『スーパーロボット大戦α』評価と感想!今に続くスパロボの根幹を作り上げたαシリーズ第一弾
αシリーズと呼ばれる王道シリーズかつ今なお続くスパロボシリーズの根幹を作り上げた本作。
戦闘スキップなんて今では当たり前ですが、本作で初めて導入されたことは当時かなり衝撃的でした。
さすがに2024年現在でプレイすると多少の古臭さはありますが、それでもプレイできてしまうところに、時代を経ても色あせない魅力を感じずにはいられません。
初心者からスパロボファンまで、誰にでもオススメできる作品で、本作が嫌いであれば、他のスパロボでもダメではと思うほど超王道作品です。
概要
発売日 | 2000年5月25日 |
対応機種 | プレイステーション |
シリーズ | αシリーズ ※次作:スーパーロボット大戦α外伝 |
ストーリー | |
参戦作品 | |
難易度 | |
テンポ | |
オススメ度 |
あらすじ
新西歴179年。
地球連邦政府とジオン公国との間に起きた一年戦争末期、L5宙域に突如出現した巨大な物体が、双方の宇宙艦隊の大半を巻き込みながら南太平洋・南アタリア島に落下しました。
ASS-1と名付けられた巨大な物体(のちにマクロスと判明)を調査したところ、地球外知的生命体の巨大宇宙戦艦であったこと、太陽外系で大規模な恒星間戦争が行われていたことが判明します。
人類に逃げ場なし。
のちにバルマー戦役と呼ばれる戦いが始まります。
評価
ストーリー:
文句なしで良いです。
マクロスシリーズが初参戦ということで物語の中心に据えられ、物語のスケールが今までにないほど大規模になります。
今では全宇宙、全次元などもはやイメージつかないくらいスケールがバグっていますが、それも本作が一つの壁をぶち壊してくれたからかなと思っています。
それから特定の作品が優遇されることはあまりなく、どの作品もピックアップされ、かつ他作品とクロスオーバーすることでその魅力がグンと増すように構成していたのも良かったです。
一つの作品にしても、前半機体⇒後半機体への乗り換え、追加武装などによるパワーアップなど段階を踏んで強くなっていくので、ステージを進める意欲に繋がっています。
そこにオリジナル作品を絡めてくるわけですが、これが前に出過ぎず、かといって空気になるようなこともなく、適度に絡んでくるのもオススメのポイントです。
クスハ、ブリットなどその後のスパロボに度々登場するオリジナルキャラが多数生まれた作品でもあるので、そこからの本作のストーリーが多くの人に支持されていることがうかがえると思います。
参戦作品:
今回の参戦作品は以下の通り。
※新規作品は赤字
超獣機神ダンクーガ | 新世紀エヴァンゲリオン | THE END OF EVANGELION |
機動戦士ガンダム | 機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争 | 機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY |
機動戦士Zガンダム | 機動戦士ガンダムZZ | 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア |
機動戦士ガンダムF91 | 機動戦士Vガンダム | 新機動戦士ガンダムW |
新機動戦士ガンダムW Endless Waltz | 無敵鋼人ダイターン3 | 聖戦士ダンバイン |
マジンガーZ | グレートマジンガー | 劇場版マジンガーシリーズ |
ゲッターロボ | ゲッターロボG | 真・ゲッターロボ(原作漫画版) |
超電磁ロボ コンバトラーV | 超電磁マシーン ボルテスⅤ | 勇者ライディーン |
トップをねらえ! | ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日 | 超時空要塞マクロス |
超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか | マクロスプラス | バンプレストオリジナル |
超機大戦SRX | 魔装機神 THE LOAD OF ELEMENTAL |
今回マクロスシリーズが新規で追加されたものの、新規自体はそう多くありません。
本作の参戦作品の良いところは、スパロボといえばこれ!という見本市のようなラインナップになっているところです。
常連作品はほぼ出揃っているので、本作をプレイしておけば、他のスパロボでこれ知っている!という親和性が生まれ、一から全部を覚える必要はなくなります。
逆をいえば、本作の参戦作品が気に入らなければ、もはやスパロボに向いていないのでは?となってしまうので、そういった意味でも万人にオススメできます。
またスパロボF完結編で初参戦したものの、キャラクター&機体だけの参戦になってしまった『トップをねらえ!』もしっかりストーリーに組み込まれているので、そのスケールの大きさはぜひ堪能してほしいです。
難易度:
はっきりいって、めちゃくちゃ簡単です。
初心者向けとしてこれほど適した作品はなかなかありません。
難易度が低い理由は、スパロボF/F完結編などバランスが崩壊していた作品で反省をして、その教訓を活かした結果といえます。
具体的な要因は以下の通り。
・露骨なニュータイプ、聖戦士の優遇が調整されたことで、どのキャラクター、機体を使っても
それなりに遊べるようになった
・スーパーロボットが軒並み強化され、ボス戦以外でもしっかり活躍できるようになった
