『魔法飛行』あらすじとネタバレ感想!日常に潜む謎が鮮やかに解かれるシリーズ第二弾
私も,物語を書いてみようかな――入江駒子のつぶやきは「じゃあ書いてごらんよ」の声にあっさりと迎え入れられた。幾つも名前を持っている不可解な女の子との遭遇,美容院で耳にした噂に端を発する幽霊の一件,学園祭で出逢った〈魔法の飛行〉のエピソード,クリスマス・イブを駆け抜けた大事件……近況報告をするように綴られていく駒子自身の物語は,日々の驚きや悲しみ,喜びや痛みを湛え,謎めいた雰囲気に満ちている。ややあって届く“感想文”には,駒子の首を傾げさせた出来事に対する絵解きが。第三回鮎川哲也賞を受賞した『ななつのこ』に続く,会心の連作長編ミステリ。
Amazon内容紹介より
駒子シリーズ第二弾となる本書。
前の話はこちら。

前作に続き、駒子が若者らしい勢いと迷いを混ぜながら活躍してくれます。
彼女の抱える葛藤自体が若者らしい輝きに満ちていて、それを乗り越える度に成長する様子は読んでいて微笑ましかったです。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想などを書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
本書では基本的に駒子⇒瀬尾に宛てた手紙、物語、瀬尾⇒駒子に宛てた手紙、誰か⇒駒子に宛てた手紙という順番で各短編が構成されています。
一 秋、りん・りん・りん
十月のこと。
駒子が一人で授業に出ようとすると、以前掲示板の前で出会った女子生徒から話し掛けられます。
行儀の悪い姿勢、面倒くさそうな態度、発言も嘘と分かるもので、鈍感な駒子でも相手が何らかの悪意を持っていることが分かります。
名前が分からないため駒子は彼女のことを『茜さん』と心の中で呼ぶことにしますが、いくつかの授業に出て気が付きます。
茜さんは授業に出るたびに出席カードに書く名前が違うのです。
二 クロス・ロード
駒子が美容院に行くと、美容師のマキから幽霊交差点の噂を聞きます。
宮下町にあるその交差点は、事故が多くて注意が必要な場所で、そこで亡くなった子どもが毎晩出て泣くのだといいます。
駒子はまったく信じようとしませんが、マキにも一応の根拠がありました。
昨年、そこで子どもが亡くなっていて、その父親で絵描きの塚原修太は大変悲しがったのだといいます。
そして、塚原はしばらくして姿を消してしまいました。
この場だけの話になると思われましたが、駒子はこの後もこの噂を追いかけることになります。
三 魔法飛行
表題作。学園祭初日。
駒子と野枝は受付嬢をしていました。
野枝は口が悪くがさつですが、気楽な相手でもあり、駒子もリラックスして接しています。
その時、風船が地上を離れる瞬間を目撃します。
風船は来場してくれた子どもたちに配っているもので、あげた相手に覚えがありました。
何気ないワンシーンに見えますが、ここから空を飛ぶ話に繋がっていきます。
四 ハロー、エンデバー
クリスマスイブ。
駒子はふみ、愛と共にクリスマス・コンサートに出かけます。
登場した指揮者の大八木はふみの婚約者であり、彼女が大学を卒業してから結婚するのだといいます。
ふみが離れてしまう気配に機嫌を悪くして、愛は食事を辞退。
駒子はそんな彼女に付き合うことにしますが、別れ際、愛から坂口亮という謎の人物について聞かれ、駒子は意味が分かりません。
そして、愛はテーブルに置いたのは一通の手紙でした。
感想
子どもと大人の中間
本書は駒子やその友人が大学生ということもあり、子どもと大人の中間であることが至るところに散りばめられたエピソードから見えてきます。
高校生よりも行動範囲が広がり、やれることも増えて、これだけ見れば大人と大差ありません。
一方で、将来への漠然とした不安、友人関係が永遠ではない可能性への恐怖など、大人に向かうにあたって訪れる壁にしっかり直面しているあたりに、大学生らしさが出ています。
本書では駒子もそうですが、その友人たちも正しく悩み、そして苦しいながらも壁を越えて成長していくところは読んでいて胸が温かくなります。
その過程が大人になってから何にも代えがたい財産になると経験で知っているからかもしれません。
あと、駒子は少し変わっている子ですが、その友人たちもどこか普通と違っていて、登場する友人によって作品の色や駒子の立ち回りも変わってくるところが本書の見どころでしょうか。
連作短編の面白さ
本書は連作短編のため、四つの短編がしっかり繋がっています。
といっても、連作を意識するのは四つ目の短編からで、それまではいずれも独立して感じます。
しかし、最後になってどういう意味で連作なのかが分かり、物語が一気に緊張感を増し、加速する瞬間はドキドキしました。
忙しい時に読むとやや冗長に感じてしまいますが、それこそが本書に特筆すべき点であり、愛すべき点だと改めて感じました。
それが読みたいから本シリーズを手にとるのです。
それに気が付いて余裕を作りながら読みましたが、駒子の感じる全てが瑞々しくて新鮮で、気持ちの良い読書になりました。
おわりに
コスパ・タイパを求める人からすると、本書は受け入れがたいのかもしれません。
しかし、僕は本シリーズが大好きです。もっといえば、せめて二十代の頃に知りたかった。
本シリーズで描くのは誰にでもありそうな平凡なもので、でも大切な物語で、誰かの人生に寄り添ってくれる温かさと優しさがあります。
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