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『私の少年 4巻』ネタバレ感想!あらすじから結末まで!

harutoautumn
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30歳OL・多和田聡子と、12歳小学生・早見真修。交流を重ねる2人だったが、その関係が真修の父親の怒りを買い、聡子は元彼でもあり、上司でもある椎川の計らいで、仙台へと異動になった。2年後、偶然再会した2人は――…。「このマンガがすごい!2017」<オトコ編>第2位「第回次にくるマンガ大賞」第3位ほか各メディアで話題沸騰中、待望の第4巻!!

Amazon内容紹介より

突然の別れから二年。仙台で、偶然再会する聡子と真修。表紙の通り、真修は中学生になり、ぐっと男らしくなっています。

お互い望んだはずの再会なのに、しかし以前とは違う距離感。

お互いに相手を傷つけたと思ったがゆえに距離感を縮められず、悩む二人を見てて苦しかったです。

しかし、真修はこの二年間で背丈だけでなく、心も男らしく成長しました。

そこを楽しんでいただければと思います。

思いっきりネタバレですので、未読の方はご注意ください。

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第15話 再会

歩道橋で泣いているところ、声を掛けられた聡子。

そこにいたのは、髪が短くなり、声変わりもしていたが、紛れもなく真修でした。

ここからは、真修視点。

何も言わずに走って逃げだす聡子。

真修は突然のことに反応できずにいると、聡子は盛大にこけます。

場面は変わり、コンビニで絆創膏を買う真修。

中に設置されたカフェスペースに聡子が座っていて、絆創膏を買ってきてとお願いしたようです。

お釣りを返そうとする真修。

ああ、いいよ、あげ…と途中まで言いかけますが、真修の表情を見て、やっぱり受け取る聡子。お互いに望んだ再会なのに、どうにもぎこちない。

先ほどこけて右肘を擦りむいたようで、聡子は絆創膏を貼ります。

そして、よし、それじゃあ、と何事もないかのように立ち去ろうとします。

どうしようと考える真修。

しかし、考えるより先に、真修の手は聡子の服を掴んでいました。

場面は代わって、中学校。

担任の先生に呼ばれる真修。彼の苗字は早見です。

修学旅行が近いようで、活動班と宿泊班の進捗状況を聞かれ、淀みなく答えて先生を感心させます。

そこに慌てて来たのが、小学校から同級生で、真修に好意を持っているように思える小片。

仕事を忘れて、部活に行こうと思っていたようです。

彼女も真修と同じ中学校に進学し、二人で学級委員長を任されていました。

先生は小片をたしなめると、退室。

小片は真修の向かいに座り、作業を手伝います。

しかし、女子の中で班決めが揉めていて、中島という女子は泣いていたほどです。

男子はすぐに決まったのに、とぼやく小片に、女子の方が熱心だからだよ、とフォローを入れる真修。

小片は、誰とまわりたいとかなかったの? と真修にたずねるが、和樹に呼ばれたから入ったけど特にない、とドライな真修。

彼は、修学旅行の間だけだからなんでもいいと考えていますが、修学旅行だからこそ大事なんだと熱弁する小片。

だから、みんな希望を全部かなえて、最高の思い出にしたいんだよ。

それで泣いちゃう人がいても。

小片の説明に、あまり反応を示さない真修。

職員室で担任の先生に班決めの紙を渡し、退室。

帰り際、班決めの光景が思い出される。

中島と思しき女子が泣き、彼女を慰める別の女子。喜び合う女子たちもいて、それを真修たち男子が傍観しています。

帰り、カバンにしまっていたスマホが鳴ります。

イヤホンで通話する真修。どうやら親、もしくは家族のようです。

家に帰ると、誰もいない。

リビングには夕飯が並んでいて、八時には帰るという書置き。名前は茶碗で隠れ、「お」しか見えません。お父さん?

