ゲーム
PR

『ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団』あらすじとネタバレ感想!

harutoautumn
記事内に商品プロモーションを含む場合があります
  • 不可思議を探す――愛と勇気の冒険譚。
  • “謎に満ちた、地下迷宮を攻略する”プレイヤーは、魔女“マダム・マルタ”が所有する“降霊灯(こうれいとう)”に宿った魂として、彼女の命に従い、前人未到の地下迷宮の攻略へと乗り出します。
  • 魔法の力で生まれし彼等と、奇妙なランタンこと“降霊灯”からなる特異な集団……“魔女ノ旅団”が迷宮に挑む時、“奇品(きひん)”探しの摩訶不思議な冒険が幕を開けます。
Amazon商品ページより

日本一ソフトウェアが送る名作であり迷作である『ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団』。

前作の『ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団』同様、名作ではあるのですが、前作と違い、気軽にプレイするには色々とハードルが高すぎる作品になっています。

そのためプレイから時間が経ち、ストーリーってどんな感じだったっけ?と思いつつも、再プレイはちょっと……と尻ごんだことだ何度もありました。

リプレイ機能でストーリーを見れば済む話ではありますが、それもかなり膨大で手間ではあります。

そこで備忘録も兼ねて『ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団』のあらすじをネタバレありで書きます。

ちなみにゲームの内容だけでは分からない設定も多くあるため、以下の公式ガイドブックも参照しています。

一応未プレイの方ようにネタバレを極力避けた感想も書いているので、ネタバレは避けたい方は目次から感想に直接飛んでください。

スポンサードリンク

あらすじ

ストーリーは時系列順に記載し、必要があれば後で補足するスタイルをとっています。

ユリィカ編

始まり

どこかの貴族である金髪の少女・ユリィカがガレリア宮を訪れるところから物語は始まります。

ガレリア宮は、噂では誰も住んでいないとか、夜になると物の怪の類がウロついているといわれるいわくつきの場所。

しかし、ユリィカは働くためにここを訪れました。

失せ物探しを求める依頼状を目にし、ペンデュラムを使った失せ物探しが得意なユリィカは自分にぴったりだと考えたわけです。

着いて早々、目つきの悪い子ども(=ペリコ)に手を嚙まれます。

ペリコはこの後登場するオババ様の孫で、伯爵に見つからないよう、普段は隠れているよう指示していることが明かされます。

ペリコがいなくなると、一人の老婆がユリィカを迎えます。

老婆はマルタと名乗り、自分もガレリア宮の伯爵に雇われている魔女だといいます。

※この記事では以降、ユリィカの呼び方である『オババ様』に統一します。

オババ様はガレリア宮の中央に位置するギャラリーにユリィカを案内して、早速伯爵に雇ってもらうための試験のようなことをしてほしいと依頼するのでした。

仕事

オババ様は降霊灯よ呼ばれるランタンを取り出すと、この部屋にいるであろう『彷徨える魂』を探してほしいとユリィカにいいます。

ユリィカは苦戦しながらもなんとか彷徨える魂を見つけると、オババ様はそれを降霊灯にいれてしまいます。

彷徨える魂にはプレイヤーのつけた任意の名前がありますが、作中では声に出して呼ぶことができないため、登場人物たちは彷徨える魂のことを『コーレイトウ』と呼ぶようになります。

そして、ここからがユリィカの仕事です。

ガレリア宮には前人未到の地下迷宮があり、美術品が数え切れないほど収蔵されていて、しかもただの美術品ではなく、『奇品』と呼ばれる奇妙なものでした。

作者不詳、出所不明、持ち主は呪われるという噂ですが、伯爵はその奇品を求めて様々な人を雇い、その度に回収に失敗してきました。

問題となるのは、地下迷宮への出入りです。

地下迷宮は強力な結界で守られていて割ることができず、唯一の入口はガレリア宮にあるワードローブだけ。

このワードローブ自体がそもそも奇品で、地上と地下迷宮を繋ぐ唯一無二の魔法の扉ですが、生きた人間が入ると出てくる際、肉塊になってしまうことから『人喰みのワードローブ』と呼ばれています。

