『秋期限定栗きんとん事件(下)』ネタバレ感想!あらすじから結末まで!
上巻に続き、米澤穂信さんの「秋期限定栗きんとん事件(下)」をご紹介したいと思います。
前の話はこちら。
上巻では連続放火の裏で小佐内さんが動いていることを知った小鳩君が、事件解決に乗り出すところまで書かれていて、今作は解決パートになります。
それでは、まずはあらすじを。
ぼくは思わず苦笑する。去年の夏休みに別れたというのに、何だかまた、小佐内さんと向き合っているような気がする。ぼくと小佐内さんの間にあるのが、極上の甘いものをのせた皿か、連続放火事件かという違いはあるけれど……ほんの少しずつ、しかし確実にエスカレートしてゆく連続放火事件に対し、ついに小鳩君は本格的に推理を巡らし始める。小鳩君と小佐内さんの再会はいつ?
「BOOK」データベースより
上巻の後半から一気に駆け抜けるようにラストまで畳みかけるこの勢いが、とても心地よかったです。
やっぱり小鳩君と小佐内さんの二人が落ち着きますね。でもとても刺激的で、ようやくこの話の真骨頂を見ることが出来ました。
それにしても、今回も小佐内さんのやる事はえげつないです。
前回は犯罪行為ということで、その仕返しというのであればまだ頷けますが、今回は「勝手に〇〇しようとした」から完膚なきまでに敗北感を植え付けたなんて、畜生にも程があります。
いや、勝手に〇〇するのはもちろんいけないことなんですけど。
瓜野は、その後も無事に高校生活を送れると良いのですが・・・
在るべき形に戻り、小鳩君も小佐内さんもそれを認め、とりあえず高校生の間は元の互恵関係に戻ることになりましたが、最終巻ではどのような活躍を見せるのでしょうか。
そして願わくば、その後も二人が一緒に歩んでくれるといいなあ。いや、新作発売が先か。
ところで冬期限定ってなんでしょうね。
雪見大福とか?(小佐内さんの部屋でどうですかね?)
以下、ネタバレです。未読の方はご注意を!!
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あらすじ
第四章 うたがわしい夏
瓜野率いる新生新聞部に新入部員が入り、瓜野はいよいよ連続放火事件の捜査に本腰を入れます。
法則性から次の放火現場に先回りし、犯人を自分たちの手で捕まえるという、危険極まりない行動でした。
しかし、張り込みも虚しく放火は行われてしまい、逆に犯人と疑われないよう逃げるしかありませんでした。
一方、小鳩君は犯人を学校内にいることを確信し、犯人を割り出すために新聞部の五日市に協力を要請します。
瓜野のやり方に不満を持つ五日市は、これに了承します。
お馴染みとなった小鳩君と仲丸のデートですが、ここでも推理するくせが出てしまい、仲丸の不信感が募っていきます。
そして告白の時と同じように誰もいない教室に小鳩君は仲丸に呼び出され、別れを切り出されます。
浮気を知っても態度を変えずに付き合えてしまうこと、これだけ付き合っても小鳩君の心境に何の変化もないこと。
これが仲丸には許せませんでした。
別れ際、「あたしもそうだけど、君も最低だった」と言い残し、教室を去っていきました。
この分かった上で被害者面するあたりが、なんとも言えない後味の悪さでした。
まあ、小鳩君も大概なんですけど、思い入れがある分、つい同情してしまいました。
小佐内さんはもうすぐそこだ。頑張れ!
一方、小佐内さんが忘れていった文庫本。そこに挟まっていたレシートを見て、瓜野は小佐内さんが放火犯なのでは?という疑念を強めていきます。
第五章 真夏の夜
放火現場に先回りして張り込む小鳩君と堂島。
すると本当に放火が起き、堂島は犯人を追い、小鳩君は現場に向かいます。
現場にいたのは、小佐内さんでした。
彼女が犯人としか思えない状況で、二人は軽やかな会話をかわし、そこに瓜野も現れます。彼はこれで小佐内さんが犯人だと決めつけます。
逃げ出す小佐内さんを瓜野が追い、近くの公園で対峙します。
そこで瓜野は小佐内さんが犯人である証拠を突きつけますが、全て小佐内さんに論破されてしまいます。
小佐内さんが放火現場に何度も居合わせた理由。
それは瓜野を陰ながら手助けしたかったからです。
しかし、そんなことにも気が付かず瓜野は事件を追い続け、小佐内さんの期待を裏切ってしまいました。
しかし、小佐内さんは失望したわけではありません。そんなことだろうと思っていた、と晴れ晴れとした笑顔で言うのです。
それは、復讐が完了したことを意味していました。
心の折れた瓜野を置き去り、小鳩君と小佐内さんは合流します。
ここで小鳩君の推理が明らかになり、『月報船戸』の記事を見て犯人が次の放火場所を決めているというものでした。
そこで五日市の協力を得て各クラスごとに違う内容の新聞を流し、それによって犯人を絞っていくことにしました。
犯人はすぐに浮かび上がり、それは瓜野の友人の氷谷でした。
小佐内さんが放火事件に介入した理由。
それは瓜野のためであり、恋人とはそういうものだから、という理由でした。
しかし、やったことは恋人からはほど遠く、またその思いは瓜野に届かず、結局本性に従ってしまう結果になってしまいました。
結局、小鳩君と同じで、小佐内さんも人間失格なのでした。
こうして別れてから一年が経ち、お互いの必要性を再確認した二人は、また一緒にいることを選びました。
もう短い間だと思うけど、と小佐内さんが言いますが、それはおそらく卒業までの間だと推測されます。
第六章 ふたたびの秋
日常が戻り、小鳩君と小佐内さんは「桜庵」というお店の秋期限定栗きんとんを食べに行きます。
ここで瓜野とのデートの時と同じような会話がされますが、そこは小鳩君。落ち着いた自然な会話が繰り広げられ、ホッと一息つけました。この小佐内さんが嬉しそうにスイーツを食べて、それを小鳩君が眺めるシーンは、僕は好きなのです。
ふと、小佐内さんの行動が気になったと小鳩君が言い、最初こそ瓜野のために行動していたが、いつの間にか瓜野に小佐内さんが犯人だと誤認させることが目的だったことが分かります。
それは、小佐内さんの復讐でした。
これが高校に入って初めての復讐でした。
いちごタルトの時は意趣返し、トロピカルパフェの時は自分を守るため、しかし今回は違います。
小佐内さんの言う復讐とは、敗北感を植えつけ、行動が愚かだったと思わせ、相手が自分が無力だと心から信じさせることでした。
瓜野は復讐の餌食になったのです。
そして、その理由は「勝手にキスしようとした」からでした。
なにそれ、怖い。
そうなるとキスしていいか確認をとらないといけなくなりますが、僕だったら小佐内さんにそんなことを聞く勇気はありません。
でもムードも必要だとか言いそうだし、ほぼ無理ゲーですよねこれ。
やっぱり世間を小佐内さんの魔の手から守るという意味からも、小鳩君が責任を持って付き合うべきではないでしょうか?
そのあたり、ぜひ次巻に期待しています!
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