『徒然チルドレン 11巻』ネタバレ感想!あらすじから結末まで!
「君が好き」って言えない君へ。もどかしくて恥ずかしくて照れくさい思いがたっぷり詰まった、WEBで大人気の学園ラブコメディ4コマが待望の単行本化!! その思い、きっと伝わる気がしてくる!!
Amazon内容紹介より
累計100万部突破のWEB発オムニバス形式のラブコメ4コマ。大好きな人と一緒にいたい冬がきた。不器用な恋達が、あっちに行ったりこっちに行ったりしながら、少しずつ距離を縮める第11巻!
WEB漫画サイトにて2012年より連載が始まった本シリーズですが、気が付けば第11巻になりました。
昨年はアニメ化され、そこで存在を知ったという方も多いのではないでしょうか。
青春・恋愛四コマ漫画で、大袈裟にいえば学校にいる全ての登場人物にスポットライトを当て、それぞれ青春・恋模様を描くと言う意欲作。
誰もがお気に入りのキャラ、もしくはカップリングを見つけられるという優れた作品です。
ちなみに僕は菅原×高野が好きです。
昔から吹奏楽の女子に憧れがあったので、そのせいもあるかもしれません。
そして、毎回巻末には登場人物全てに質問を投げかけ、その回答を書くというコーナーがあるのですが、本作ではさらに登場人物が増えついに54人!
しかもちょい役にまでしっかり名前がついているのですから、すさまじいこだわりを感じます。
この記事では、11巻の見どころを個人的な感想を交えながらご紹介したいと思うので、購入の参考にしれもらえればなと思います。
ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。
いたずら(砂川×戸田)
40度の高熱を出し、保健室のベッドで横になる砂川。
放課後、戸田は様子を見に保健室にやってくるのですが、誰もいないのをいいことに砂川の頭を撫でたり、寝顔の写真を撮ったりとやりたい放題。
しかも寝言で砂川が、戸田が好きだと言うもんだから、戸田も何かを囁き、照れます。
そして、思い切って寝ている砂川にキスしようとする戸田ですが、そこで砂川が起きます。
戸田が様子を見るにしては近くなかった?と当然の疑問を口にしますが、戸田は「キモいんだけど」と容赦のない言葉を浴びせかけます。
この二人は青春しているのに、それを微塵も感じさせないシュールさがあっていいんですよね。
ルナルナ(千秋×香奈)
タイトルからお察しの回。
これまで何度もエッチを阻まれてきた千秋と香奈ですが、二週間前から打ち合わせ、ついに初エッチをすることに。
ところが、香奈の生理が早まり、きてしまったのです。
申し訳なさそうにする香奈ですが、本当にできないの?と食い下がる千秋。
香奈はやんわり断りますが、「じゃあ、今日は帰る?」と畜生発言をする千秋。
これには香奈も激怒し、千秋はようやく事の重大さに気が付きます。
慌ててフォローをいれますが、また余計なことを言ってさらに怒らせるという回です。
長く親友のような立ち位置で接してきた千秋なので、彼女になったからといって気を遣うのも難しいかもしれませんが、お姉ちゃんがいるんだからもう少し女性の扱いを学ぼうよと呆れてしまう話でした。
一緒に行こうよ(山根×本山×榎本)
年末のコミケについて話している山根と本山。
山根は栗山も誘ったという。
そこにオタク趣味に全く興味のない榎本が参加し、年末は予定が空いていることを伝えると、本山はついコミケについて熱くプレゼンしてしまいます。
途中で我に返る本山ですが、ここで榎本さんも一緒に来ない?と山根からの絶妙なフォロー。
目線だけで意思疎通できる二人は、まさしく親友ですね。
途中素直になれない本山ですが、山根はそれでもフォローを続け、ついに榎本を誘うことに成功します。
ラスト、内心では嬉しいのに、仕方ないという風を装うのもいつも通りで良かったです。
共犯(桐原先生×千葉)
教師と生徒の恋愛がいけないと知りつつも、桐原先生の気を引こうとする千葉。
帰り道、質問があるけど、寒いからくっついて教わりたいという無茶なスタイルで桐原先生に近づく千葉ですが、桐原先生は人目についたらまずいと注意します。
ならば隠れようと千葉が木陰に先生を連れていき、ますます怪しい展開に。
すると人の気配を感じ、千葉をしゃがませようとした拍子に、先生は千葉の上に覆いかぶさるような格好になってしまいます。