そこで地下迷宮を探索するのはコーレイトウで、ユリィカは地上から彼の様子を観察し、必要に応じてバックアップすることが仕事となります。

地下には魔獣がいますが、それには人形兵という存在で立ち向かいます。

プレイヤーは自分の好きな人形兵を作成し、地下迷宮を探索して奇品を見つけることが当面の目的となります。

またコーレイトウが探索を進める度に躓きますが、その都度オババ様が新たな能力を付与してくれるので、それによって次のステージに進める、ということを繰り返すことになります。

奇品について

地下迷宮には三十五個の奇品が収蔵されています。

中でも際立ってマナや思いが込められた奇品があり、作中ではこれを『特異性奇品』と呼び、全部で九つあることが後に入手する目録によって判明します。

ちなみにこの目録やワードローブ自体が特異性奇品で、九つの一覧は以下の通りです。

  • テストラント
  • 古代エスト硬貨
  • ガラヤのネジ
  • スーヤの手鏡
  • 千里眼のメダリオン
  • 賢者の古書
  • メルカッツァの壺
  • 人喰いのワードローブ
  • 奇品奇怪目録

ガレリア宮について

ガレリア宮は元々貴族の夜会用に三百年ほど前に建てられ、辺境の地だったためすぐに廃れてしまいますが、それをガレリア公が買い取ります。

ガレリア公には独特の審美眼があり、世界中から風変わりな美術品を蒐集していました。

詳しくは後述。

その中でガレリア公は奇品集めにのめり込んでいき、それに合わせて奇品を狙う人たちも現れました。

何としても奇品を守りたいガレリア公は、悪魔と契約して自らの魂と引き換えに悪魔の手を借り、地下を巨大な迷宮にして、そこに奇品を隠してしまったのでした。

そしてガレリア公はその悪魔すらこの地下迷宮に隠し、悪魔が今もなお地下迷宮を拡張しているというわけです。

これは伯爵によって語られる噂ですが、本当のところは後に別の人物たちから語られることになります。

脇役について

話を進める中で、物語の本筋にはあまり絡んできませんが、よく登場する人物たちがいます。

例えば近所に住んでいると思われるパッチとロマールという少年たち。

パッチは典型的な悪ガキだけど心根は良いタイプで、ロマールは気弱だけど優しいタイプです。

パッチは家族を失っており、トバに拾われて一緒に暮らしています。

ロマールは一緒に暮らしているわけではなく、いつもどこかに消え、翌日になるとどこからか現れるという不思議な少年です。

実はロマールはパッチが生み出したイマジナリーフレンドで、彼とユリィカ(後述する能力を持っているから)にしか見えていないことが後に判明します。

それから近くの農園に住むカヤックという男性。

何か足りなくなると、なにかとこのカヤックを頼ることになりますが、どうも怪しさが目立ちます。

話しぶりからしてトバと夫婦関係にあるように見えますがそういうわけではなく、優しい風貌ですが、裏ではトバと共に屋敷のものを盗むなど抜け目のない一面もあり、終盤になるまで油断ならない人物のように思われます。

実はカヤックとトバには大きな秘密が隠されていて、それが後の物語で語られます。

それからある日、ガレリア宮をルヴァリエール妃とその侍女・ケイが訪れます。

ルヴァリエール妃は王位継承権争いのためや自身の美しさについて悩みを抱えており、解決のために奇品を集めている伯爵の元を訪れたのでした。

伯爵はオババ様にルヴァリエール妃の悩みを解決させることで、奇品捜索のための援助をルヴァリエール妃から受ける話をまとめます。

もう一人の主人公

ある日、ユリィカは自室の屋根裏にナチルという少女が隠れ住んでいることを知ります。

ナチルはいつもローブのフードを目深にかぶり、気だるげで批判的。

素直だけれどちょっと頭の弱いユリィカのことをいつも馬鹿にします。

事実、ユリィカは対応に困るといつも愛想笑いをして誤魔化そうとするし、親への仕送りもそれと分かるように送っているため途中で盗まれてしまうし、あまりにも要領が悪すぎます。

