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『夏の名残りの薔薇』あらすじとネタバレ感想!山奥のホテルで起こる事件は幻か?

harutoautumn
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この殺人事件は真実なのか、それとも幻か!?
沢渡三姉妹が山奥のホテルで毎秋、開催する豪華なパーティ。
不穏な雰囲気のなか、関係者の変死事件が起きる。はたして犯人は――

沢渡三姉妹が山奥のクラシック・ホテルで毎年秋に開催する、豪華なパーティ。
参加者は、姉妹の甥の嫁で美貌の桜子や、次女の娘で女優の瑞穂など、華やかだが何かと噂のある人物ばかり。
不穏な雰囲気のなか、関係者の変死事件が起きる。
これは真実なのか、それとも幻か!?
巻末には杉江松恋氏による評論とインタビューも収録。

Amazon商品紹介より

恩田陸さんの作品である本書。

毎年秋に行われる山奥のホテルでのパーティ。

みんなが楽しんでいるわけではなく、そこには様々な思惑が渦巻いていて、常にどこか緊張感をはらんでいます。

視点だけでなく、シチュエーションも次々に変わることではじめは戸惑うかもしれませんが、慣れてくるに従って本書の面白さが見えてきます。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

集まる一同

秋も終わりを迎えそうな頃。

山奥のホテルに多くの人間が集まります。

目的は沢渡三姉妹が開催するパーティに参加するためでした。

ホテルは沢渡家が経営する会社が建てたもので、パーティは豊かさを見せつけるだけでなく、山奥でしかできない密談をするため、など様々な理由を含んでいます。

喜んで参加している者ばかりではないことが例年通りですが、今年のパーティはさらにどこか違っていました。

三姉妹

パーティを取り仕切るのは沢渡伊茅子、丹伽子、未州子の三姉妹です。

三人はそれぞれ個性がありますが、招待客を悩ませる理由がいくつかあります。

例えば、姉妹が急に話し始める昔話。

実はそれは作り話で、姉妹はその場の空気で話す順番を決め、最後の人間がオチを作るのです。

それもどう反応して良いのか分からないようなものを。

加えて三姉妹はそれぞれ招待客をお茶会に誘うことがあり、それが品定めを兼ねているのだから厄介です。

一方で、それをある種楽しみにしている人間がいることも事実で、話がそう単純でないことが分かります。

何が本当なのか

本書はこのホテルを舞台に事件が起こり、誰かが亡くなります。

かと思うと章が変わり、視点が変わるとともに、事件などなかったかのように誰もが振る舞います。

タイムリープなのか、パラレルワールドなのか。

視点が変わることでそれまで見えていなかった真実が浮かび上がり、ホテルに渦巻く多くの感情が見えてくるようになります。

感想

読むごとに深みを増す

本書は章ごとにリセットされるような感覚を受けます。

それまでの話は幻だったのか?

戸惑っている間に次の事件が起こり、またしてもなかったことにされる。

次第に真実かどうか気にならなくなり、物語に自然と没入するようになります。

そうすると、はじめは人間を超越した存在に思えた人の意外な一面が垣間見えるようになり、正しく理解できるようになります。

三章くらいまで読むと本書の流れが見えてきて、面白さに集中できるので、エンジンがかかるまでやや時間がかかることは覚えておいてください。

本書が伝えたいこと

おそらくですが、本書の評価は恩田作品でいうと、そこまで高くないと思います。

理由は読み終わってもよく分からない、と感じる人が多いことが予想されるからです。

恩田作品でいうと『ユージニア』あたりが似ているでしょうか。

明確な結末は描いておらず、どう受け取るかは読者に委ねられている。

ちなみに僕は『ユージニア』も本書も大好物です。

冷静に多面的に描かれる物語と、一つの正解では語ることのできない複雑さ。

妖しく、美しく、残酷で。

この色や艶はまさしく恩田さんの強みが発揮されていて、何回も浸りたくなるほど魅力的でした。

あとがきにありますが、恩田さんとしてはしっかり物語として閉じさせたとコメントして

いるので、読者と著者の感覚のズレも面白かったです。

おわりに

恩田さんの初作品としてはあまりオススメしません。

しかし、王道作品を読んだ人にはぜひ一度は読んでほしいです。

恩田さんはこんな側面もあるのか、こんな楽しみ方もあるのか。

そう思ってもらえれば嬉しい限りです。

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