眼鏡がずれて、見つめ合う二人。
目がキレイですねと千葉が言うと、先生は顔を真っ赤にしてしまいます。
気配が過ぎると、これ以上はまずいと反省する先生ですが、千葉は生徒に見せてはいけない顔を見せてくれたことに喜び、一人先に帰ります。
このまま禁断の愛が始まるのか、今後が楽しみです。
逃げ道(啓介×パトリシア)
啓介は悩んでいました。
留学したいと考えていますが、成績がそこまで良くないため自信がなく、友達やパトリシア に打ち明けられないでいます。
そんなことには気が付かず、啓介と帰り道に寄り道したいと提案してくるパトリシア。
タイ焼きを買い食いし、寒いから家で勉強しないかと提案する啓介。
パトリシアはエッチなことが目的ではないかと疑いますが、もちろん冗談。
啓介とならどこにでも行くと言ってくれるパトリシアに、啓介は決心して留学したいことを話します。
すると、パトリシアが抱き着いてきて、そのことを聞きたかったのだと言います。
そして、流れで啓介の両親に挨拶に行くことに。
いい雰囲気だったけど、両親に挨拶するために行くなら何もないかと一応確認すると、そもそもパトリシアにはエッチな考えは全くありませんでした。
啓介の苦悩?は続きます。
温度差(荻上×東条)
荻上が好きだけど、いつも不機嫌そうに接してしまう東条。
二学期の終わりの日も相変わらずで、クリスマス会に誘い損ねてしまいます。
千葉に相談すると、もっと素直になればと至極真っ当なアドバイスが返ってきて、東条は荻上の部活終わりを待ち伏せします。
待っている間に自問自答を繰り返していると、気が付けば目の前に荻上がいました。
意を決して東条はクリスマスの予定を聞きますが、なんとその日は男子バスケ部で男子会をするのだといいます。
荻上は誘われなかったので、女子会があるのだろうと勘違いしていました。
挫けて諦めそうになる東条ですが、気が付くと帰ろうとする荻上のジャージの裾を掴んでいました。
ようやく自分の気持ちに素直になり、荻上が来れなくて寂しいことを伝えます。
すると、荻上は東条に誘って欲しかったのだと話し、男子会も抜けるといいます。
荻上は東条に嫌われていないことが分かって喜びますが、それは東条も同じで、恥ずかしさのあまりまた不機嫌そうな顔になっていました。
片想い(高瀬×神田×姫宮)
王道でじれったい恋愛を繰り返している高瀬と神田。
神田は高瀬をクリスマスイブのデートに誘いたいと考えていましたが、同時刻、高瀬は姫宮にデートに誘われていました。
高瀬はこれを了承します。
一方、あと一歩のところで踏み込めない神田は、クリスマスにしようと一旦保留します。
イブの日、普通のカップルのようにデートする高瀬と姫宮。
ひと段落つくと、姫宮からクリスマスプレゼントが渡され、まだプレゼントがあると言って手編みのマフラーをプレゼントされます。
しかし、高瀬はこれを受け取れないと拒否。
姫宮のことは好きになれないと言い切ります。
高瀬は姫宮の幸せを願っていますが、姫宮はあふれ出す気持ちを抑えきれず、涙を流します。
優しい高瀬はそんな姫宮のことを抱きしめます。
そこにタイミングの悪いことに、高瀬へのプレゼントを持って通りがかってしまう神田。
無事に二人が抱き合うシーンを目撃してしまい、唖然としてしまいます。
姫宮も良い子なんですが、出来過ぎなくらいに二人の恋路を邪魔してしまうんですよね。
この誤解が、二人の関係をどう変えるのか楽しみです。
プレゼント(古屋×皆川)
もはや付き合って半年になる古谷と皆川。
クリスマスということもあり、キスをする流れになる二人。
そして木陰に移動します。
みんな木陰が大好き。
恥ずかしがる古谷に、皆川の興奮が最高潮に。
すると、かわいい、好きと古谷にストレートに言われ、思わぬ反撃を受けて顔を真っ赤にする皆川。
形勢は逆転し、古谷の方からキスをします。
この一枚絵は素晴らしいです。
さらに仲の深まる二人。
いつもの調子に戻った皆川は、今度は自分から古谷にキスをし、デートに戻ります。
この二人は数少ない安定したカップリングなので、安心して見ていられるのがいいですよね。
古谷も彼氏としての自覚が出てきて、いい感じです。
そわそわ(総出演)
クリスマスイブ。
それぞれの登場人物たちの心情が語られます。