ただ、これにはユリィカの家庭環境が大きく影響しているため、一概に彼女を責めることはできません。

またナチルにもまた直さないといけない面があり、物語が進むごとに二人が対になっているような描かれ方をします。

正反対な二人ですが、同年代ということでユリィカから積極的に交流を持つようになり、文句をいいつつもナチルもまた彼女を受け入れるようになります。

ユリィカ編後半になると、オババ様に代わってナチルが魔女役を務めるようになり、その存在感を増します。

そもそもなぜナチルは屋根裏にいたのか。

彼女が時折誰かのことを独り言で話していますが、目的は何なのかは後述します。

立ち入り禁止の場所

ガレリア宮には立ち入ってはいけないと伯爵から言われている場所があり、その一つが北東の納屋です。

ある日の夜、ナチルは伯爵がいないことをいいことに納屋の鍵を開けて侵入し、その場にはユリィカもいました。

ナチルは嬉々とした様子で中に入りますが、すぐに逃げ出してしまいます。

ユリィカが追いかけて聞くと、ナチルは納屋の中で伯爵を見たのだといいます。

なぜ伯爵が夜中にそんな場所にいたのか。

考えていると足元が近づいてきて、ユリィカの部屋のドアをものすごい勢いで開けようとする音が響きます。

幸い、何者かは途中で諦めて立ち去り、後日この件で伯爵に怒られることもありませんでしたが、ガレリア宮が尋常でない場所であることが二人の間で印象づけられます。

なぜ伯爵が納屋にいたのかというと、彼は実は人形で、2体いたからです

1体が表に出ている間、もう1体は納屋で休んでおり、動いている人形がもう1体をメンテナンスすることで保っていました。

マナがある範囲でした動けないため、伯爵はガレリア宮から出られず、外出していたと思われていた時間はいつも納屋にいたことになります。

伯爵が人形であることは中盤頃に明かされます。

記者

ある日、日刊カルチエ新聞の記者・トマースがガレリア宮を訪れます。

彼の目的はガレリア宮の噂を取材することで、物腰が柔らかいものの自分の都合を押し付ける身勝手さがあり、油断ならない印象を与えてきます。

取材の中でトマースはケイと恋仲になり、彼女はトマースの子どもを身ごもることになります。

これ自体はおめでたいことなのですが、ユリィカ編の最後でトマースには妻と子どもがいることが判明し、不倫であることが分かります。

そして、トマースの犯した罪はこれだけではありませんでした。

里帰り

ユリィカは仕送りしたお金が途中で盗まれていたことを知り、直接実家のあるソレイユに持っていくことにします。

ナチルははじめ同行するつもりはありませんでしたが、次第にユリィカを可哀想に思うようになり、根負けして同行してくれます。

ソレイユは一年中マーガレットが咲き誇る長閑な場所で、ここでユリィカの過去が色々と明かされます。

ユリィカの本名はマーガレットといい、過去に両親が離婚して今は父親と二人でソレイユで暮らしていました。

父親はプライドが高く、音楽で名声を得ようとするもうまくいかず、その夢を自分の息子と娘(ユリィカ)に託すようになります。

