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『ペガサスの解は虚栄か?』徹底ネタバレ解説!あらすじから結末まで!

harutoautumn
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クローン。国際法により禁じられている無性生殖による複製人間。研究者のハギリは、ペガサスというスーパー・コンピュータからパリの博覧会から逃亡したウォーカロンには、クローンを産む擬似受胎機能が搭載されていたのではないかという情報を得た。彼らを捜してインドへ赴いたハギリは、自分の三人めの子供について不審を抱く資産家と出会う。知性が喝破する虚構の物語。

「BOOK」データベースより

僕にとって、久しぶりの森作品となる本作。

以前、『S&Mシリーズ』『Vシリーズ』を数か月間読みふけり、少し食傷気味になったので控えていたのですが、ふと思い出したかのように読みたくなり、本書を買うことにしました。

しかし読み始めてびっくりしたのですが、この作品ってシリーズものだったんですね笑

やけに読者が知らないワードを平気で使ってくるなーなんてのんきに考えていましたが、さすがに序盤で気が付きました。

でも、事前知識がなくても面白いんですよ、これが。

ここはあえて新鮮な感動を得ようと思い、結局、そのまま読破してしまいました。

なので、これから書くことは本書のみを読んだ僕の感想になります。

シリーズを通して読んだ人間からしたら変だと思われる箇所も出てくるかもしれません。

一応、これから一作目に戻って読みますので、それから加筆・修正があればしていこうと思いますが、現状はこの内容でご了承ください。

あと、ネタバレを含みますので、未読の方はご注意ください。

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全体を通しての感想

森さんの作品ではしばしばあることですが、ミステリーであるけれども、謎解きが本質ではなく、そこに至るまでの心情の変化にこそ最大の魅力があると僕は考えます。

それは本作でも健在でした。

ハギリ博士を初めてとして、登場人物はどれも魅力的で、ちょっと非現実的です。

そして、男女が協調されているところも良いなと思うポイントの一つでした。

男女の会話って、性別の違いからお互いに理解できないことも多々ありますが、それも含めて楽しいんですよね。

あとキガタをはじめとしたウォーカロンとのやりとりも面白い。

人間であれば理解していることも、彼女たちには不思議で仕方がない。

ハギリ博士がジョークで言ったことも真に受けてしまう。ついおかしくなってしまいました。

特にハギリ博士に言われて、真顔でテニスをしにいくキガタとアネバネは、想像しただけで面白いです。

こういうシーンを想像すると、人間って僕らが思っているよりも高等なことを当たり前のようにしているのかもしれませんね。

そして、肝心の本作での事件ですが、犯人を当てること自体はそう難しくはありません。

しかし、そこに隠された真相が語られるにつれて、なんとも複雑な気持ちになってしまいます。

なんでそうなってしまったのか。

もっと他に方法がなかったのか。

考えても仕方ありませんが、心情的にはすっきりしない部分もありました。

しかし、全体を通してこれぞ森作品という出来になっていて、大変満足しました。

ペガサスと人工知能のこと

本作で登場するペガサスという名の人工知能。

彼はすでに登場しているオーロラよりも高い評価を受けていましたが、未熟さゆえに間違いを含む演算を多く行ってしまい、修正させることになりました。

「背伸びをしすぎたんです、彼は」

このオーロラの言葉。

とても人工知能が人工知能に向けて言う言葉ではありませんよね。

どれだけ優秀であろうと間違いはあり、それをどこかで修正する必要がある。

それは人工知能も同じだということです。

しかし、果たして彼らが様々なことを学んで成長した先には、何が待っているのでしょうか?

未知なる可能性への期待もありますが、僕はどちらかというと取り返しのつかない失敗が待ち受けている気がします。

それこそ人間なんて不要だとか言い出すかもしれません。

怖いですよね。

今は漠然とした不安しか感じていませんが、AIも発達してきた今日、こういったこともあり得ない話ではないのかもしれませんね。

ウグイへの信頼

シリーズを読んでこなかった僕でも、ハギリ博士のウグイへの信頼が見て取れました。

まあ、ウグイなら~なんて言っていれば、普通分かりますよね。

そして、後半になってウグイが出てきたとき、なるほどなと納得してしまいました。

共に歩んだ時間が長いだけあってお互いのことを理解しているし、何よりやり取りのテンポが心地良い。

でも、キガタも彼女なりによく頑張っていたと思いますし、オーロラの支援だって受けることができます。

シリーズは十冊で完結するということなので、それまでにより成長し、ハギリ博士と良い関係を作ってほしいなと思いました。

人間とは

作中、何度も繰り返された疑問ですが、何をもって人間と定義するのでしょうか?

ウォーカロンは生まれ方こそ違いますが、人間同様に成長しますし、見た目からは全く判別ができません。

人口減少が続く世界にとって、ウォ―カロンはもはや必要不可欠なものであり、人間と区別する必要性もどんどん薄れています。

また人工細胞によって老いを克服しつつある人間ですが、体の組織を入れ替えたそれを果たして人間と呼んで良いのでしょうか?

今は実現不可能なことばかりなので、考えても仕方ありませんが、いずれ真剣に考えないといけない日が来るかもしれません。

しかし、それまで生きていられるかなあ。

おわりに

後半に入り、そろそろ着地地点が見えてきそうな本作。

しかし、面白さはまだまだとどまるところを知らないので、ぜひその結末をみんなで一緒に見ましょう。

もし未読の方がいたら、ぜひ本書を読んでみてください。

次巻はこちら。

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