テレビを見ながら、一人夕飯を食べる真修。

食べ終わると、部屋に戻って予習を始めます。

まずとりかかったのは、通う学習塾、それも特進コースの志望校調査でした。

志望校には、第一希望に「都立仁志高校」と書かれていて、その他は空欄。

志望理由が、父親の出身校だからと書いたら、書き直しだろうなと、椅子を回転させながら上を向いて思案する真修。

行きたい学校はないようで、俺って何もないなーと自分を分析し、また回想に入ります。

聡子と一緒に頃の真修。

自宅で、真修はお父さんに叱られています。

遼一がいなくなって、探し回ったことをお父さんに内緒にしていたこと。

遼一の世話をするという条件で、サッカーの練習を続けても良いと約束したこと。

そもそもレギュラーになれなかったら、塾に通うこと。

全ての約束を破った、と真修に言い放つと立ち上がり、自分のしたいことばかり通して約束を守れないと、いつか周りから誰もいなくなると忠告していなくなりました。

真修は沈痛な面持ちで、沈黙の後に約束を守ってサッカークラブをやめると言います。

ここでまた現在に戻り、真修はいつの間にかベッドで仰向けに寝転がっています。

したいとかほしいとか、俺にもあったよ、とひとりごちる真修。

この一件で、自分のしたいことを無くしてしまったようです。

見つめるスマホの画面には、電話番号とショートメールのようなものが写っていて、どれも宛先が間違っているのか送信できませんでした。

相手はどうやら聡子のようです。

こんばんは、真修です、と再度送りますが、あえなく送信失敗に終わり、まるでストーカーだと自己嫌悪に陥る真修でした。

月日は流れ、修学旅行を友達と楽しむ真修。

宿の部屋には真修の他に二人の男子がいて、スマホでゲームをしています。

その内の一人に真修はどこまで進んだ? と聞かれますが、真修は『火車』という本を読んでいました。

真修は面白いと言うが、訊いた男子は唖然としています。

もう一人の男子のスマホが鳴ったかと思うと、便所だと部屋の外に出ます。

真修もついていこうとしますが、訊いてきた男子に止められ、天然かと言われます。

どうやらいなくなった彼には三輪という彼女がいて、その子に会いに行くようです。

真修は知らなかったといい、でも先生が見回りにくるからと、それでも止めたい様子でした。

翌日?

