『そこに無い家に呼ばれる』あらすじとネタバレ感想!今回の幽霊は家そのもの
もし何かが「一つずつ減っている」または「増えている」と感じたら、この読書を中止してください。
作家・三津田と編集者の三間坂は、これまで家についての禍々しくも興味深い五つの話を知り、次いで〈烏合邸〉で記された四つの体験談にかかわってきた。
Amazon商品ページより
そして今回、三間坂の家の蔵から新たに発見されたのが、厳重に封印が施された三つの記録――それらはすべて「家そのものが幽霊」だという奇っ怪な内容で……。
最凶「幽霊屋敷」シリーズ最新作!
〈解説〉芦花公園
幽霊屋敷シリーズ第三弾となる本書。
前の話はこちら。
僕も含めて、本書がシリーズものと知らず、読んだ人も一定数いるのではないでしょうか。
シリーズとしてそれぞれ独立しているので、読んでいなくて十分読めます。
しかし、関連性があることでより面白さ、怖さが引き立つので、やはりシリーズの順番通りに読むことをオススメします。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
新たな記録
三津田信三は、河漢社の編集者・三間坂秋蔵との定例の飲み会・頭三会の場で、彼から奇妙な話をされます。
家そのものが幽霊、を知っているかと。
話をする中で三津田が引き返せなくなった頃、三間坂はまたしても実家の倉から封印された奇怪な三つの記録を見つけたといいます。
それが『幽霊屋敷』に関するものでした。
一つ目の記録
Jは姉家族の転勤に伴う引っ越しに伴い、彼らが購入したばかりの家(西岡家)に代わりに住むことになります。
近隣に挨拶する中で、Jは右隣の空き地にいつ家が建つかたずねると、誰も良い反応をしません。
何かあるのだろうか。
疑問を抱きながらも社会人としての新生活を送っていると、ある日、飲み会が終わって帰路についていて驚きます。
空き地であるはずの西岡家の右隣に、家が建っていたのです。
家の正体
Jの話が大部分を占め、残り二つの話は短めです。
それぞれ合間に三津田と三間坂の考察が語られ、三つの話が示すところが何かが予想されます。
そこにはこれまでのシリーズ作との関連も考察され、物語は次第に複雑に、そして不気味になっていきます。
感想
解消できない居心地の悪さ
本書に登場する怪異は家そのものなので、これまでの作品に比べると直接的な恐怖はそこまでありません。
しかし、なぜ特定の人間にだけ家が見えるのか。
家は何の目的で人を誘おうとするのか。
このあたりの疑問はすっきり解消されることはなく、それが読み終わった後でも続く居心地の悪さに続いています。
単なる恐怖で終わらないところ、推理することによってこの現象にある程度の説明ができるところにホラー×ミステリの面白さがあり、三〇〇ページ程度ということもあってあっという間に読んでしまいました。
シリーズの関連性
中盤頃、三津田と三間坂の口から語られますが、本書はこれまでの二作と関連しています。
一作目が五つの話、二作目が四つの話から構成されていて、本書は三つ。
作品数が増えるごとに、怪異譚が減っているのです。
他にも多くの関連性があり、一つ二つであれば偶然で片づけられるものも、ここまで重なってくると、そこに何らかの繋がりを見出さずにはいられません。
この面白さはシリーズ作を通して読んだからこそ真に感じられる部分なので、可能であればシリーズ順に読むことをオススメします。
一方で、これらの関連性が本当に正しいのか曖昧に終わってしまうため、よく言えば不気味、悪くいえば消化不良です。
人によって賛否両論で、僕は面白かったものの、一作目『どこの家にも怖いものはいる』の方が面白かったというのが正直なところです。
解説もおいしい
二〇二〇年代のホラー作家として多くの人が名前をあげるであろう芦花公園さんが本書の解説をしています。
正直、最後まで読み終えて何となく物足りなさを感じていたのですが、芦花公園さんの登場によってそんなことはどうでもよくなってしまいました。
三津田さんへのリスペクトや、一読者としての視点からの本書の魅力が語られ、それだけでも購入した甲斐がありました。
おわりに
幽霊屋敷シリーズ最終作として、本書は立派にその役目を果たしたのではないかと思います。
とはいえ、これまでのシリーズ作との関連性という観点からいえば、続編の余地はまだあります。
三津田さんの壮大な計画はまだ続くのか。
そんな妄想も楽しみながら、二度目以降の読書を楽しみたいと思います。
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