『違国日記 8巻』あらすじとネタバレ感想!
【電子限定!雑誌掲載時のカラー原画&40話のネーム特別収録!】
「あたしはただ、あたしでいたい」
楢えみり、高2。
好きになるのは同性で、相思相愛の彼女がいる。彼女とのことは、親友の朝には言えていない。
いま、朝にとって恋話とは異性とのことでしかなく、だからこそ「朝とは恋話はしない」とシャットアウトしてきた。
しかし、えみりは自分が自分である大事なことを親友に分かってもらっていないことに悩んでいたーー。
自分が自分でいるために。キャッチボールの第8巻!第24回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品に選出!
Amazon商品ページより
シリーズ第八弾となる本書。
前の話はこちら。
自分が自分でいるために、がテーマになっています。
何気ない会話にそれぞれの価値観が表れていて、同じようなことで悩んでいる人にとって一つの方向性を示してくれたように思います。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。
あらすじ
page.36
朝は二年生になり、軽音部では後輩もできました。
ある日、後輩の話を盗み聞きしてしまい、決して悪口というわけではないですが、接し方が分からなくなってしまいます。
後日、朝はえみりにそのことを相談。
その中でえみりにも思うことがあり、自分の秘密を打ち明ける決心をつけます。
page.37
えみりの秘密。
それは、同じ塾に通っているしょうこという少女と付き合っていることでした。
朝はそれを普通に受け入れたつもりですが、えみりはこれまでの朝の何気ない言葉に傷ついたことがあり、それも打ち明けます。
なりたい自分でいたいと。
すべてを分かり合えたわけではありませんが、それでもお互いへの理解を深める二人でした。
page.38
突然、朝は自分の父親のことを全然知らないことに気が付き、調査することを決めます。
まずは周囲の人たちに、それぞれの父親のことを聞きます。
えみりには朝のその気持ちが理解できませんが、しょうこには分かるといいます。
この調査だけでは父親のことはよく分からず、次に朝は父親が以前勤めていた会社に電話を掛けます。
page.39
朝は父親のかつての同僚の話を聞きますが、それでもよく分かりません。
これまで気になっていなかったのに、朝は今になって自分のいる場所、立場に疑問を抱くようになっていました。
それでも朝は立ち止まるのではなく、進むことを決めます。
page.40
朝は自分の作った詞を槙生に見てもらい、その中で『エコー』という言葉を褒められます。
朝の放つ言葉が相手に影響を与え、そこから生まれる言葉が反響する。
そうやって少しずつ自分の今いる場所が分かるようになり、前よりも少しだけ前に進むのでした。
感想
内容に入る前に、表紙のえみりがとにかく素敵です。
穏やかな表情といい、服の色彩・デザインといい、ずっと眺めていたいくらいです。
次に内容について。
今回は非常に難しい問題に向き合っていて、僕自身も似たようなことで今も考えているので、朝やえみりの姿勢に勇気づけられました。
他人には理解されなくても、自分はありのままの自分でいたい。
えみりは自分の言葉で朝に伝えたことは、本当にすごいことだと思います。
それに対して朝も素直で受け入れられる余地を持っているので、これからの二人の関係性に注目したいです。
それから槙生の影響で朝の作詞スキルが磨かれてるわけですが、今回得た『エコー』という言葉。
朝はどんな言葉を放ち、それがどんな形となって跳ね返ってくるのか。
もう今から時間が待ち遠しくて仕方ありません。
おわりに
不器用ながらにも懸命に前に進もうとする朝と、自分らしさを大切にしたいえみり。
タイプが違うからこそ、親友という形でうまくいくのかもしれません。
次の話はこちら。