『何故エリーズは語らなかったのか?』あらすじとネタバレ感想!消えた彼女が開発したものとは?
「エリーズ・ギャロワ博士が会いたがっている」人工知能たちがグアトにそんな噂を教えてくれた。面談を求められるような理由に心当たりはなかった。ほどなくして彼女は行方不明になってしまう。
Amazon商品ページより
ギャロワ博士は、ヴァーチャル世界に資する研究を続け、ついに「究極の恵み」とまで賞される成果をあげたという。博士は自らの意志で姿を消したのか、それとも事件に巻き込まれてしまったのか。
WWシリーズ第八弾となる本書。
前の話はこちら。
今回はこれまでの話からちょっと独立した話という印象を受けました。
そして、改めてリアルとヴァーチャルって何だろうと、考える話でもあり興味深かったです。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
希望
冒頭、エリーズ・ギャロワが会いたがっている、という話をグアトが聞いたというところから始まります。
教えてくれたのはオーロラとクラリスで、ほぼ同時でしかもほとんど同じ内容。
グアトはエリーズとは面識がありませんでしたが、彼女は情報工学や情報社会学の権威ともいえる研究者なのだといいます。
その後、特に彼女と接触することはありませんでしたが、ヴォッシュからも彼女のことを聞かれ、よく分からない状況でした。
行方不明
早々にエリーズが行方不明であることが判明します。
詳細な時期は不明ですが、ヴォッシュの周辺では半年ほど前から見かけておらず、それもヴァーチャルの話で、リアルでは誰も会えないのだといいます。
その三日後、グアトはロジに目的地を告げられることなくドライブに連れ出されますが、彼女もまた本局の指示で運転しているだけで、目的地は知りませんでした。
集会所のような場所に着くと、そこにはヴォッシュがいましたが、噂をしていたエリーズはいません。
究極の恵み
予想を勝手に裏切られた一同ですが、ここでヴォッシュはエリーズについて知っていることを話します。
だいぶ前のことになりますが、エリーズの開発したものが大きな価値を持っていて、ヴァーチャルの人たちが欲しがるようなものだと話を聞いたのだといいます。
究極の恵み、だと。
グアトは当然興味を持つわけですが、ヴォッシュも具体的なことは知らず、ただ神からの最後の賜物だと呼ばれているらしいと教えてくれます。
エリーズは何らかのシステム開発に携わっていましたが、一年くらい前に役を退いて隠遁してしまい、周囲はそのシステムを狙う勢力から身を隠すためだと予測していました。
手元にある情報だけでは何も分からず、グアトたちは調査を進めることになります。
感想
究極の恵み
本書のおける重要なワードであり、とても興味を惹かれるワードでもあります。
不死に近い体を得て、ヴァーチャルの拡大によってあらゆることが可能になった時代において、何が究極の恵みに該当するのか。
本書ではそれをずっと追いかけることになります。
終盤になるまでぼやっとした印象を受けましたが、その正体を聞いた時は驚きました。
そういった視点から恵みと捉えるのかと。
新鮮さを与えてくれるという意味で、かなり面白かったです。
リアルとは
これは本書のみならず、シリーズで何度も問われているものですが、ここでも出てきます。
ヴァーチャルの中におけるヴァーチャルなるものが登場し、レイヤーがさらに細分化されます。
『クラインの壺』でもありましたが、もはや自分がヴァーチャルにいない、とどうやったら証明できるのだろうと、ちょっと途方に暮れたような気分になりました。
そして、仮に自分がヴァーチャルにしか存在しなくても問題ないのでは、という考えすら出てきてしまったことすら厄介なところです。
いずれ我々の住む世界においてもそんな考えが出てくるほどリアルとヴァーチャルの境界線があいまいになっていくのか。
知りたいような、知りたくないような、複雑な気分です。
グアトとロジ
本書ではメインテーマの他に、グアトとロジの関係も度々クローズアップされます。
二人には子どもが生まれましたが、二人と一緒に暮らしているわけではないので、直接登場することはなく、ロジの言葉からどんな様子かが分かります。
子どもが生れなくなって久しい時代において、ロジは母親となったことで悩みや疲労を抱え、その変化にグアトはついていけず、ただただ困惑します。
僕らがよく知っているこの光景が本シリーズにおいても見られるのは不思議な感覚でした。
この変化がシリーズにどう影響するのか分かりませんが、それも含めて森ワールドは面白いです。
おわりに
Wシリーズのことを考慮すると、そろそろシリーズとして終わるような予感がしています。
世界を揺るがすような現象が色々起きて、世界はそれを受け入れてどのように変わっていくのか。
そして、難しいことを考えずただ文章や物語をただ追うだけで楽しい読書は貴重で、そんな機会を与えてくれる森博嗣さんには感謝です。
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