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『私の少年 5巻』ネタバレ感想!あらすじから結末まで!

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聡子に会うため、仙台に来ようとする真修。恋とも母性とも友情ともいえぬ関係への「社会の目」に苦しむ聡子。しかし、二人の関係に変化が訪れようとしていた。「このマンガがすごい!2017」<オトコ編>第2位「第3回次にくるマンガ大賞」第3位ほか各メディアで話題沸騰中、待望の第5巻!!

Amazon内容紹介より

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前回、聡子と真修は再会を果たし、遠距離で交流する中、彼の方から会いに行きますと自分の気持ちを伝えました。

今回はそこから始まります。

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第19話 酸素

『会いに行きます』。

真修に言わせてはいけない言葉だったはずなのに、もらった聡子は嬉しくて涙を流します。

電話越しに聡子は何かを言おうとしますが、その時、真修のいる東京で夕方六時半を告げるチャイムが鳴り、一時中断。

聡子は真修の身長を聞くと、166.7センチと返ってきて、知らない間にもうすぐ自分の身長を追い抜くくらい彼が成長していたことを実感。

子どもだと思って彼の二年間を無視し続けたことを反省し、その上で仙台に来てはいけないと突き放します。

親の許可などがなければ、彼との交流は『大人が未成年をかどわかした』ことになるからと。

それに対して真修は反論。

周りから変に見えても、自分と聡子は普通で、だから仙台に行くと言って聞きません。

そこで聡子は、来週仕事で東京に行くから、自分から会いに行くと言い、彼の暴走を未然に防ぎます。

実は先週、会社の先輩・椎川から新プロジェクトの立ち上げに際して戻ってこないかと誘われていて、まだ返信していなかったのです。

真修に会うために東京に戻ることになったため、椎川には直接会って詳しい話を聞かせてほしいと返信。

寝ようとベッドに入ると、自分の言ったことに今更後悔しますが、言わなかったら真修は仙台に来ていただろうと考え直します。

彼はもう、自分が知っていた頃よりもずっと大人になっているのですから。

聡子は気持ちを切り替え、真修に会ったら自分が仙台に行くことになった経緯をなるべく傷つけないよう説明した上で、さよならしようと決意するのでした。

場面は変わり、東京に着いた聡子。

彼女が仙台に行っている間に本社は都会に移転し、思わずあたりをキョロキョロしながら歩きます。

目的のビルにたどり着くも、慣れないセキュリティに苦戦し、なんとか椎川の待つフロアに到着します。

椎川は髪型が少しさっぱりとしていますが、相変わらずで、田中さんを呼んでくると言って一度席を外しますが、遅れるということで少し二人だけで話します。

聡子は仙台で買ったお土産を椎川に渡しますが、左手の薬指にあるはずの結婚指輪がないことに気が付きます。

疑問に思いつつも聞けず、椎川は新しいプロジェクトについて説明しようとパソコンを開きます。

しかし、聡子はその前にこの件を断ると言い、さすがの椎川も驚きます。

聡子はそもそもなぜ自分が選ばれたのかと疑問を感じていましたが、会社は本社に限らず、使える人間を探しているのだといいます。

また、今回のプロジェクトにはサイタ繊維の協力が必要不可欠で、そことのコネクションを考えると聡子が最適、というのが椎川含めた会社の判断です。

その後、椎川は聡子が仙台に行った後の穴埋めが大変だったと愚痴をこぼした上で、おまえはここに必要だよと声を掛けます。

真修の父親ともあれから問題がなく、ほとぼりも冷めただろう。

だから、東京に帰って来いと。

聡子はどう返事するか迷っていると、そこに開発部長の田中がやってきてこの話は一時中断します。

この頃、待ち合わせ十分前に待ち合わせの喫茶店に真修は到着していましたが、聡子は田中の長話に付き合わされて時間をオーバーしていました。

椎川も席を外してしまったため、一度休憩入れることを提案。

聡子はお手洗いに行くといって真修のもとに向かいます。

ところが、エレベーターはカードキーがないと乗れず、聡子は上着のポケットに忘れてきたことに気が付きます。

便利なはずなのに不便なことこの上なく、さらにスマホは圏外で、真修に電話が繋がっても声がよく聞こえません。

慌てふためく聡子の前に階段があり、自力で一階まで降りる決意をします。

しかし、三十二階からそう簡単に降りられるわけもなく、走るうちにすぐに息は切れ、体力の衰えを実感。

それでも真修のことだけを考え、なんとか一階に到着。

床にへたりこみ、息を整えようと酸素を求めますが、そこで頭上から声が降ってきて、見上げるとそこには聡子に手を差し伸べる真修の姿がありました。

この時、聡子は以前に真修とプールに行った時に、プールに落ちた彼女に手を差し伸べてくれた彼のことを思い出します。

手を引かれながら、聡子はなぜ今も変わらないのだろうと思います。

そして、思わず『東京、帰ってくるから』と宣言。

また会える、だから、と言いますが、その先はうまく出てこず、今は出てこないと苦笑します。