日々ピアノの厳しいレッスンをして、息子の方は才能がありましたが、ユリィカには残念ながら才能がありませんでした。

このやりすぎな指導は夫婦関係を悪化させ、ついには離婚することになります。

しかし、実は離婚の理由は母親の不倫で、それを見つけたのがユリィカの失せ物探しの能力でした。

それゆえに父親はユリィカの能力を嫌っています。

本来であればユリィカも母親についていくはずでしたが、優しい彼女は父親を悲しませないようにとソレイユに残ることを選択します。

父親は残されたユリィカを全否定するように接し、ユリィカはどんなに悲しくても愛想笑いでやり過ごします。

彼女の今の性格は、こういった複雑な家庭環境であることが判明し、ナチルは今までの彼女への態度を改めるようになり、二人の距離が少しだけ縮みます。

革命

コウレイトウはついに全ての特異性奇品を集めることに成功しますが、それと同時にオババ様が倒れてしまいます。

戻ったユリィカとナチルは、コウレイトウが最後につまづいている迷宮の解決に乗り出しますが、それは通常の方法ではかなりの時間を有する問題でした。

そこでユリィカは、ナチルの反対を押し切って特異性奇品の一つである『賢者の古書』に触れて類まれなる知性を手に入れます。

迷宮の問題はこれで解決しますが、知性を得たユリィカとナチルの間には亀裂が走り、ユリィカはナチルの忠告を無視して『ガラヤのネジ』をトマースに貸してしまいます。

トマースは両親の本音を聞くためだといっていましたが、これは当然嘘で、ユリィカのこの行動によって王都で革命が起きてしまいます。

暴徒と化した市民は、貴族がいるこのガレリア宮にもやってきます。

この時点で伯爵とペリコが人形であることが判明し、おまけにオババ様は姿を消していました。

最悪の結末

コウレイトウが迷宮探索から戻ってきますが、時間がないユリィカとナチルはコウレイトウ含め全てを捨てて逃げます。

ガレリア宮にいたケイとトバは市民に乱暴され、ケイはこの時流産します。

またトバが普通の人間でないことが描写から読み取れますが、彼女の正体は後述します。

ユリィカとナチルは廃教会に隠れていて、ユリィカが水を汲みに行く途中でカヤックと遭遇。

彼は食べ物を分けてくれるといって自宅に連れていきますが、そこにはケイがいました。

自宅の奥に下がったカヤックとケイの争う音が聞こえ、不穏な空気が流れますが、なぜこのような状況になったのかは終盤になって明かされます。

その夜中、真っ赤な目をした伯爵に遭遇するイベントが発生した後、ユリィカとナチルは同じ夢を見ます。

目覚めたユリィカはいけないと一人で飛び出していき、ナチルがその後を追うと、首を吊ったケイを見付けます。

続いて爆風が起こり、ユリィカはナチルを庇って深い傷を負います。

さらに襲いかかってくる市民に対し、ナチルはユリィカを置いて逃げるしかありませんでした。

ここでエンドロールが流れ、最後にユリィカが首を吊っているシーンで終わります。

通常であればこのバッドエンドで終わりですが、ゲーム中で条件を満たすと貸していたガラヤのネジを取り戻すことができ、まだ希望が残されていることがオババ様の発言から分かります。

