宝石の国 10巻 第72話『救世主』ネタバレ感想
前の話はこちら。
前回、夜襲は失敗に終わり、月に帰還したフォスたち。
今回は、そこから始まります。
第七十二話『救世主』
目覚めると、治療をしてくれた月人に対して、支離滅裂なことを口にします。
月人から見た自分は宝石なのに、宝石たちからは月人に見られ、自分は何なのだと自問します。
月人はフォスフォフィライトであり、月人の希望だといいますが、フォスは金剛を見ることが出来なかったのに?と自嘲し、ショックから顔面が飛び散ってしまいます。
その後、フォスが目を覚ますと顔は綺麗に直っていて、月人が棒のようなものでフォスのおでこを叩いています。心理療法らしいです。
ふと我に返り、パパラチアとイエローのことを聞くフォス。
パパラチアはシンシャの出す特殊な水銀が体の細部に入り込み、長く触れた部分は脆くなる可能性があるため、急いで内部の洗浄方法を検討中です。
イエローは体には異常はありませんが、疲れたと言ったきり、動かず誰とも話さず、他の宝石たちが心配して交代で寄り添っていました。
そして、フォスのことは誰も気にしていないと月人はわざわざ口にし、フォスは改めてショックを受けます。
すると、おーい、と呼ぶ声が聞こえ、カンゴームが入ってきます。
月人はカンゴームを姫と呼び、カンゴームは待たせてもらうとソファに座ります。
対面に座るフォス。
閉じたか、とフォスを一応気遣うカンゴーム。
その膝にはトイプードルのような謎の生き物が乗っていて、フォスはそれは何かとたずねます。
カンゴームは、エクメアに世話しろと渡されたのだといい、それがなんなのかは教えてくれません。
フォスは改めて助けに来てくれたカンゴームにお礼を言います。
やっぱり君が一番頼りになるといい、カンゴームも笑顔になりますが、次の瞬間、勘違いだと一刀両断。
フォスたちの回収に向かったのはエクメアのためで、それまでは目の中に残っていたゴーストに操られて仕方なく助けていただけで、そのゴーストももう取り除いたといいます。
親友みたく思わせて悪かった、忘れてくれ、と清々しいくらいサバサバしています。
フォスは本気でエクメアが好きなのかとたずねますが、カンゴームはああ、と躊躇なく答えます。
趣味が悪いと口にすると、複合ブスとカンゴームは罵り、暴力ブスとフォスも対抗します。
カンゴームはエクメアの魅力について、触り心地、夏の夜のような良い匂い、シャイだけど二人きりだとよく喋るところがかわいい点などを挙げ、トイプードルらしきものに頬ずりします。
フォスはたまらず「きっも』と顔をしかめ、お互いにブスと罵り合います。
しかし、カンゴームは最後に優しい表情で、みんなと仲良くなと言いますが、フォスはムリかもと頭を抱えます。
そんなにフォスを、カンゴームは冷酷だもんなと言い、たまらずフォスは否定。
今回は失敗したが、みんなのために動いていると熱弁しますが、カンゴームはイエローとパパラチアの状態知ってて言ってんの?と冷たいです。
そして、フォスは自分の力で周りを動かしている気になっているが、実際は誰かが察して我慢して協力してるんだぞ、と痛いところを突きます。
カンゴームは月に連れてきてくれた恩があるからあえて言うと前置きし、いない仲間のために近くの仲間を雑に扱うのはやめた方がいいと言います。
さもないと、いまに誰もいなくなると。
その言葉にフォスは何も言えず、うなだれます。
その時、カンゴームの背後からパーカーらしきものを着たラフな格好のエクメアが現れ、待たせたねといいます。
これに対し、カンゴームは遅い!と怒りながらもエクメアに抱きつきますが、エクメアは霧散。
少し離れたところに再度現れ、待たせたねと片手を挙げ、遅い!とカンゴームはもう一度怒ります。
二人はフォスなどそっちのけで、デートの話をしています。
エクメアいわく、デートとは外をふらふらして二人の関係を大衆に匂わす大事な仕事なんだそうです。
思わず何しに来たと突っ込むフォス。
エクメアはフォスに良い知らせだといい、砂からの再生が予定よりもかなり早く進んでいることを教えてくれます。
そしてその件で、技術責任者から確認したいことがあるから、直接聞いてほしいといいます。
また、かわいい妻を連れて来てくれたありがとうと、カンゴームの肩を抱きます。
フォスは妻の意味が分からず、ブスって意味?とまたしてもケンカを売り、もう一度ブスと言い合う二人。
二人はもうフォスなどそっちのけでラブラブムードになり、フォスは呆れて移動します。
向かった先には責任者の顎ひげの生えたバルバタが待っていました。
お嬢さんと言われ、ブスって意味?ともはや八つ当たりのような対応をしますが、可愛らしいと言い直され、ならいいと偉そうなフォス。
バルバタは、やりがいのある仕事だと喜んでいます。
エクメアにもこの仕事は出来るようですが、彼は天才で何でも満遍なく出来過ぎてしまうため、一番面倒な政治をやらせているのだといいます。
二人が向かった先には、液体が入った大きな円形のガラスケースが無数に並べられていて、その上から宝石の砂が砂時計のように零れ落ち、わずかではありますが、人の形を作っています。
バルバタはそれを、レッドダイヤモンドだといいます。
破片が大きいことなどを理由にダイヤモンドがやはり早いといい、中に入っている粘度の高い液体は、破片中のインクルージョンを目覚めさせ、彼らが持っている体の位置情報を引き出すためのものだといいます。
上から落ちた破片はゆっくりと泳ぎ、自分の元の位置に戻る仕組みになっていて、すでに顔の形ができ始めていました。
フォスはすごい、と驚きを隠せません。
天才、と思わずバルバタとハイタッチし、正気を失ったような笑顔で、一人でも自分のやっていることは正しい!と自分を肯定します。
それに対してバルバタは冷静で、この先に進むにはフォスに判断してほしいことが二つある、と言うのでした。
感想
カンゴームがかなりきついことを言っていましたが、エクメアとのやり取りのせいもあり、不思議と笑える、そんな話数でした。
一方、宝石たちの再生がうまくいって良かったと思う反面、求められる二つの判断が、フォスには酷なものな気がしてなりません。
これ以上追い詰めないでほしいというのが本音ですが、落ちるところまで落ちないとダメなのかもしれません。
あと、直ったフォスの目はちゃんと合成真珠のままでした。
予想はかすりもしませんでした。
次の話はこちら。
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