修学旅行先は仙台で、市内の天文台に来ました。

知らない女子の同級生二人に声を掛けられ、真修を真ん中に写真を撮ります。

ついでに茶髪?の子とツーショット写真を撮ることに。彼女が真修に気があることは一目瞭然ですが、真修は気づくはずもなく、誰だろうと頭の中に疑問符が浮かんでいます。

撮った子が、写真送るから連絡先教えてと聞いてきますが、どうみてももう一人の子ために真修の連絡先を聞き出すことが目的です。

引率の先生に館内は撮影禁止だと注意され、話は中断されますが、学校帰ったら教えてと諦めていませんでした。

周りの様子を見て、みんな元気だな、と他人事のように感じる真修。

場面は変わり、班長の真修がお土産選びは自由行動でと班員に言うと、男子二人は真っ先に飛び出していきました。

近くには班を無視してカップルで散歩している同級生もいて。

班行動をしていないことに苛立ちを覚えますが、そこで小片の言葉が蘇ります。

『一生に一度の修学旅行だから、自分の希望を全部かなえて、最高の思い出にしたいんだよ』

しかし、考えるのは修学旅行をどう楽しむかではなく、聡子と過ごした日々のことでした。

『それで泣いちゃう人がいても』

また小片の言葉が蘇ります。

その言葉に背中を押され、届かない宛先に自分が修学旅行で仙台に来ていることを送ろうとしますが、すぐに消してしまいます。

泣くのは、やだな。これは聡子を泣かせたくないということだと思います。

そうしていると、前方からずびっと鼻をすする音がして、見ると髪の長い女性が泣いていました。

泣いてる、と聡子を泣かせてしまったようで悲しくなる真修ですが、見ている内に気が付きます。それが、追い求めていた聡子であることに。

ここでコンビニで聡子の服をつかんだ場面に戻ります。

真修は謝りたかったと告げると、むしろ謝るのはこちらだと反論しようとする聡子ですが、俺が馬鹿だから、と真修は続けます。

それはお父さんに回転寿司に連れて行ってもらった時、手慣れた手つきの真修に疑問を抱いたお父さんが、前にここに来たのかと聞くと、聡子と来たことを話してしまいます。

それが、お父さんを怒らせる原因となったから、真修は謝りたかったのです。

それがきっかけで、お父さんは聡子の会社に電話し、聡子は結果として異動。

お父さんは有給消化して真修のわがままを聞いてやると言いますが、金曜のサッカーには行かせてもらえませんでした。

そして、真修はお父さんとの約束だけでなく、聡子との約束も破ってしまった。

それを謝ろうとしますが、それを遮り、手当てもしてくれたじゃない、と絆創膏の貼られた右手を見せる聡子。

元気だった? と世間話を始める聡子。

真修は質問に答えるのが精一杯で、言いたかったことが頭に浮かんできません。

しばらくすると、聡子のスマホが鳴ります。

指摘する真修に、聡子はいいと会話を続けようとしますが、そこで真修は聡子が顎も擦りむいていることに気が付きます。

心配そうに触れると、聡子が硬直し、真修は思わず手を離してしまいます。

聡子は窓で傷を確認し、帰ったら消毒しなきゃと何事もないように取り繕いますが、真修はショックが抜けきりません。

しかし、今度は真修のスマホが鳴り、班員が真修を探していました。

それがきっかけとなり、別れて真修は先にコンビニを出ます。

雑踏の中、さっきの聡子の反応は『拒絶』だと感じ、父親の言葉を思い出します。

約束を守らずわがままを言ったから、聡子が離れてしまったのだと真修は感じていました。

暗い気持ちで歩く。

すると、後ろから走って追いかけてきた聡子。息を切らし、顔は真っ赤です。

真修のかばんを掴んで引き止めると、彼の首に自分のしていたマフラーをかけてあげます。

こういうのをあげたら困るだろうけど、と前置きし、触った真修の手が冷たかったからとわざわざ追いかけてきたのです。

そこで真修は気が付きます。

さっきの硬直は、真修の手が冷たくてびっくりしていたのだと。

安心と共に、マフラーから聡子の温もりが伝わってきます。

思わず赤面する真修。

東京に帰ったら捨ててもいい、だから元気でねと笑顔で手を振る聡子。

真修は何も言わずに俯くと、聡子と反対方向を向きます。

拒絶されてなくて良かったと安心したのも束の間、目から一筋の涙が頬を伝います。

思い直した真修は、今度は聡子を呼び止め、絆創膏を一枚もらいます。

何かをメモし、聡子の手に重ならないように貼ります。

そこに書かれていたのは、LINE?のIDと電話番号でした。

聡子の連絡先も知りたいし、またご飯も食べたいし、なんで泣いていたのかも知りたいし、まだ一緒に歩きたいし、もっとしたいことがある。

でも、全部叶わなくてもいい。聡子にもう一度会えたから。

そう一方的に言って、立ち去る真修。

聡子は困惑と悲しみが混ざった顔をしていました。

帰りの新幹線。

隣に座る和樹がずんだ餅を勧めてきます。