全てを見通したかのようなオババ様は、一体何者なのか。

最後にこの世界が『アルムーン』と呼ばれることが判明し、全く世界の異なるナチル編が始まります。

ナチル編

ナチル編では世界観が異なるだけでなく、ここまで育ててきた人形兵も使用できないため、物語をもう一度はじめから始めるような感覚を味わうことができます。

世界観

この世界ではTO(ターンオーバー)という現象が起きていて、非常に不安定な状態でした。

これは世界を修復するための現象で、年々増加しつつも、選ばれし魔女たちの働きによってなんとか食い止めています。

それでもTOに伴う灰化現象というものは止まらず、世界の人口は六割も減少していました。

終焉に向かってゆっくりと進む世界。

ユリィカ編に比べると未来感があり、ここではナチルが主人公となります。

ナチルについて

ここでのナチルは母親と二人暮らしで、祖父の遺した『ガレリア雑貨店』を営んでいました。

ガレリア雑貨店はガレリア宮と全く同じ場所にあり、これが大きな意味を持っています。

ガレリア雑貨店はほとんどお客が来ない状態。おまけにナチルは幼い頃にTOの灰を飲み込んだことで灰化現象に犯されていて、治療のために多額のお金が必要でした。

母親は女手一つで働きますが、器量があまり良くなく、見た目もはっきりいって悪い。

それによって働ける仕事も限られていて、母親の顔のせいでナチルはいじめられていて、現在は不登校でした。

おまけに母親とは似ない整った顔、大きな胸で周囲からいやらしい目で見られることも多くあり、いくつも傷を負っている状態でした。

転機

ある日、ガレリア雑貨店にフードを被った女性が訪れます。

女性はツッツィーリア(ツェツィ)と名乗り、富豪相手の骨董商をしていました。

ツェツィはお店にある物の中でマナの込められた物を見抜き、多額のお金を買い取り、もっとマナを含んだものであればその何倍ものお金を支払ってもいいとまで言います。

舞い上がったナチルは、ツェツィのためにこの世界における奇品を集めるようになります。

もう一つのワードローブ

ナチルの家には魔法書があり、彼女はこれをポルさんの魔法書と呼ぶようになります。

そこには通常の魔女が使える魔法とは比べものにならないほど高度なものが書かれていて、それによってナチルは誰にも習わずに高度な魔法を使うことができました。

ちなみにこの世界で一般人の魔法使用は違法行為であり、母親は魔女や魔法を嫌っているため、完全に内緒で行っています。

まずナチルは持っている降霊灯に彷徨える魂を呼び出すと、ユリィカ編同様に人形兵を作成し、ガレリア雑貨店にあるワードローブに向かいます。

ワードローブは、ガレリア雑貨店や彼女の家があるアパルトマンの裏世界に入ることができ、そこにマナを秘めた品物が収蔵されていることが予想できていました。

これまでも何度も探索を試しましたが、人形兵は壊れて戻ってきてしまい、かといってナチルがワードローブの中に入ることは危険そうである。

そこでナチルはコウレイトウに人形兵の指揮を依頼し、ツェツィの求める奇品を集めさせることにしました。

結果として、思惑通りに奇品が集まり、ナチルのもとに大金が舞い込みます。

この調子で稼げれば、アパルトマンを買い戻し、母親を働かせずに済むかもしれない。

ナチルは母親に反発してばかりですが、一方で母親のことを大切に思っているところがうかがえます。

連行

ある日、外出したナチルは幼馴染のマルクと久しぶりに会います。

彼自身はナチルに対して何の偏見も抱いていない好青年ですが、彼の友人がナチルの母親を悪く言い、それがきっかけでナチルは魔法を使おうとします。

その現場をムーンソサエティに所属する不死身の魔女・キットカット(キット)に見つかり、転移呪文で強制的に連行されます。

そこには巫女のウールーがいました。

年齢はナチルより下に見えるものの、なぜかユリィカとよく似ています。

ウールーはナチルの魔法行使に目をつむる代わりに、ソサエティに入会してこの世界『アルステラ』を守るよう命じます。

ナチルは反発しますが、拒否すれば明日から牢獄行きです。

ナチルは猶予をもらって考えていると、ガレリア雑貨店をツェツィに事情を話すことになります。

するとツェツィの知り合いからソサエティに口利きできるといい、彼女のおかげもあって結局は母親に内緒でソサエティに入会します。

ムーンソサエティ

ソサエティは一般人がたどり着けない場所にあり、その頂点にはルーナタールと呼ばれる九人の魔女がいました。

  • 戯曲のジルルダ
  • 金匙のミラージ
  • 血溜りのスカーレット
  • 粘菌のラン
  • 赤葉のドリス
  • 珊瑚のコーラルサリィ
  • 白雷のクラリスティア(クラリス)
  • 錆釘のネリル(ネリ)
  • 不死身のキットカット