真修はそんな聡子に見とれますが、聡子は走って汗をかき、大寒波で薄着だったためようやく寒さを感じ、体を抱きます。

すると真修は、かばんから以前聡子から貸してもらったストールを聡子に渡します。

聡子は真修が今でも持っていることに驚き、すっごい助かると首に巻きます。

そんな聡子に、真修はおかえりなさいと言い、聡子も笑顔でただいまと答えます。

聡子は別れると、慌てて椎川たちのもとに戻ります。

トイレの場所が分からなかったと言い訳し、椎川は遅れてきたことは気にしていませんでしたが、聡子の格好を指摘。

薄着にストールを巻いただけの格好に、さすがの聡子も気が付いて焦ります。

咄嗟に首だけでも温めておこうと思ってと言い訳し、うやむやにします。

話し合いが再開し、聡子はさっき真修に言った『また会えるよ』の言葉を思い出します。

言ってはいけない言葉だったけれど、階段を全力疾走して体中の酸素を吐き出して、窒息しそうな心臓の中に唯一残っていた言葉だったと自分を肯定。

真修との約束を果たすために、企画の件を真剣に聞くのでした。

第20話 黄色と青

塾でテストを受ける真修。

聡子とまた会えると思い、浮かれています。

しかし、社会に比べて数学の点数が低いことを先生に指摘され、本人も気にしていました。

その時、以前に社会が得意なの?と聡子に聞かれてから、社会が得意になったことを思い出します。

もう頭の中は聡子のことで一杯で、真修はメッセージを送ります。

しかし、がっつくのもいけないと思い、中学時代の聡子の数学の勉強法について聞きます。

すると、聡子は『苦手を克服!数学の学習(通称ニガガク)』を毎日やっていたと教えてくれ、その画像も送ってくれます。

真修は書店で聞いてみますが、今はリニューアルされて色が黄色から青色に変わっていました。

新宿本店に在庫があると言われ、真修は電車で新宿に向かいます。

すると、一人の女性が目につきます。

その女性の髪色は、根本は黄色、毛先にかけて青色に染まっていて、参考書と一緒だと真修はつい見てしまいます。

次の瞬間、その女性の横に聡子がいることに気が付き、つい名前を呼んでしまいます。

聡子とその女性、妹の真友子は同時に振り返り、真友子が真っ先にかっこいいと食いつきます。

聡子は真友子を引きはがし、仕方なく二人をそれぞれ紹介します。

聡子が東京に戻るのは一ヶ月後で、今日は住む部屋を探すために上京し、真友子も付き添いで来たとのこと。

二人の様子を見ていた真友子は、真修も一緒にご飯に行こうと提案。

家にご飯があるからと、ご飯を食べなくてもいいならと真修も交えて三人で食事をすることに。

しかし、聡子の顔は青く、ついてきてよかったのかと不安になる真修。

そんな二人に構わず、真友子は二人の関係についていきなり切り込みます。

全てを話すわけにはいかず、公園でサッカーの練習をしていた真修と出会い、練習に付き合っていただけだと誤魔化します。

その後、真友子が次から次へと話題を提供し、ニガガクの話に。

すると真友子は、部屋にニガガクが置いてあったことに得心がいったようで、彼女もまたおすすめしてくれます。

真修は毎日やりますと宣言し、えらいえらいと微笑む聡子。

そんな二人のやりとりを、真友子はにこにこしながら見ていて、気が付いた聡子はしまったという顔をします。

その時、聡子のスマホに不動産屋から電話が入り、席を外します。

二人きりになると、真友子はおかしな質問を投げかけ、まくらって何だろうと呟きます。

真修はつい、うさぎのことですか?と聞いてしまい、真友子は興味を持ちます。

まくらとは、真修が小学生の時、うさぎ当番だった彼がつけたうさぎの名前で、真友子は君がまくらかと納得します。

真修は何かいけないことを言ってしまったのではと心配になりますが、真友子はお姉ちゃんのこと好きなの?とにこにこしていて、真修は違いますとムキになって否定します。

真友子はいつもの聡子の様子について聞き、真修は思ったことを口にします。

その中で、頭をなでて褒めてくれたエピソードに真友子は食いつき、詳しい話をします。

彼はテレビのサッカー少年を見てサッカーを始めましたが、後に気が付きます。

サッカーが好きだったのではなく、『えらいね』と頭をなでられるその少年、その家族を見て羨ましいと思ったのだと。

そして、サッカーの試合の時、聡子は『頑張ったね』と頭をなでてくれたのです。

真友子は話してくれてありがとうと真修の頭をなでますが、真修はわけが分からないといった顔をします。

すると、真友子は自分の手では嬉しくなかったでしょと指摘し、真修の求めている手は『誰か』ではなく、『聡子』のものだと言い、真修は顔を赤くします。

聡子は戻ってきて、今日決めた物件を他の人に取られてしまったことを報告。

それでも真修の時間を気にしますが、真友子に言われて自分の気持ちに気が付いた真修は、聡子の持つニガガクが欲しいと言います。

聡子は今度、東京に来る時に持ってくると言いますが、真修は今度は迎えに行くから、必ず言ってくださいと宣言。

その勢いに聡子はたじろいでしまいます。

一連のやり取りを見ていた真友子はときめいていて、二人の関係にもう気が付いているようです。

そして真修と別れた後、自分も聡子と一緒に東京に住んじゃおう~とあっさりと言うのでした。

その後、家の契約に真友子だけが上京し、早い方がいいだろうと気を利かせてニガガクを持ってきてくれますが、真修はがっかりし、会って受け取るとあからさまにすぐに帰っていくのでした。