断ろうとしますが、思い直して差し出されたずんだ餅を食べる真修。

途端においしさで顔を輝かせます。

もうやらない、と和樹に言われますが、もう充分だと真修は聡子からもらったマフラーを撫でます。

もう、十分すぎるほどの出来事があって、彼の心は満たされていました。

第16話 絆創膏

夜中三時、聡子は寝られずに天井を眺めていました。

起きて、リビングで温かい飲み物をレンジで沸かしていると、母親が降りてきて聡子がいることにびっくりします。

いつもこの時間に起きるのだという母。

孫もいないのに老人だという言葉に、聡子は悲しそうにごめんねと謝ります。

母の横顔からはその心情は読めません。

ホットミルクは、寝る前に飲むなら歯磨きしないとダメだと子供にするように注意する母に、聡子はお湯であることは言わずにうんと頷いて部屋に戻ります。

ラインを見ると、八島への謝罪と、八島からの非難の言葉が並んでいます。

八島にひどいことをし、色々な人に謝り、母を失望させたことに落ち込んでいるように見えた聡子ですが、昨日の真修の姿が思い浮かび、その表情は柔らかいものでした。

二年で信じられないくらい成長した真修に改めて驚き、対して自分は変わらないどころか頬の肉が垂れてきたと焦り、鏡を見ながら上に引き伸ばします。

自分は変わっていないから真修は見つけられたけど、逆なら出来ない。それくらい、彼は成長しました。

真修のIDが書かれた絆創膏は、剥がしてテーブルの上に置いてあります。

スマホに手を伸ばしたところで場面は変わり、真修は部屋でじっとスマホを見つめていました。

インターホンが鳴り、誰かが玄関に向かいます。

揚げ物を火をつけたまま放置していることに気が付き、台所に向かう真修。

すると、弟にスマホが鳴っていると呼ばれます。

弟はお父さんにそっくりの髪型、目をしていて、真修とは似ていません。

聡子からの電話だと勘違いした真修は、IHのスイッチを切って慌てて走りますが、その前に電話は切れてしまいます。

しかし、確認すると和樹からの間違い電話でした。

放心する真修。

後ろから、段ボールを持ったおばさんがやってきます。彼女がインターホンに反応して玄関に行った人のようです。

その人のことを真修はばあちゃんと呼びます。

おそらく父方のおばあちゃんでしょう。

送られてきたのは、お父さんからの茄子漬でした。

食事が始まりますが、真修は終始スマホを気にし、鳴らないことにため息をつきます。

しかし次の瞬間、スマホが鳴り、真修は驚いてお茶の入ったコップを倒してしまいます。

驚くおばあちゃんに何でもないと真修は取り繕いますが、遼一がスマホにビビッてこぼしたとちくり、食事中はおばあちゃんによってスマホを没収されてしまいます。

食後、部屋に戻って確認すると、小片からのラインでした。

真修は肩を落とし、ベッドに横になります。

聡子と再会して三日が経過し、連絡してなくていいと言ったことを後悔しますが、すぐに会えて謝れて十分だと自分を納得させ、風呂に向かいます。

しかし、スマホが鳴るとすぐに部屋に戻って確認します。未練タラタラです。

しかし、またしても和樹のラインでした。

立ち尽くす真修。

場面は変わり、妹の真友子が家でテレビを見ているところに、聡子が帰宅。

母が知人と外食に行ってしまったということで、レトルトのパスタで夕飯にする二人。

テレビが面白くて共感を得ようとする真友子ですが、ぼーっとして返事をしない聡子。

顔の傷が残らないといいねと気遣いますが、うんと言いつつも照れる聡子。

違和感を感じる真友子。

場面は変わり、二人分のプリンを持って聡子の部屋に入る真友子。

しかし、聡子は寝ていて、仕方なくスマホを充電器に繋いであげます。

話が聞けずに残念がる真友子ですが、ふと、テーブルの上の絆創膏に気が付きます。

すると、気が付いた聡子は飛び起き、盛大にむせます。

それがラインのIDであることに気が付く真友子。

追及してくる真友子に誰でもいいでしょと振り払おうとしますが、すぐに男だと見破られてしまいます。

勝手に話を進める真友子に、面倒になって全て否定する聡子。

しかし、次第に対処できなくなり、昔の知り合いだと話します。

年下ということもばれ、さらに追及されます。

登録も連絡もしないけど、机に大切に貼ってあることで興味を覚えた真友子は、聡子のスマホでID検索をかけます。

慌てて止めようとしますが、出てきた人物のアイコンはギャルの顔で、明らかに真修のものではありませんでした。

聡子の反応から違うと判断した真友子は、間違えた箇所を探そうとしますが、聡子は部屋から出るよう言います。

膨れる真友子。

日曜に帰ってきてから変だと指摘。鼻の穴がぶうぁーっと広がって変な顔らしい。

傷だらけで、しかし嬉しそうな当時の聡子に、まくらくん(IDから妹がつけたニックネーム)が関係していると鋭い真友子。

