後日、萌絵から事件の詳細を聞きます。

被害者はT大の生徒で、なぜS女子大にいたのか疑問が残るし、金銭などが盗られていないことから犯人の目的も分かりません。

萌絵が事件に興味を示していることは明白でしたが、ここから犀川が事件に関与することはないはずでした。

ロック歌手

大学にも一応クラスがあり、犀川も担任をしています。

ある日、学生係から結城稔という生徒のことで呼ばれ、彼は四年生ですが今年で八年目で、単位的に卒業が絶望的な状況でした。

このままいくと除籍扱いで在籍していたという証明がなくなってしまうため、自主退学するよう指導してほしいと依頼されます。

稔は今人気のロック歌手で、大学を退学してもさほど問題なく、犀川は稔にこのことを伝えてそれで終わりのはずでした。

ところが、彼が事件に関係している可能性が出てきて、それが彼の歌詞との関連性でした。

感想

鮮やかな導入

本書もこれまで同様、犀川や萌絵が事件に巻き込まれるまでの導入が鮮やかであっという間でした。

大学の助教授であれば他の大学で講義を行うこともあるし、そこに知り合いの知り合いが絡んでくることも、まあありそうです。

密室という状況と、関連していそうで関連性が明確には分からない連続殺人事件。

ようやく分かってきた関連性が、被害者がいずれも結城稔に熱を上げていたということで、一気に動機らしきものが見えてきます。

ここに歌詞との関連性も見えてきて、非常に分かりやすい構造でした。

読んでいて本筋を見失うことはなく、ストレスなく読むことができました。

相変わらずな理系的側面

本書でも理系ミステリの特徴が出ています。

密室にするために接着剤の存在が議論され、接着剤と一口にいっても様々な特徴があることが分かります。

固まるまでの速度や入手難易度など、考えるべき視点がいくつもあり、これだけでも面白かったです。

僕自身も理系で色々な実験を行ってきましたが、分野が異なり見慣れないワードも多く登場したので、新鮮で興味深かったです。

萌絵の危うさ

本書では萌絵が危険を承知しつつも行動に出る場面があります。

優れた頭脳を持つものの、行動力ゆえにリスクを過小評価する傾向があるし、大胆な選択が時に隙を生むことがあります。

基本的には犀川や警察が守ってくれるのですが、犀川も放任主義で一歩間違えれば、ということもあるため、そういったハラハラもありました。

あと、犀川と喜多との対話の中で女性に対する姿勢や態度の話が出ますが、二人は正反対といっていいほど異なります。

一般的には喜多の方が異性に好まれそうですが、萌絵はやはり犀川の方が好みであることが明白なわけで、このあたりの組み合わせの妙も楽しめました。

おわりに

次第と犀川と萌絵の将来を想起させるようなワードが出てきて、ニヤニヤしながら読みました。

犀川が意外と大胆だったり、萌絵が時に控えめになったり、攻守交代の切り替えが読めないところもグッドです。

次の話はこちら。

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