第21話 穴

真友子の回想。

彼女が小さい頃、母親は寝る時間に一人で出掛けていくことがありましたが、聡子は真友子には関係ないと教えてくれません。

またある日から、トイレの壁には、目線くらいの高さにだけ花柄の壁紙が貼られていて、真友子は聡子に理由を聞きますが、やっぱり教えてくれません。

真友子はそれを意地悪だと捉え、それは聡子が東京の大学に行くまで続きました。

そして聡子が上京する前日、聡子は母親とケンカし、真っ暗な部屋で泣いていました。

その声で起きた真友子はどうしたのかと聞きますが、いつもの関係ないを言われ、翌日、真友子は病気のふりをして聡子を見送りませんでした。

仕返しができて胸がスッとする真友子ですが、それから何年も経って聡子のこの言葉の意味を知ることになります。

真友子が専門学校を卒業後、父親は祖母の介護をしなくてはいけないと家に帰ってこなくなり、代わりに母親が友人をよく家に呼ぶようになります。

そしてその年のクリスマス。

ホームパーティーをするからと真友子は母親に残るよう言われ、退屈していました。

その時、とある男性の子ども・勇人が遊んでほしいといい、真友子はトランプを使って遊びます。

途中まで楽しく遊んでいましたが、唐突に男性の手が真友子の手のひらの上に置かれ、握りしめます。

その瞬間、真友子は寒気を感じ、トイレに駆け込みます。

恐怖が薄れると次第に怒りがこみ上げ、つい壁を殴ります。

すると妙な感触があり、真友子は花柄の壁紙をどけてみます。

真友子が殴った場所には、すでに穴があいていました。

真友子は聡子があけたものだと確信し、これまでの彼女の行動の意味を知ります。

聡子は、真友子の目を塞ぎ、嫌なことから遠ざけてくれていたのです。

そして話は現在に戻ります。

聡子は真友子とのルームシェアを、一人でしなければならないことがたくさんあるからと難色を示しますが、聞いても真友子には関係ないとはぐらかされてしまいます。

その夜、真友子はベッドに入ると、聡子の『なんでこっちに来たいの?』という言葉を思い出していました。

頭の中には、真友子には関係ないと言って遠ざかっていく聡子の姿があり、真友子は涙を浮かべながら眠りにつきます。

翌日、不動産屋の社員に連れられて物件を見て回りますが、細かい欠点まで真友子は気が付き、聡子は彼女の観察眼に驚きます。

真友子は、もう二度とぼんやりしたくないからと話しますが、守秘義務を理由にそれ以上は言いません。

代わりにまくらくんが真修だと気が付いたことを報告。

真友子は、聡子が真修との恋愛のためにここに戻ってきたと解釈していましたが、聡子の『何言ってんの…?』という真剣な表情を見て自分との認識のずれに気が付きます。

真友子から見て、真修は完全に恋愛対象として聡子のことを見ていましたが、聡子は違います。

彼女は、家族がしてあげられなかったことを真修にしてあげたいと思っているのです。

真友子は、真修の母親になろうとしてるの?と冗談半分で聞きます。

自分の母親からもらいたかったものを真修に与え、与えることで真修から同じものをもらおうとしているのではないかと。

真友子はそれを埋めあいっこと称し、聡子の表情はどんどん悲愴なものに変わっていきます。