いいものから距離を置く必要はないと諭して部屋を出る真友子ですが、それでももう連絡してはいけないと頑なな聡子。

しかし、鏡で顎の傷を見た瞬間、気が付けばID検索をかけ、真修を見つけていました。

アイコンは、以前聡子と飲んだラムネのビー玉で、成長しても変わっていないのだという事実に、聡子は新たな気持ちを抱くのでした。

場面は変わり、予備校で授業を受けている真修。

かばんの中でスマホが鳴り、切り忘れたと電源を切ろうとしますが、画面には「sato」があなたのラインIDを追加したという表示が出ていました。

思わずプリントを落としてしまい、隣の生徒に拾ってもらいますが、すぐにラインを確認します。

すると、sato(聡子の略)から「こんばんは」という素っ気ない文章が届いていました。

しかし、それが真修には嬉しく、目をぎゅっと瞑ってしまいます。

そして、同じ塾に通う小片は、後ろからそんな真修を見て驚いています。

第17話 ラジオ

教室で友達と話す真修。

そんな真修を見つめる小片ですが、二人の友達のうち、りおんが理由を聞いてほしそうにわざとらしい大きなため息をつきます。

理由を聞くと、彼氏が嘘をついて後輩とカラオケに行ったことに怒っているとのこと。

そこから関係のない過去のことを持ち出し、彼氏を非難するりおん。

すると、小片はそんなりおんに、色々と非難するから彼氏が何に謝っていいのか混乱するのであって、嘘を言われて嫌だったとシンプルに言えば良いとアドバイス。

りおんもそれに納得し、南中の母だと小片を褒めます。

しかし、実は小片の言葉ではなく、全てラジオの受け売りでした。

勉強中、小片は『吉野エーコの水曜日ムダバナ』という番組を聞いていて、彼女のもとに送られてきた悩みに対する彼女の回答を聞き、それを自分が言ったかのように友達に言っているのでした。

ぼんやりとラジオを聞きながら、真修のことを考える小片。

塾でのことを思い浮かべ、何が真修をあんな顔にさせたのか、と。

小片は、エーコの言葉をなぞることで的確なアドバイスができ、クラスメイトからも頼られています。

しかし、自分の言葉ではないことに負い目も感じていました。

ところがある日、ラジオで「大事なのは何を言うかじゃなくて、誰が言うかなんですよ」というエーコのアドバイスを聞き、一晩考えて、エーコの言葉を借りていたとしても、自分が言う事でみんなが喜んでくれるのならいい、と考えるようになりました。

ある日、小片が塾に行くと、すでに真修がいて、またスマホを気にしていました。

理由を探ろうと雑談をふる小片。すると、相談をする流れになった。

真修が言うには、久しぶりに連絡がとれるようになった友達がいるが、前まで出来てた簡単な会話に緊張するとのこと。

この間の授業で笑ってたのもそのこと? と聞くと、顔を真っ赤にする真修。

ごまかそうとしますが、分かりやすい反応にさらなる質問をし、相手が女子であると突き止めます。

真修が特定の女子と会話していることに意外性を感じる小片。真修はそんなんじゃないと否定しますが、小片は昔真修とした会話のような懐かしさを感じ、力になってあげたいと強く思いました。

しかし、いいアドバイスが出来ず、帰路につく小片。

次に彼女のとった行動は、現状の悩みをラジオに投稿することでした。

ラジオ放送当日、緊張してラジオを聞いていると、小片の投稿した悩みが読まれました。

絶対はずさない話を聞きたい小片ですが、回答は意外にもうまくいかなくてもよいというものでした。

うまく話せたとしても、必ずうまくいくわけではない。

むしろ、そのモヤモヤを楽しめばいい、と。

拍子抜けな回答に、それでいいのかと困惑する小片ですが、エーコの言葉を信じることにしました。

ある日、塾の授業終了後、真修を追って教室を出ると、真修は自動販売機の前に立っていました。

声を掛ける小片ですが、振り向いた真修は切ない表情を浮かべていて、とてもモヤモヤを楽しめばいいなんて言えませんでした。

必死に考え、通話なら昔の感覚を思い出せるのではないか、むしろ会って話す方が良い、と噛みながらアドバイスする小片。

肝心なところで噛んでしまい、しかも身勝手なアドバイスをしてしまったと焦りますが、意外にも真修には効果がありました。

小片が、自分のことを考えてくれていたこと。

それが嬉しかったと小片に伝えます。

帰りのバスの中、自分の言葉で真修を喜ばせることができて、小片は自信をつけました。

しかし、笑顔とは裏腹に、胸にかすかな痛みが走ります。

第18話 距離

風呂上り、聡子に電話したいとラインする真修。

すると、聡子から返信があり、何かあった?と真修を心配しています。

聡子は電話するために移動し、車の中から電話をかけます。

最初こそ緊張してうまく話せなかった真修ですが、徐々に昔の感覚を取り戻し、お父さんが大阪に単身赴任していること、今はおばあちゃんが面倒を見てくれていることなど現状を話し、少しずつ距離を縮めていきます。

