明日から使える雑学!『宝石の国』から学ぶ宝石たち その2
その1に続いて第二弾です。
2巻初出の宝石が思ったよりもたくさんあったので、その2は2巻で新しく出てきた鉱石についてご紹介します。
※8巻までのネタバレになりますので、未読の方はご注意ください!
⑬レッドベリル
赤色をした稀産の緑柱石(ベリル)で、別名はビクスバイト。
エメラルドと同じ緑柱石であることから、「赤いエメラルド」と呼ばれることもあります。
ファッション担当で、誰よりもオシャレにこだわりがあり、髪型が毎日違うという設定があります。
実際に2巻で確認してみると、
・ツインテール+星の髪飾り
・お団子ヘア
・サイドポニーテール(本編後のおまけ)
と確かに違いました。
これをチェックするのも毎巻の楽しみになりそうですね。
ただ重複はあったので、限りあるバリエーションの中から毎日選んでいるみたいです。
※3巻以降で、
・右肩から下げた一つ編み(3巻表紙裏)
・ツインテール+花のゴム?(4巻表紙)
・ポニーテール(5巻 p.8)
は見つけました。
ただ白黒絵ではレッドベリルか判別かつかないものも多かったので、もっと多いかもしれません。
⑭ネプチュナイト
海王石とも呼ばれ、黒(濃赤褐色)をした柱状鉱石です。
無愛想で少々辛口。7巻のおまけで、細目がチャームポイントで、髪型を気に入っていることを相棒のベニトアイトにバラされ、枕の餌食にしているシーンもありました。
愛称はねぷちー。
⑮イエローダイヤモンド
カラーダイヤモンドの内、黄色を示すダイヤモンドのこと。
炭素の集合体であるダイヤモンドに窒素が入り込むことで、黄色を呈します。
黄色の入った無色透明なダイヤモンドと十分に黄色く色づいたイエローダイヤモンドは別物で、場合によっては同サイズのダイヤモンドよりも高値がつくことがあります。
特に色が濃く、鮮やかで綺麗なイエローダイヤモンドは「カナリーダイヤモンド」と呼ばれ、重宝されています。
俊足という設定は、稲妻が黄色いというところから来ているのでしょうか?
みんなからはお兄様と呼ばれ、親しまれています。
初登場時で最年長の3597歳。すでにかつてコンビを組んでいたグリーンダイヤモンド、ルビー、サファイア、ピンクトパーズを月人に連れ去られていて、卑屈になることもあり、どこか生きることに疲れた様子も見られます。
とてもマイペースな性格なため、同じような性格のダイヤモンドと馬が合うが、組ませるとどんな事態になるか分からないため、ペアを組ませることはありませんでした。
しかし、ペアのジルコンをボルツと組ませたことをきっかけに、ダイヤとペアを組むことになりました。
⑯ジルコン
風信子(ヒヤシンス)鉱とも呼ばれます。
ジルコンはウラン、トリウムに富み、鉛に乏しいことから放射年代測定の対象鉱物として重要とされています。
また無色透明なものはダイヤモンド類石として、古くから装飾用宝石として用いられています。
作中ではフォスの次に若いが優秀で、イエローダイヤモンドとコンビを組んでいました。
後にボルツと組み、相性の良さを見せます。
後輩の中の後輩だが、時折、真面目過ぎるがゆえに精神が病んでいる時があるため注意が必要です。
⑰グリーンダイヤモンド(すでに連れ去られている)
カラーダイヤモンドの一つで、この石特有の緑は、まだ地中にあった時に天然放射線に長年にわたって暴露されたことに起因しています。
天然ものは非常に稀少価値が高く、放射線照射等で人工的に着色されたものとは区別されます。
この稀少性から目をつけられ、月人に連れ去られたのでしょうか?
⑱ルビー(すでに連れ去られている)
紅石とも呼ばれ、ダイヤモンドに次ぐ硬度の赤色が特徴的な宝石。
とても稀少価値が高く、かつては全宝石中で最も貴重とされていました。
火炎融解法によって人工合成ができるまでは、ダイヤモンドに次ぐ宝石として扱われていました。
連れ去られたのも、この稀少性のせいかもしれません。
⑲サファイア(すでに連れ去られている)
蒼玉、もしくは青玉とも呼ばれています。
コランダム(酸化アルミニウム)のうち宝石としての価値があり、ダイヤモンドに次ぐ硬度の赤色以外の色の宝石を指します。
赤色はルビーと呼ばれます。
光を当てて眺めた時に六条の光を生ずるスターサファイアや、アレキサンドライトのように光源によって色が変わるカラーチェンジサファイアなどが特に価値があります。
連れ去られたのも・・・以下同文。
⑳ピンクトパーズ(すでに連れ去られている)
トパーズの一種で、他の色は自然界の力、人工的な放射線を浴びて変化しますが、ピンクトパーズはクロムによって色が生まれるため、とても稀少です。
しかし同じピンク色のピンクダイヤモンドは比べ物にならないほど高値なため、それに比べれば手に入りやすく、とても人気があります。
連れ去られたのも・・・以下同文。
㉑オブシディアン
↑
分かりにくくてごめんなさい。
右上がオプシディアンです。
黒曜石とも呼ばれ、火山活動によって生成される天然ガラスで、漆黒色をしています。
日本では旧石器時代に、矢じりや石器として用いられていたので、それが武器制作担当という設定に繋がっているのかもしれませんね。
㉒アメシスト
↑
これも分かりにくくてごめんなさい。
左下がアメシストです。
紫水晶ともいいます。
日本式双晶という学名があり、向かい合う一対の注面をそれぞれ共有しているのが特徴で、そこから双子という設定がきているのかもしれません。
全く同じ鉱石のため二人で直接触ることができ、その音は心臓に悪いとフォスが愚痴っていました。
それぞれ名前があり、右目が隠れているのがエイティ・フォー、左目が隠れているのがサーティ・スリーです。
㉓アゲート
フォスが体の1/3に当たる両足を失ったことで、その代用として選ばれた鉱石です。
両足を失う原因を作ってしまったウェントリコスがきな貝をフォスに託しますが、表面は貝でも中身はアゲートに変化していました。
ルチル曰く、アゲートは硬度7ですが、表面の貝殻と足して割ればフォスの硬度にそこそこ近づくので負担が少ないのでは? とのこと。
瑪瑙(メノウ)とも呼ばれ、縞状の玉髄の一種で、オパール、石英、玉髄が、火成岩あるいは堆積岩の空洞中に層状に沈殿してできた鉱物の変種です。
カラー絵で見るとよくわかりますが、非常に複雑な色をしていて、くっつけても違和感ありまくりです。
2巻現在のフォス
2/3:フォスフォフィライト
1/3:アゲートときな貝
↑
真ん中の黒足がアゲートと貝殻部分です。
よくこの色をぶちこんだな、と思わざるをえないミスマッチ。
と、こんな感じです。
それにしても2巻にしてこんなにたくさんの鉱石が出てくるなんてびっくりです。
そして、調べれば調べるほど鉱石の奥深さがわかり、ますますのめりこんでしまいそうです。
そしてボルツすら溶かしてしまった王に触れても先生だけは溶けませんでしたが、何か秘密があるのでしょうか? 気になります。
※2017.11.23追記。
8巻において、先生は人工六方晶ダイヤモンドで作られていることが判明しました。
それがアドミラビリスでも溶かせない理由なのかもしれません。
その3はこちら。