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『私を喰べたい、ひとでなし 3巻』あらすじとネタバレ感想!

harutoautumn
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幼い頃から比名子を支えてくれた親友・美胡は「オキツネ様」と呼ばれる人喰いの妖怪だった。
しかし彼女の正体が妖怪であれ、絶望に囚われていた幼い比名子を救ったのは、間違いなく美胡の存在で――。

正体を知ってなお友人として手を差し出す比名子に、突如美胡の鋭い爪牙が迫る。

「そんなだから、悪い妖怪に付け入られるんだよ」

Amazon商品ページより

前の話はこちら。

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シリーズ第三弾となる本書。

美胡の正体などがひと段落しますが、新たな謎が提示されます。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

10話『寄り添う光』

美胡の正体。

それは比名子の家の近くにある小さなお社に祀られていた『オキツネ様』でした。

ただし神様ではなく、妖怪です。

かつて人喰い狐として暴れていましたが、とある坊主に捕まってお社ある一帯の人たちを守るために働かされていたのでした。

しかし、現在では美胡自身の意思でこの土地にとどまり、家族を失った比名子だけは何としてでも守りたいと考えています。

汐莉は美胡を退治しようとしますが、比名子はそれを止めます。

比名子は妖怪だとしても美胡を友達と認めますが、次の瞬間、美胡は狐に変化して口を大きく開きます。

11話『親愛の獣』

比名子が食べられる。

そう思われた瞬間、美胡が喰いちぎったのは自身の尻尾のうちの二本でした。

狐の尾は妖怪の位の象徴であり、妖力や獣性の源です。

美胡はそれを捨てるかわりに、理性を取り戻して比名子のそばにいることを選んだのでした。

力が弱まることで、何かあった際には汐莉の力を借りなければなりません。

しかし、それほどに美胡にとって比名子は大切な存在であり、こうして美胡と汐莉もとりあえず休戦となりました。

一件落着と思われましたが、ここで新たな事実が発覚します。

比名子の血肉は元々特別なものではなく、あの事故の後になって妖怪にとって魅力的なものに変わったのでした。

12話『別つ海溝』

比名子の肉体の変化について原因は分かっていませんが、匂いは年々強くなっています。

このままでは美胡が比名子のことを我慢するのは限界だったため、力を捨てて汐莉の協力を得るということは美胡にとっても正しい選択だったのでした。

一方、比名子は美胡と汐莉が仲良くなってくれたことに安堵します。

美胡が妖怪であることにも感謝しています。

妖怪にとって人間の人生などあっという間であり、友達の多い美胡にとって比名子がいなくなっても寂しくないと考えたからです。

この考えは汐莉にとって理解できないものであり、影のある表情を見せるのでした。

幕間『親愛の形』

比名子が美胡を太陽のように感じ、一番の友達としていかに彼女のことを大切に思っているかが描かれています。

美しい感情である一方で、自分の命をどうでも良いと捉える比名子の暗い感情も明確になり、二人の存在がまるで対比のようになっていることが分かります。

13話『夏晴と遠い空』

比名子は汐莉の誘いで、二人で海に来ていました。

美胡は二人の旅行を許すも、尻尾を二本失ったせいで土地を離れることが難しくなっていたため留守番です。

比名子は楽しそうな家族を見てトラウマが甦りそうになりますが、汐莉がうまくエスコートしてくれるおかげでそれなりに旅行を楽しみます。

そんな時、突然の雨が降り出します。

天気予報では快晴。

この雨は天候の問題ではなく、海には忍び寄る何者かが映っていました。

おまけ『揺蕩う夏の影』

青騎士小冊子に掲載された読み切り版。

比名子の通う学校には使われていない古いプールがあり、人喰い幽霊が出ると噂になっていました。

そのことについて汐莉に聞くと、そんなものはいないと否定されます。

ところが実在して、汐莉によって古いプールに潜む妖怪が人知れず退治されるところでした。

その後、噂は形を変え、幽霊は人喰い人魚に食べられてしまったという内容に変わります。

誰かがその様子を見ていたのか。

汐莉が自ら流したのか。

それは誰にも分かりません。

感想

美胡の問題がとりあえず解決したことで、比名子の周りの問題はあらかた片付いたことになります。

一方で、比名子の体がどうして変わったのかという問題が新たに発覚しました。

つまり家族を失った事故に妖怪が何らかの形で関与している可能性が出てきたわけで、今後の焦点になりそうです。

メイン三人のうち二人が妖怪なわけですが、精神状態的に人間である比名子が一番理解不能で怖いということを再認識しました。

大切な家族を失ったことで自暴自棄になっていることは分かりますが、果たして彼女がいなくなったら悲しむ存在がいることにいつか気が付けるのでしょうか。

そのあたりの再生も今後の盛り上がりになると思います。

とりあえず次巻は新たな敵が登場しそうなので、今回以上に盛り上がることが予想されます。

おわりに

少しずつ読者の関心を引く謎が出てきたので、そろそろ面白さが爆発しそうな予感です。

汐莉がピンチになるほどの強敵を見たいし、彼女と美胡が共闘する姿も胸熱で、期待しかありません。

今後の展開から目が離せません。

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