さすがにまずいと思った真友子は、不動産屋の社員が戻ってくると強引に話題を変え、今までの話を断ち切ります。

しかし、その後も埋めあいっこについて考えてしまいます。

何かで埋めたい気持ちは分かるが、聡子が与えるものと、真修から返ってくるものは笑えるくらいに違う。

それなのに無理やり埋めても、どんどん隙間が出来るだけだと。

ずっとかわいそうなままだと。

不動産屋に案内され、次の物件を見学する二人。

真友子がクローゼットを開けると、そこには聡子が家のトイレにあけたような穴があいていて、見せたらまずいと思いますが、聡子も見てしまいます。

真友子は焦りますが、そんな心配をよそに、聡子は広いクローゼットに感激するだけで、真友子に教えられるまで穴の存在にすら気が付いていませんでした。

それどころか、穴を直さずにすぐに入居できないかと相談しています。

真友子は、その穴を聡子の心にある穴だと捉え、どんなに隙間が出来たとしても埋めた方がいいと思っていました。

少なくとも、聡子がぽっかりあいている方が自分は嫌だと。

ところが、聡子は言います。

やらないといけないことがあるから、こんな穴なんかどうでもいいと。

ここで真友子は気が付きます。

聡子はすでに自分の中にある穴ではなく、別の場所を見ているのだと。

そしてそれは、きっと真友子の知らない場所です。

真友子はそれを見てみたいと思い、改めて一緒にいたいと聡子の服の裾をつまみ、聡子も折れるのでした。

第22話 ベンチ

真修は、これまでの二年間を三分くらいに縮めた動画を見る夢を見ました。

今まで終わりが見えなかったこの二年間でしたが、聡子が戻ってきたことで終わりが見えてきました。

翌朝、聡子から引っ越しの日時が決まったから駅で待ち合わせしようとメッセージが届き、嬉しくて体中を色々なところにぶつけてしまいます。

その日の学校で、真修は受験をきっかけに別れたカップルの話を耳にします。

家に帰った後も、一年経てば元に戻るのに、それでも別れてしまうことが理解できませんでした。

ニガガクに書き込まれた中学時代の聡子の丸い字を見て、早く迎えに行きたいと思いを募らせます。

そして引っ越し当日、真修は電車に乗りながらどんな話題で話そうかとずっと考えていました。

待ち合わせ場所で聡子と合流すると、彼女の新居に一緒に向かう電車を待ちますが、彼女の笑いそうな話をしようと気負いすぎて言葉が出てきません。

その後も改めて聡子が大人であることを思い知らされ、うまくいきません。

すごく居心地がいいのに、すごく緊張する。

結局、ほとんど何も話せないまま新居に到着。

しかし、時間があるからもう少し話そうと聡子が提案してくれて、真修は大喜び。

最初は家に上がってもらおうとしますが、真修に持たせていた食べ物を思い出し、外で食べることに。

コンビニで温かいお茶を買うと、二人は公園のベンチに腰かけます。

聡子は彼があまり話さないことに気が付き、話せることがあるなら教えてほしいといい、ようやく真修はいつものペースを思い出し、話が盛り上がります。

行きたい高校の話になり、真修は今なら近所じゃなくて違う駅に行ってみたい、この駅とか、と聡子を意識させるようなことを思い切って口にしますが、聡子の反応は意識してか普通のものでした。