ナチルは魔法の基礎を学ぶために師匠をとる必要があり、通常であればソサエティに連れてきたキットがなるはずです。

しかし彼女はそれを拒否し、そこにクラリスが現れます。

クラリスはルーナタールの中でも最強と言われ、不遜な態度を取りますが、ソサエティの魔女としての使命を全うする責任感の強い魔女です。

彼女はナチルがソサエティに入会するにはレベルが低すぎると判断しますが、ナチルをソサエティに迎え入れたのはウールーの予言があったから。

ならばとクラリスはナチルに電撃を喰らわせようとしますが、なぜか電撃はナチルを通り過ぎてクラリスに当たります。

これには誰もが驚き、クラリスはナチルに何かがあることを認め、彼女を弟子にすることを決めます。

ちなみにクラリスが弟子をとるのは初めてのことであり、どれだけ異例のことであるかが分かります。

こうしてナチルは、クラリスにより厳しい特訓を受けることになったのでした。

クラリスからマスコミ対応のためにルーナタールの魔女を一名要請され、ドリスが現場に向かいますが、これは罠でした。

相手はウールーの居場所を探していて、そのために情報を持っていると思われるルーナタールを呼び出したのでした。

キットはドリスの代わりに人質になりますが、長時間かかると彼女の命に関わります。

ナチルはクラリスを呼び出す方法を見つけて呼び出すと、彼女と連携してこの事態を乗り越えます。

緊迫感のある状況に変わりませんが、ナチルがソサエティでの関係を深める一件ともなりました。

双子世界

ナチルは具合の悪い母親の様子を気にしていると、彼女が灰化現象に犯されていることを知ります。

不安な中、ソサエティからは双子世界であるアルムーンに行ってほしいと依頼されます。

理由は陽の巫女であるウールーの予言であり、現地では人と極力接せず何もしないというもの。

無事完遂すればTOは止まるのだといいます。

分からないことが多いものの、ナチルはアルムーンへの向かうのでした。

ここでユーザーは一瞬、ユリィカ編に繋がるのだと勘違いしそうになりますが、実はユリィカ編とはまた違う世界になっていて、それは後述します。

オババ様がいないこと、ユリィカが冒頭から伯爵の厳しい指導にあうなど、相違点にはすぐに気が付くと思います。

忘却

アルムーンでの日々を過ごし、ナチルはキットの指示により三日後にアルステラに戻ることになります。

しかし、いつどうやって元の世界に戻るのかは分からない状況です。

そんな中で、ユリィカ編と同様、トマースが原因となって革命が起こります。

ユリィカはウールーと同一人物であり、陽の魔女の力によって未来を知り、自分にしかできないことのために行動します。

これがユリィカ編で首を吊った彼女に繋がります。

またナチルは特異性奇品を求める鳥人間に襲われますが、彼女がツェツィであることを認識し、世界を守るために彼女と戦い勝利します。

ユリィカの死体を見つけてからアルステラに戻ることができましたが、直後にツェツィの魔法によって記憶を消され、これまでのことを忘れてしまうのでした。

再会

目的を忘れてしまったナチルですが、彼女を見つけたペリコの頭突きによってなんとか記憶の一部を取り戻します。

直後にクラリスがガレリア雑貨店を訪れ、知っている人間でも疑うこと、そして物の価値を多面的に判断することを命令します。

この時点でナチルがアルステラを旅立った時とは状況が大きく異なり、TOの停止、仲間の魔女すら疑わなければならない事態など、かなり緊迫していることが分かります。

裏切者

ジルルダが迎えにきて、久しぶりにソサエティに向かうナチル。

ソサエティでは内部情報が漏れていることが問題になっていて、ルーナタールの魔女が殺害されウールーとも連絡がつかない状態です。

ここでナチルがアルムーンに旅立ってから約二年が経過していたことが判明。

アルムーンでナチルはキットと連絡を取っていましたが、これは彼女の単独行動であり、ソサエティは把握していませんでした。

現在、キットと連絡が取れないことから、ソサエティは彼女が裏切者ではないかと疑っています。

そして、一連の犯行はソサエティに憎しみを持つ者が行ったとして、ソサエティでは首謀者をゴズという男だと睨んでいました。

ゴズはナチルより前にアルムーンに旅立った人物で、あらゆる犯罪を犯した重罪人。

彼には死の予言が出ていましたが、ソサエティはこの任務を達成することが出来れば恩赦と再予言による死の回避を与えるとして彼を計画に組み込みますが、結局アルムーンから戻ってきませんでした。