・強力な精神コマンドが登場し、バランスブレイカーになってしまっている側面がある
※そのターンは回避不能になってしまうがダメージ4.5倍の「捨て身」、1ターンの間のダメージ
が1.5倍になる「激闘」など
・武器の距離補正により、長射程武器を近くで使用することで大ダメージを与えられるように
なった
まだまだ今後調整するべき点はありますが、前作までが劣悪な環境だったため、本作でようやく広いユーザーにオススメできる環境が揃ったといえます。
一方で、熟練度があるのでユーザー自身で難易度調整が可能なのですが、熟練度を集めたところで難易度はたかが知れており、従来からのファンからすると簡単すぎるという声もあります。
本作に関していえばキャラゲーという面で楽しみ、シミュレーションゲームならではのシビアさは求めない方が無難かなと思います。
テンポ:
戦闘シーンがスキップできるようになったので、それ以前と比べて大幅にテンポが良くなりました。
しかし、現在のスパロボと比べるとユニットの移動やロードなどが遅く、テンポが良いとはいえません。
許容範囲内ではありますが、気になる人は気になる。
はじめてのスパロボで、例えば社会人で時間がそこまでないのでサクサク進めたいという人は、スパロボV、X、Tなどよりシステムが洗練された作品の方が無難です。
オススメ度:
現在の基準から照らし合わせると、目につく不満も多くあります。
一方で、これ以降のスパロボの根幹を作った作品ということもあって、本作をプレイするだけで他のスパロボに移行しやすくなります。
もし様々なスパロボをプレイしたいという人であれば、本作はマストです。
一方で、スパロボの醍醐味であるストーリー性、他作品とのクロスオーバーに光るものがあるので、初心者でも候補に入れるだけの価値が間違いなくあります。
本作の特徴
戦闘アニメが進化
本作から、機体がぐりぐり動き出します。
それまでは機体は突っ立ったままで、ビームライフルが空間から出現して撃つだけなど、かなり簡略されたアニメーションでしたが、本作では違います。
モーションに合わせて機体の動きますし、被弾するとのけぞるなど自然な動作になっています。
戦闘シーンがOFFにできるようになったものの、見る価値のある戦闘アニメになった点はかなり大きいです。
原作へのリスペクト
それまでのスパロボは、スパロボという作品がありきで、そのために原作にはない行動・言動をキャラクターにさせることが多くありました。
原作ファンからすると怒り心頭もので、今では一転してネタになっているほどです。
その点、本作では原作に忠実になり、あのキャラクターがスパロボの世界にきたら、という想像がしっかり再現されています。
そうするとスパロボ自体が面白くなりますし、このキャラクターや機体が良いから原作を見てみよう、となった場合に、ギャップが少なくなるという利点もあります。
オリジナル主人公が良い
本作ではスーパー系/リアル系を選ぶだけでなく、八人の主人公(男性・女性四人ずつ)から一人を選択することができます。
主人公が決まると、その性格に合わせて恋人が一人決まるのですが、このペアは主にOGシリーズにも登場します。
本作でキャラクターが気に入ったという人は、彼らのさらに深りやりとりが見られるので、誰を選んでも損はありません。
特にクスハ、ブリットはαシリーズで引き続き主人公を務めるので、ここで選んでおくと、次作にも繋がりやすいかもしれません。
ちなみに組み合わせは以下の通り。
ブルックリン・ラックフィールド ⇔ クスハ・ミズハ |
リョウト・ヒカワ ⇔ リオ・メイロン |
ユウキ・ジェグナン ⇔ リルカーラ・ボーグナイン |
タスク・シングウジ ⇔ レオナ・ガーシュタイン |
感想
王道がやっぱり楽しい
スパロボは年々多様性を増していて、様々な角度から楽しめるようになってきました。
しかし、それも王道が面白いからこそ生まれたのでは?と本作をプレイする度に思います。
キャラものとして難易度は低めに設定し、自分の好きなキャラや機体を好きに活躍させることができる。
原作のストーリーを一つにまとめあげ、違和感のない形で整えた秀逸な構成。
話の規模が大きすぎず、小さすぎず、等身大の気持ちでハラハラドキドキできる。
ここまであらゆる要素でレベルの高いスパロボは稀有で、間違いなく自信を持ってオススメできる一作です。
ドラマがある
それまではとってつけたような設定だったため、何かあるとすぐに違和感を抱き、ストーリーに没頭できませんでした。
僕は旧シリーズを小学生時代に経験したので、当時はあまり何も思っていなかったのですが、今読み返すと、違和感の塊です。
その点、本作ではストーリーから会話に至るまで綿密に作り込まれていて、どのステージにおいてもドラマがあります。
熱いものあり、シリアスあり、感動あり。
それを支えるBGMも秀逸なものが多く、時間が経っても耳に残っているものが多いなという印象です。
おわりに
色あせない王道「αシリーズ」の第一作目として、スパロボの代表作といえる本作です。
あらゆる人にオススメできる作品ですが、唯一難点をあげるとすると、プレイできるハードがプレイステーションなので、ハードを買ってまでやるべきか?と悩まれるかもしれません。
2024年現在、すでにダウンロードの配信も終了しているため、またプレイステーションでプレイできるスパロボはそこまで多くないため、スパロボをコンプリートしようという気概がなければ、無理してプレイする必要はありません。
それでも興味があるという人は、プレイして絶対に後悔しない内容、クオリティなので、ぜひお楽しみください。
次作はこちら。