それでもこうしていられるだけで十分だと思いますが、ふと受験をきっかけに別れることになったカップルのことを思い出し、真修は自分には理解できないと言います。

しかし、聡子の反応は違いました。

中学生の一年はすごく大切な時間で、自分自身のことを考えて答えを出した二人は偉いと。

真修は、それでも自分なら待てると、明らかに聡子を意識した発言をします。

しかし聡子は、この時期は真修自身のことをとにかく考えてほしいと話し、誰かのために生きなくても大丈夫だって思えるようになってほしいと言います。

真修は、聡子が何かを伝えようとしているのには気が付いていますが、それが何なのかが分かりません。

だから真修は、これまでの二年間、自分以外の人を考えていたと話し、聡子の名前を出そうとしますが、聡子はわざとペットボトルの蓋を落として話を遮ります。

悲痛な面持ちで蓋を拾う聡子に、真修は二年間、誰のことを考えていましたか?と聞きます。

それに対し、聡子はわざと苦笑して覚えていないといい、真修は思い知ります。

二年前のようには戻れないのだと。

それでも勇気を振り絞って、真修は言います。

『俺、いま、聡子さんにすきって言っちゃだめなんですか?』と。

第23話 蓋

それに対して、聡子はだめじゃないと言いますが、手が震えています。

土がついたままの蓋をつけようとして真修に指摘され、真修が水道で洗うことに。

真修は聡子の言っただめじゃないという言葉の意味を判断しきれずにいました。

聡子のところに戻ると蓋を手渡しますが、そこで聡子は、腕まくりした真修の腕に痣があることに気が付きます。

真修は階段の手すりにぶつけたと正直に話しますが、聡子は内心、暴力をふるわれているのではと心配していました。

思いつめた表情になり、やがてだめじゃないよ、と改めて口にします。

ただし、自分は大人として、あなたの気持ちに応えることはできないと。

そこで聡子は、はじめて真修の家に上がった時のことを話します。

散らかった部屋を見て、真修は本当に健やかに過ごせているのだろうかと心配になり、本当であればしかるべきところに連絡して、助けを求めるべきだった。

しかし、他人だからと及び腰になって、真修を見放してしまったことを今でも後悔していました。

だから、聡子は決めたのです。

真修が昔を思い出した時、出会えて良かったと言える大人にありたいから、今度こそ守らせてほしいと。

しかし、守られたいと思わないと真修は言います。

真修は、自分が子どもで弱いと思われているからだと思い、聡子の言葉はもう耳に入りません。

聡子のスマホが鳴りますが、それどころではなく、真修は飲み物のお金を払おうと財布を開きます。

すると、前に聡子からもらったラムネのビー玉が落ち、真修はそれを拾うと走って帰ってしまいます。

その後、真修はどうやって帰ったかも分からないまま家に到着。

お風呂に入り、失恋したのだとようやく認識します。

一方、夜になってようやく引っ越し作業の終わり、業者を見送る聡子。

お風呂に入ろうと思いますが、ガス会社に開栓の連絡をするのを忘れてしまい、お湯は出ません。

お風呂を諦めようと横になると、真修の落としたラムネのビー玉を思い出します。

なんとか作業を再開しますが、受け流さずに『だめじゃないよ』と口にしたことを後悔し、自分が何を言おうとしていたのか分からずにいました。

そして、真修の感情を拒絶する=真修にとって誠実な大人であること、になっていることがおかしいと思いつつも、それがここにいる理由なんだからと思い直し、やっぱり外でお風呂に入ろうと外出。

冬の夜、銭湯に向かう道ということで脳内に『神田川』が流れ、自然とそれを口ずさみます。

その間、頭の中にはたくさんの真修との日々が思い出され、気が付くと聡子は泣いていて、どうして一緒にいられないんだろうと思うのでした。

場面は代わり、寝ている真修。

枕もとでスマホにラインが届き、それは真友子からでした。

おわりに

止まっていた時間が動き出し、真友子という起爆剤が投入されたことでうまくいくと思われた二人ですが、聡子が真修に対して誠実であろうとすればするほど気持ちに嘘をつくことになり、お互いを余計に苦しめる結果になってしまいました。

しかし、最後に真友子が突破口になるのでは?と思わせる描写もありましたので、次巻に期待です。

個人的には、未成年相手でも好きになったら仕方がないと思ってしまいますが、世間があってこその個人です。

ぜひ諦めるという選択肢ではなく、真修が大人になってしっかりとした判断を下せるようになるまで今の気持ちを大事にして、二人の気持ちに嘘をつかない結末を迎えてほしいと切に思ってしまいました。

次の話はこちら。

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