ちなみにゴズは世界を飛び回ることのできる世界樹の一族で、男でありながら魔法を使える稀有な存在です。

そして、ここでナチルはもうアルステラが存在しないことを知らされます。

双子世界は存在するために均衡を保つ必要があり、アルムーンの奇品を釣り合わせるためにアパルトマンの裏世界が存在しているのでした。

ナチルはゴズに狙われている可能性があるため何もしないよう命じられますが、自宅に戻ったナチルは屋根裏で隠しておいた千里眼のメダリオンを見つけます。

隠した記憶はありませんが、そうする必要があったのだと推測し、ナチルは多面的に考えて誰も信じず、自分だけを信じることを決めます。

ナチルはコウレイトウに依頼し、千里眼のメダリオンをアパルトマンの裏世界の一番奥に隠すのでした。

来襲

ガレリア雑貨店にネリがやってきたと思うと、敵が来るといって隠れます。

来たのはゴズであり、ナチルは彼が奇品によってロバから人間に変わったクゥだとすでに知っていました。

クラリスも現れて戦闘になりますが、ゴズが麻袋を取り出すとそこにはネリの子どもの首が入っていて、それでネリが激昂した隙を逃さずゴズは彼女を殺害。

さらにクラリスとの一対一になりますが、これはクラリスがゴズを圧倒し、勝負は決したように思えました。

しかし、ここでツェツィが現れてクラリスに忘却の魔法をかけ、隙が生まれたクラリスはゴズによって殺害されてしまいます。

残されたナチルは、ツェツィから何度も記憶を消されていたこと、彼女が特異性奇品を集めていたのは失った力を取り戻したかったからなど聞かされ、殴られて気を失います。

ゴズはガレリア雑貨店を探しますが千里眼のメダリオンは見つからず、ツェツィは諦めて立ち去り、残ったゴズはナチルを犯そうとします。

しかし、そこで巨大な影がゴズに襲い掛かり、対抗するゴズは魔法を使ってガレリア雑貨店が燃えます。

扉も開かず絶体絶命かと思われましたが、巨大な影はナチルとペリコを連れてワードローブに飛び込みました。

反撃

飛び込んだ先はホテルの一室で、キッドとウールーがいました。

ここは巫女の間と呼ばれ、ごく一部の人間しか場所を知りません。

キットたちがソサエティを助けずに隠れていたのには理由があり、それは内通者の目をかいくぐり全滅を避けるためでした。

ウールーは、ナチルの話からゴズが首謀者ではないことを見抜きますが、ツェツィについては全く知りませんでした。

そして、事態はさらに深刻です。

アパルトマン消滅後、TOが再開し、以前よりも悪化していました。

今出来ることは、ツェツィが奇品を求める理由は分からないけれども、敵よりも早く奇品を手に入れることです。

幸い、ウールーの巫女の力によって、ワードローブがなくとも裏世界に入ることができます。

ツェツィの記憶

ツェツィもまた奇品を求めて裏世界に入りますが、そこでナチルとツェツィの過去の記憶が混在して提示されます。

ツェツィはある日、アルムーンに墜落するという形で登場します。

重傷を負った彼女を助けたのは若き芸術家・ビストで、ユリィカやナチルが会っていた伯爵の元の人物です。

ビストは廃教会を自らのアトリエとしていて、落下の衝撃で記憶を失ったツェツィは彼と一緒に暮らすことにしました。

やがてビストの作品が貴族の目にとまり、資金を援助してくれることになりますが、その人こそがガレリア宮を生み出したガレリア公です。

ガレリア公はビストとツェツィと共に食事をする中で、ツェツィが作った作品も観ますが、これはまさに奇品だとビストのこと以上に称賛してしまいます。

これがビストとツェツィの関係にひびを入れたきっかけとなりました。

またこの頃、ツェツィは妊娠をしていてお金が必要になりますが、ビストはお金稼ぎを目的にしてしまったがゆえにスランプに陥り、またツェツィが内緒で自分の作品を売ってそれをビストの作品が売れたと偽ることに不信感を抱き、ますますビストの闇が深まっていきます。