恋に悩む人もいれば、受験でそれどころではないという人まで、色々な青春が見られます。
特に菅原が高野を誘うシーンや、梨本と園部の相変わらずなシーンなど、次を期待させる話数でした。
夜に溶ける(荻上×東条)
クリスマス会当日。
ここまで来ても素直になれない東条は、荻上を困らせてしまいます。
しかし、そこは千葉や榎本のフォローもあり、なんとか荻上と二人きりになります。
すると、外に空気を吸いに行かない?と提案され、凍てつくような外に一緒に出る二人。
気を遣わせていることにまだ遠慮する東条ですが、もっと仲良くなりたいのは荻上も一緒で、彼の素直な気持ちを聞くうちに雪が降り始めます。
そこに紛れるように「好きです」と告白する東条ですが、ちゃんと荻上に聞こえていました。
もちろん答えは『YES』です。
こうして東条の努力は報われたのでした。
最初は地味でパッとしないなーと思っていた二人ですが、ここまで愛着がわいていたことにびっくりしました。
これからが楽しみです。
大人(桐原先生×千葉)
クリスマスだというのに残業をしている先生。
事前に千葉からクリスマス会のことは知らされていましたが、生徒と外で会うわけにはいかないと自分に言い聞かせます。
一方、千葉はクリスマス会終了後、駅で先生を待つことに。
しかし待っても先生は来ず、終電もなくなってしまいました。
自分の子供っぽさに落ち込んでいると、若い男二人にナンパされます。
拒否する千葉ですが、強引な二人に恐怖を覚えたその時、先生が現れ、男たちから守ってくれます。
先生は殴られてしまいますが、男たちはその場を立ち去ります。
心配する一方で、来てくれたことが嬉しくて抱き着く千葉。
先生も彼女を抱きしめますが、それも一瞬。
突き放すと、未成年は帰る時間だと諭します。
その目は教師の目で、千葉はいかに自分が子供で先生を困らせていたことに気が付き、涙を流します。
自分の気持ちを押し殺してでも千葉のことを考えた先生は立派でした。
でも、千葉の気持ちを考えると、やるせません。
ぜひここからまた二人の恋が始まることを期待しています・。
サンタクロース(香取×細川)
クリスマスの夜。
窓の外に向かって細川が祈っていると、目の前にサンタクロース姿の香取が現れます。
香取はサンタのバイト中らしく、細川にもプレゼントをくれます。
細川は大喜びしますが、いつものように血を吐く香取。
ここまでテンプレートでいけるキャラも珍しいですよね。
細川は香取を止めようとスーパーサイヤ人的な気を発します。
すると、香取はスーパーサイヤ人2的な気を発し、格の違いを見せつけ、病気に負けないことを宣言。
細川は感涙し、香取は他にも渡すプレゼントがあると早々に立ち去ってしまいます。
帰り道、また血を吐く香取。
しかも病気と決着をつけないといけないことを明かし、本当に病気を抱えているような描写で終わります。
本来であればシリアスな場面なのですが、ここまでコミカルに見えるのも香取の魅力なのでしょう。
余談ですが、毎回最後のページに香取が出てくるのが定番になっていて、今回も必見ですよ。
そんなに俺が悪いのか(野呂×剛田×上根)
姫宮に猛アタックするも拒否され続けられることに疑問を感じていた野呂。
彼女のいる人にも意見が聞きたいと思い、剛田に相談します。
そこに上根も現れますが、調子に乗った野呂は二人のプライベートに関することをずかずかと聞いてしまいます。
すると、恥ずかしさのあまり上根は泣き出してしまい、野呂はようやくこういった質問が女子にとっては恥ずかしいのだと気が付き、姫宮の気持ちにも気が付きます。
野呂は二人に礼を言うと、姫宮に早く会いたいと駆けだします。
直球バカっていいですよね。
おそらく振られた姫宮と会うのではないでしょうか。
ぜひ学んだ優しさを発揮してほしいものです。
親子(赤木×亮子×亮子母)
自宅で勉強する亮子と、それを見守る亮子母。
不良だったのに勉強を始め、タバコもやめた娘に男の影を感じる母。
自分も男に影響されやすく、しかも自分は夫と別れているため、亮子には同じ道を歩んでほしくないと余計なお節介を焼きます。
仕舞には喧嘩になりますが、インターホンが鳴り中断。
母が出ると、そこには赤木がいて、亮子の彼氏であることを堂々と宣言します。
