『火刑都市』あらすじとネタバレ感想！謎の放火に見え隠れする女の影を追うミステリ
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よなよな書房
『ジグβは神ですか』あらすじとネタバレ感想！宗教団体の施設で起こる事件の裏には？
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βと名乗る教祖をあおぐ宗教団体の施設・美之里。調査に訪れた探偵・水野は加部谷恵美たちと偶然の再会を果たす。つかの間、フィルムでラッピングされ棺に入れられた若い女性の美しい全裸死体が発見された。あちらこちらに見え隠れする真賀田四季の影。紅子が、萌絵が、加部谷たちが近づいた「神」の真実とは。
Amazon商品ページより
Gシリーズ第八弾となる本書。
前の話はこちら。
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宗教団体という怪しい要素に、真賀田四季が良い感じに絡んできて、物語のスケールがさらに一段大きくなった印象を受けました。
また前作から時間経過があるため、登場人物たちのやり取りも新鮮味があって終始楽しめました。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
避暑
恵美、純、山吹の三人はバンガローを借りて避暑旅行をします。
前作から数年が経過し、恵美と純は就職していて久しぶりに会いますが、三人はすぐにいつもの調子を取り戻します。
今回は山吹が研究で行ったことがある場所で、美之里という場所です。
そこは宗教団体の施設としても認識されていて、偶然、探偵の水野もそこを訪れていました。
調査
水野は取材という体で美之里を訪れます。
この土地は寄付で成り立っていて、営利目的ではありません。
住んでいる人もいますがコミュニケーションは最低限であり、創作にはうってつけの場所です。
管理者の話では宗教色はそこまでではなく、プロフィールほどの怪しさはありません。
水野は続いてここの住人に話を聞くことにします。
事件
水野は山吹たちと合流。
これまで赤柳として接してきた水野ですが、ここで彼女が本当は女性であることが明かされます。
住人も思ったより変わったところはなく、穏やかな時間が流れますが、やはり事件が起きます。
住人の一人が全裸で、フィルムでラッピングされた死体として発見されました。
警察も介入して調査が始まりますが、その中で四季を感じさせるようなことが何度もあり、宗教団体で起きた事件が一気にスケールを大きくします。
感想
切なさからのスタート
前作から数年が経過し、恵美たちが卒業して一社会人として働いていることが分かります。
恵美は海月との一件もあり傷心ではありますが、それが時間経過にともなって少しずつ癒えていました。
そこに純や山吹など懐かしい面子が揃うので、時間など感じさせないやり取りを見せてくれます。
ここだけで何か感じるものがあり、Gシリーズに自分がすっかり馴染み、求めていることがよく分かりました。
多方面から
序盤では恵美パート以外に水野パートがあり、美之里という特殊な環境が少しずつ明らかになります。
彼女の秘密が明らかになるところもそうですし、保呂草や紅子、萌絵など森作品として馴染み深い登場人物も多く登場するので、内容が盛り沢山です。
もちろん極めつけが四季の存在で、その名前が出るだけで、全てに作為が込められているのではと思うようになります。
ここで登場する神は四季のことなのか。それとも。
理系ミステリと銘打ちながら、一方で神という科学では説明がつかない信仰を取り扱っていて、この多様性が実におもしろいです。
詳細が描かれれば描かれるほど、よく分からなくなる。
森作品特有の感覚で、僕はこれを味わっている時が本当に幸せです。
おわりに
Gシリーズの中でも特に好きな作品でした。
テーマもそうですし、森作品のキャラクターが総出になるところも、シリーズのこの時点の集大成のような感じがして、面白いです。
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