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宝石の国 9巻 第67話『カンゴーム』ネタバレ感想

harutoautumn
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前の話はこちら。

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前回、エクメアから金剛先生と宝石たちとの関係性についての説明がされ、さらに砂から宝石たちを再生するにあたって二、三知っておいてほしいことがあると言われていました。

今回の話では、宝石たちの再生についての具体的な話からスタートします。

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第六十七話『カンゴーム』

エクメアから出された結論。

それは、硬度五以上の宝石は再生可能であり、硬度十は比較的容易ということです。

ダイヤモンド族は容易であり、九・八・七で少し劣るが可能、六・五でギリギリ。

四以下は諦めてほしいと言われ、フォスは呆然とします。

砕かれた宝石たちは月を含む六つの衛星に撒かれていますが硬四以下の場合、砂中にて宝石同士で擦れ合って砕けてしまう。

また星々の地殻主成分であるプラジオクレーズやパイロキシンは硬度五~六であり、それらと擦れ合って目視できないほどの微粒子になってしまうのだといいます。

それらは砂の回収時の些細な動作でも舞い上がり、広範囲長期間にわたって宙を舞い続け、多くは宇宙に流れ出てしまうのだといいます。

そして、月人の技術を持ってしてもそれらを回収することは不可能です。

それを聞いて、一同は唖然。

硬度四以下の再生できない対象として、フローライト、スファレライト、フォスの頭部、そしてアンタークの名前が挙がります。

フォスにとってアンタークは特別であり、カンゴームも心配そうにフォスを見守ります。

エクメアは現時点で硬度五以上という条件でのみ再生を約束できるが、どうする?とフォスに問いかけます。

一瞬、フォスは考えますが、すぐに自暴自棄にも似た表情で了承します。

エクメアは分かったといいますが、ダイヤはじめ他の宝石たちは心配そうにフォスを見つめます。

仕方ないと割り切るフォスですが、カンゴームはなおも心配そうです。

場面は変わり夜中、エクメアが一人でいるところに、セミの制止を抑えつけてカンゴームがやってきます。

エクメアは急用かな?と涼しげな表情ですが、カンゴームは本当に硬度四以下の再生はできないのか、アンタークだけでも戻せないのかと食い下がります。

なぜアンタークにこだわるのだとエクメアが聞くと、カンゴームは自分は知らないが、フォスにとっては特別なのだと話します。

アンタークがいればフォスは安定してミスが減るだろうから、月人にとっても悪くない話だと吹っ掛けますが、それでもエクメアの答えは変わりません。

もう一度食い下がっても返答が変わらないことを確認すると、今度は自分に合成アンタークの外装をつけることは可能かととんでもない要求をするカンゴーム。

自分がカンゴームとして振舞うと。

エクメアは出来ると思うが、なぜそこまでと不思議で仕方ありません。

それに対しカンゴームは言われたから、フォスを守らなければならないと答えます。

それは誰に言われたのだとエクメアがさらに質問すると、カンゴームは前の自分、つまりゴーストにだと答えます。

すると、失礼といってエクメアはカンゴームの瞳を観察し始めます。

カンゴームは慌てますが、エクメアは気にせず毛状結晶内のインクルージョンは影響しないはずと言いながら観察します。

そして、エクメアはカンゴームの瞳にゴーストの結晶が残っていることを発見します。

カンゴームの異常なまでのフォスへの献身は、そのためだったのです。

カンゴーム自身も瞳を換えた覚えはなく、エクメアも金剛が忘れるはずないと言いながらも、作業中に邪魔が入った可能性を考慮します。

ここからエクメアは、諭すように言います。

やっとゴーストの殻を破って外に出たのに、そこはすでに出来上がった仲間のしがらみの中で、前任者であるゴーストが密かに、でも苛烈にカンゴームを操っている。

誰も気づいてくれないし、違和感すら伝えられない。

そして、カンゴームがいくら考えても抗っても選択肢などなく、その繰り返しに疲れ果ててしまった。

だから、アンタークになって自分自身を捨てたいのでは?

問いかけるエクメアに、カンゴームはなん、で…と唖然とします。

つまり、エクメアの言う通りだということです。

それに対し、エクメアは呪いには詳しいんだと言い、さらにアンタークへの加工の件を断ります。

そして、優しくカンゴームの頬を指でなぞると、なでた箇所は白粉がとれて元々の宝石の色である黒色が姿を現し、エクメアはそれをこの星の美しい空色だと評します。

瞳のクオーツを取り除く依頼なら受ける、道具をとってくるから自由になりたいならそこで待っていなさいと言い残し、エクメアは一度姿を消します。

カンゴームは立ち尽くし、足元を見つめます。

すると、突然カンゴームの足の部分の宝石がうごめきだします。

カンゴームが振り返ると、そこにはゴーストの幻影が見え、後ろからカンゴームを抱きしめています。

体中に亀裂が入り、カンゴームは戻らない!と強く抵抗しますが、今度は何か強い力によって体をドアに方に引っ張られ、カンゴームは床に爪を立ててさらに抵抗します。

必死な形相で「自由になりたい」と言いかけますが、床に食い込ませた指が砕け、カンゴームはそのまま引きずられ、エクメアはそれを黙って見ています。

部屋には、カンゴームの破片が道しるべのように散乱しています。

よく見ると、カンゴームはドアを掴んでなおも抵抗していますが、左腕・両足はすでに切り離されてしまっています。

エクメアが残った右手に手を差し伸べると、カンゴームはその手をぎゅっと握り返します。

エクメアはそれを憐みの表情で受け止め、承ったとカンゴームを抱き上げるのでした。

感想

とても胸が苦しくなる話でした。

カンゴームのフォスに対する献身的な感情には、こんな裏があったのですね。

ただでさえ精神が不安定なフォスに対して、今度はカンゴームが変わってしまうとなると、さらなる悲劇の予感しかしません。

ここでパパラチアあたりが年長ぶりを発揮して状況を打開できるといいのですが、とにかくこの先の展開から目が離せません。

次の話はこちら。

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