亮子は予期せぬ訪問に慌て、赤木にあれこれ言います。
そんな二人を眺める母は、赤木とうまくいくかどうかは関係なく亮子の幸せを願っていました。
赤木なら娘を任せられると納得した風にも見えるシーンで、こちらも安定してていいですね。赤木の全知全能感がすごいです。
主人公(山根×栗原×本山×榎本)
コミケ当日。
人波の中をはぐれないようにと榎本をエスコートする本山。
さらに山根と栗原は気を遣い、途中から別行動をとることに。
予期せぬチャンスに、榎本は言いたいことがあるといいます。
これは告白? と思われましたが、なんと榎本には前に住んでいた場所に気になる人がいて、しかも最近告白されたのだといいます。
おまけにこっちにきてからもずっと連絡は取り合っていたとのこと。
極めつけに、来年は受験もあるが、どうしたらいい? と本山に意見を求めてきます。
それに対し、本山はすぐに遠距離恋愛も受験も二人で乗り越えれないいと悲しくもパーフェクトな回答をします。
すると、榎本は大喜びし、本山はオタクで恋愛に興味がないから気楽に話せるのだと言います。
ここまで無自覚に残酷だと、誰にこのモヤモヤをぶつけていいのか分かりません。
こうして、本山の恋は終わったのでした。
愛はオシャレじゃない(千秋×千秋両親×香奈)
香奈とケンカして以降、気まずい千秋。
するとすぐに両親にバレ、しかも整理中にヤろうとしたことまで見透かされていました。
からかわれてつい怒ってしまう千秋ですが、最後は父親がうまくまとめてくれて、香奈に謝ろうと決意します。
香奈が友達といる中、謝罪すると、香奈は腹パンで許してくれるといいます。
しょうもないことも含めて自分も好きなってほしいと。
香奈は太っ腹です。
しかし、腹パンは冗談ではありませんでした。
最後の香奈の嬉しそうな顔、尻に敷かれることが目に見えたシーンでした。
あふれだす(菅原×高野)
新年、菅原と高野は他の友達も含めて初詣に来ていました。
お互いに意識している中、今年は受験があるからと遠慮する高野。
すると、気が付けば二人きりになっていて、お決まりの天然ぶりを発揮する高野。
最高に良い笑顔だからこそより残酷なのが印象的です。
受験があるからと告白を我慢しようと考える菅原ですが、高野も我慢している様子に我慢できなくなり、思わず好きだと言ってしまいます。
いつもなら何かにかき消されてしまいますが、今回はしっかりと高野に届きました。
しばらく見つめ合う二人ですが、不意に高野は泣き出し、その場から立ち去ってしまいます。
非常にグッとくる話数でした。
真面目な二人だからこそ苦しいというのは、青春の醍醐味だと思います。
でも、それを乗り越え、二人にはぜひ幸せになってほしいと思います。
君に合わせる何もない(生形×柴崎)
新学期、文化祭以来、生形は女子生徒からモテるようになり、柴崎は内心穏やかではありませんでした。
周囲からは早くしないと生形をとられると言われ、つい彼を探してしまう柴崎。
すると、一人でいるところを発見し、ついにやけてしまいます。
それを隠すためにいつもの狐のお面を被って生形の前に登場する柴崎。
すると、生形はこれから女子生徒と会うのだと知ってショックを受けますが、「お前以外の女に興味なんか無え」と言われ、思わず赤面してしまいます。
幸いお面のおかげでバレずに済み、その場を立ち去ってしまいます。
しかし、仮面で隠すのは良くないと考えを改めて生形の元に戻ろうとしますが、気が付けば彼の前には知らない女子生徒がいて、彼に告白していました。
生形はありがとうと言い、告白を受けるのかどうかはっきりしません。
思わず柴崎は仮面を被り直します。
しかし、隙間から涙がこぼれていました。
11巻の最後の話数にして、かなり切ない話がきました。
このカップリングもかなり真面目なので、これからが心配です。
でも生形なら大丈夫だろうと信頼もしているので、今後の展開を待ちたいと思います。
おわりに
まだ読んだことのないという方は、ぜひ1巻から読んでみてください。
きっとあなたの好みに合うカップリングが見つかるはずです。
この作品は青春を謳歌した人、そうでない人、謳歌している人、うまくいっていっていない人、誰にとってもおすすめできる作品なので、この記事で少しでも多くの人に知ってもらえればと思います。
次の話はこちら。