明日も電話していいですかと聞くと、やや間があって大丈夫と答える聡子。

真修はまた明日と通話を切ると、思わずガッツポーズをします。しかし、一方の聡子の表情は暗いものでした。

翌日、学校で小片のおかげで電話ができたことを報告する真修。

小片は照れながらも、力になれたことを喜んでいました。

給食の時間、友達に空を見てみろと言われて窓の外を見ると、そこには二つの虹がかかっていました。

真修はそれを写真に収め、聡子に送ります。

しかし、今日は仕事で遅いからまた今度と電話を拒否され、焦る真修。

それでもすぐに本当に忙しいのだと思い直すと、休みの日なら大丈夫だから、何かあったら電話してと聡子から返信がきました。

翌日は土曜日でしたが、何もせずに夜になってしまいました。

休みの日は土日でいいのかと自問自答しますが、そもそも家から出ていないため何もなく、結局電話はかけられませんでした。

翌日も気が付いたら夕方になっていて、昨日と同じだと慌てて図書館に向かいます。

しかし、図書館は休館日で、仕方なく帰路につきます。

通りがかった公園。

そこに一人の小学生になるかどうかくらいの小さな女の子がいて、水道で手を洗っています。

真修がハンカチを差し出すと、彼女はそれで手をふきますが、また砂場で遊び始めます。

そのままでは帰りづらく、女の子に話しかけると、どうやらわがままを言い過ぎて母親が帰ってしまったらしい。

家には帰りたくない、お母さんは待っていない、寂しくないと虚勢を張りますが、目から涙がこぼれます。

しかし、なんで泣いてるの?と聞いても泣いていないと返され、苦笑する真修。

ふと、泣いている女の子に、聡子の泣いている姿が重なります。

女の子はここに住むのだと主張し、真修もそっかとしか言えません。

すると、「実衣愛(みいあ)!」と公園の入り口で叫ぶ女性の姿があり、よく似ていてそれが女の子のお母さんだと分かりました。

お母さんに気が付くと、虚勢を忘れてお母さんに泣きながら抱きつくみいちゃん。

母親は何かされたのではと真修を警戒し、みいちゃんの上着のポケットにハンカチが入っていることに気が付きます。

慌てて真修に返す母親。

みいちゃんを連れて帰ろうとしますが、何を思ったかみいちゃんは引き返してきて、真修にグーパンチします。

その手には、前に真修が当てたストラップによく似たイクラのストラップが握られていて、それを真修に渡して帰っていきました。

すぐに聡子に電話をかける真修。

乗り気ではない声で、どうしたのかと聞く聡子ですが、それを無視して昔とったストラップのことなど、思い出話を始めます。

いつまでも出てくる話題。

しかし、もう切らなきゃ、と聡子は非情です。

真修は落ち込みますが、そこでふと聡子の優しさを思い出します。

聡子は優しいからこそ、言葉で否定しても逆のことをしてくれる、と。

聡子は否定しますが、真修は優しい聡子に期待していて、会えただけで満足できない自分に気が付きました。

しかし、それは聡子も同じ気持ちで、涙を流しながら真修の言う事を聞いています。

自分の気持ちに気が付いた今、成長した真修は次なる行動に出ます。

「聡子さん、俺、会いに行きます」

おわりに

感動の再会を果たしたとは言え、一度失敗を犯した二人は臆病になり、なかなか気持ちに素直になれずにいます。

大人である聡子は尚更で、これ以上真修を傷つけないようにと、自分の気持ちを押し殺して真修に冷たくします。これも、聡子の優しさです。

しかし、二年が経ち、真修はもう聡子に守られるだけの存在ではなくなりました。自分の考えで、自分の足で歩けようになりました。

彼の下した決断によって、二人の今後はどう変わるのでしょうか。

またお父さんという壁が立ちはだかる気もしますが、その時はぜひ自分の気持ちをはっきり伝えてほしいと思います。でも、年の差19歳だと説得力がない!笑

ただお父さんは単身赴任で大阪にいるので、今がチャンス?

それとも、おばあちゃんと弟を味方につけて、なんとか説得する。

もしくは、未練がありそうな椎川さんが、ここで男を見せてくれたりして?

まあどの道、厳しいことだけは確かです。母親と妹の説得もあるわけですから。

と、いうわけで。

これからの展開に、ますます期待してしまいます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

また5巻が出た時にお会いしましょう。

次の話はこちら。

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