『幻惑の死と使徒』あらすじとネタバレ感想!事件と奇術師最後の脱出
「諸君が、一度でも私の名を呼べば、どんな密室からも抜け出してみせよう」いかなる状況からも奇跡の脱出を果たす天才奇術師・有里匠幻が衆人環視のショーの最中に殺された。しかも遺体は、霊柩車から消失。これは匠幻最後の脱出か? 幾重にも重なる謎に秘められた真実を犀川・西之園の理系師弟が解明する。
Amazon商品ページより
シリーズ第六弾となる本書。
前の話はこちら。

本書では奇術という理系からかなり離れた超常的な現象に見せかけて、極めて理屈が通ったらテーマがベースにあります。
奇術師同士のしがらみもあり、予想しては裏切られる連続で、最後まできっちり楽しめました。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
マジックショー
萌絵はマジックショーに来ていました。
同伴者が二人いて、一人目は高校時代からの親友である簑沢杜萌。
二人目は、大学の先輩である浜中。
本当は犀川にチケットを渡していましたが、犀川は浜中にチケットを渡していたため、今回のような結果になっていました。
杜萌に犀川を紹介しようと思っていた萌絵は、この時点でかなり怒っていました。
事件
後日、萌絵は犀川、浜中と共に池のある公園を訪れていました。
公園には多くの人が押しかけ、テレビ局もいます。
今日、有里匠幻が大勢の前、奇跡の脱出ショーを見せるのだといいます。
三人はやがて別行動をとることになりますが、そこで事態が急変します。
脱出した思われた匠幻が、銀のナイフで刺されて見つかったのでした。
捜査
犀川は萌絵が事件に首を突っ込むことをよしとせず、一旦は引き離しますが、愛知県警の刑事である鵜飼が現れて犀川の努力は無駄になります。
犀川と萌絵は事件当時に現場にいたためいくつか証言し、警察が掴んでいなかった事実も分かります。
匠幻には弟子や関係者もいて、決して殺害される動機がないわけではないことが判明しました。
犯人は誰なのか。
それを解くためには匠幻がどのようにして殺害されたのかが鍵となり、犀川と萌絵は自然と事件に巻き込まれていきます。
感想
奇術という存在
僕の親族にマジシャンがいますが、見せてもらってもテーブルマジック程度で、大掛かりなものはありません。
ただ、テーブルマジックでも僕の食指がぴくりともしないので、きっと好みではないのでしょう。
ただ、本書を読むと違った方向から奇術を考えることができます。
まるで魔法のようなことを起こして観客を驚かせますが、発達した時代において、驚くようなことはそう簡単には起こせません。
何なら生まれた時から不思議に囲まれているので、いちいち驚いていたら生きていけません。
そんな奇術師にとってやりにくい世の中で、彼らがいかに苦心して観客を驚かせるのか。
その苦悩もそうですし、そこに集まる人の羨望や憎悪も興味深く、ミステリとの相性も抜群でした。
杜萌の存在
本書の冒頭で存在感を示す杜萌。
萌絵のことを十二分に理解していて、彼女の成長や変化を微笑む、良い友人の彼女ですが、本書での出番は短めです。
それ自体は変ではないのですが、不穏な但し書きと共に姿を消すため、読者の心をざわつかせたことでしょう。
しかも、本書では但し書きの意味が分からないというおまけつき。
幸い、本書の事件には関係しておらず、次巻の伏線になっているため、読者の興味を次巻に引きつける導線となっています。
本書では抱えたモヤモヤが解決できないので、一旦は本書に集中していただき、次巻でそのモヤモヤを思う存分晴らしてもらえればと思います。
おわりに
理屈が分かったとしても、どうしても驚かずにはいられないことがある。
本書でそれが感じられて、これまでと違った奇術の楽しみ方を見つけた気がします。
それは目の前に広がる不思議だけでなく、それが生み出されるまでの背景を含めたもので、素直に驚く感性を失ったようで少々複雑な気分です。
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