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『栞と嘘の季節』あらすじとネタバレ感想!返却された本に挟まっていたのはトリカブトの栞で・・・

harutoautumn
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高校で図書委員を務める堀川次郎と松倉詩門。ある放課後、図書室の返却本の中に押し花の栞が挟まっているのに気づく。小さくかわいらしいその花は――猛毒のトリカブトだった。持ち主を捜す中で、ふたりは校舎裏でトリカブトが栽培されているのを発見する。そして、ついに男性教師が中毒で救急搬送されてしまった。誰が教師を殺そうとしたのか。次は誰が狙われるのか……。「その栞は自分のものだ」と嘘をついて近づいてきた同学年の女子・瀬野とともに、ふたりは真相を追う。ベストセラー『本と鍵の季節』(図書委員シリーズ)待望の続編! 直木賞受賞第一作。

Amazon商品ページより

図書委員シリーズ第二弾となる本書。

前の話はこちら。

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どちらかというと古典部シリーズのように日常に潜む謎を取り扱うシリーズだと思っていましたが、本書ではいきなりトリカブトが登場してドキリとさせられます。

もちろんリアリティを考慮して、警察が出る幕ではない範囲の問題になっていますが、それでも良い緊迫感があり、最初から最後まで一気に読んでしまいました。

リーダービリティの高さだけではない、ミステリと青春の融合が見事で、堀川×松倉コンビの新たな一面が見れて良かったです。

本書に関する米澤さんへのインタビューはこちら。

青春の苦みときらめきを描くミステリー『栞(しおり)と嘘の季節』米澤穂信さんに聞く

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

忘れ物

ある日の図書委員の当番。

堀川次郎はもう一人の当番である一年生の上田登を待っていると、やってきたのは上田の代わりに当番になった松倉詩門でした。

二人は作業を進めていき、返却された本を書架に戻す際、中に何か挟まっていないか確認をします。

すると、ある本から手作りらしき栞が挟まれているのを見付けます。

松倉が何かに気がついて調べると、ラミネート加工された栞に封入されているのは猛毒のトリカブトの花でした。

通常であれば忘れ物として保管しておきますが、猛毒という特性上、図書委員全体に共有するにはリスクを伴います。

二人は相談の上、二人だけの話にとどめ、持ち主に対して呼びかける張り紙を作って対応しました。

写真

堀川は賞をとったという写真が校内に掲示されていたため、見ます。

モデルとなったこの学校の女子生徒が写った写真。

手には紫色の花が握られていて、堀川はそれがトリカブトであることに気がつきます。

一度であれば偶然で片付けることもできますが、トリカブトという非日常の植物が二度も出てきた以上、どこかでトリカブトが採取できる可能性があります。

堀川と松倉は調査を始めます。

女子生徒

二人は写真を撮った岡地に話を聞き、校舎裏で撮ったことを確認します。

トリカブトは秋の植物で、現在は冬のため見つけることは難しいかもしれません。

ある程度の覚悟をしながら調べると、二人は一人の女子生徒が花壇に向かって何かをしているところを見つけます。

相手は同じ二年生の瀬野で、墓を掘っていたのだと言って立ち去ります。

花壇には一見何もないように見えますが、堀川は地面を掘り返します。

すると、そこにはトリカブトの新芽が埋められていました。

感想

緊迫感の広がり

本書はトリカブトの栞が見つかるところから始まり、芋ずる式で情報がでてきます。

栞だけであればそういうアイテムとして無視することもできますが、間をおかずに何度も発見されると話は変わります。

トリカブトが入手可能な状況にあるのか。

誰かがそれを利用して、何かを企んでいるのではないか。

そんな疑念が当然わいてきます。

しかも調査を進めれば進めるほど嫌な方向に想像が膨らむため、緊迫感は次第に増します。

情報が増えてもスッキリするどころか分からないことが増すばかりで、ミステリとしてグッと面白くなっているところがグッドでした。

堀川と松倉の関係

本書の別の見どころとして、堀川と松倉の関係にあります。

物語冒頭から二人は長年関係のあるコンビのように、お互いの特性を活かして調査や推理を進めていくので、名コンビ感を演出します。

しかし、ふとした時に気がつきます。お互いのことをよく知らないことを。

出会う前のことや、学校外のことになると分からないことだらけで、二人が何でも話して理解し合っている親友とはまた違うことが分かります。

当然、親友といっても様々な形があるため、知らないから親友ではないというわけにはなりませんが、少なくとも二人は必要性がなければ会って話すこともあまりありません。

二人はそれを自覚していって、今回の事件を通じて新たな関係を築いていくのですが、その過程が面白かったです。

米澤さんの作品の登場人物は、氷菓の折木奉太郎しかり、対人関係にそこまでエネルギーを割くタイプではないため、そういった人物が人間関係を築いていく様は意外性が見れて良いです。

おわりに

続編が出ると思っていなかった作品だったので、また読めて嬉しいです。

今後もシリーズが展開するとして、それまでに二人がどんな関係を築いていくのか。

他作品との兼ね合いもあると思うので、気長に待ちたいと思います。

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