後にガレリア公がツェツィとの関係を匂わせるようなことをビストに吹き込んでいたことが明らかになります(そんな関係がなかったことはすぐに語られます)。

そんなある日、ビストとツェツィは湖にボートを浮かべて穏やかな時間を過ごしますが、ボートに穴が開いており、水が浸入してきて転覆しそうになります。

結果、ビストは溺死し、かろうじて助かったツェツィも流産してしまいました。

大切な子どもを失ったツェツィは復讐を決意。

ガレリア公の持つ35の奇品を守るためにガレリア宮を作り、最後にガレリア公を殺害して地下迷宮で生きられる姿に変え、記憶も消してしまいます。

復讐を遂げたツェツィですが、お腹に赤ちゃんがいた日々が戻ってくるわけではなく、その悲しみに耐えられないと判断した彼女は自らに忘却の魔法をかけ、自分を騙すのでした。

別れ

ナチルたちのもとにジルルダが現れます。

誰も知らないはずのここにやってこれた彼女こそが、内通者でした

キットはナチルを助けるために銃弾で傷を負い、ウールーはキットを助けるために予言をしようとしますが、キットに止められます。

予言をすると前の予言は無効になるという特性があり、今の予言はウールーたちが無数の予言の中でようやく掴んだわずかな希望。

これを崩してしまったら、アルステラに未来はありません。

ここでウールーの本当の名前がマーガレットで、ユリィカと同一人物であることが明かされます。

またキットは本当は魔女でも不死身でもなく、ウールーの予言によって死を回避してきただけだったのです。

そのため、ナチルとウールーを助けるために命を落としたキットはもう甦ることはありません。

キットはジルルダを巻き添えにすることに成功しますが、それは転写体に過ぎず、本物のジルルダは健在です。

ジルルダはツッツィと契約を結んでいて、彼女の計画に協力する代わりに、完璧な分身を生み出すための自己転写の秘術の知識をもらおうとしていました。

これは自己愛が強すぎるジルルダならではの考えです。

自分勝手な彼女に怒りを燃やすナチルは、現世で人形兵を顕現させてジルルダを撃退することに成功しますが、髪の一部が白くなってしまいます。

しかし、このジルルダさえも転写体で、絶体絶命かと思われましたが、ジルルダは指輪に込められていたミラージの魔法によってネズミに変えられ、あっけない最後を迎えるのでした。

最後にナチル編冒頭までの流れが語られます。

ソサエティと契約したゴズがアルムーンでツェツィと会いますが、彼女の魔法によって目的を達成しないままアルステラに帰ろうとして、ミラージの魔法によってロバに変えられてしまいます。

彼と同じく世界樹の一族であるツェツィは、同族のよしみとしてゴズの人間だった頃の記憶を忘れさせ、ロバとして生きる道を与えました。

ナチルが知っているクゥは彼のことを指します。

その後、ツェツィは自らの能力でアルステラに渡りますが、そこでジルルダに見つかって傷を負わされてしまい、計画達成のために彼女と協力することを選んだのでした。

復活

コウレイトウが最後の奇品を手に入れると同時に、ツェツィが現れます。

ツェツィがナチルに集めさせていた奇品。あれは正確には双子世界のバランスを保つために生み出された奇品擬きで、マナは同等でもそこにアニマは宿っていませんでした。

どうしても本物の特異性奇品が必要ですが、ツェツィには回収する術がない。

そのためにナチルを利用してアルステラから回収させたのでした。

ツェツィは連れてきたナチルの母親を盾に、最後の奇品を渡すよう迫りますが、ここでナチルの母親が本当の母親ではないこと、実は二年前にすでに亡くなっていて目の前にいるのはジルルダの作った転写体であることが明かされます。

奇品を渡せば母親にマナが供給されて今まで通りに暮らすことができますが、母親はナチルに正しい道を教え、最後には人形に戻ってしまうのでした。

取り乱したナチルは最後の奇品を渡して甦らせるよう頼みますが、それは力を取り戻したツェツィにも不可能なことでした。

願いも虚しく、ツェツィはせめてもと忘却の魔法でナチル、ウールーの記憶を消し去ってどこかに消えるのでした。

無期懲役

意識を取り戻したナチルは髪が完全に白髪になっており、今は橋の下で暮らしていました

ペリコのことも覚えていませんでしたが、しつこく付きまとう彼女を『リコ』と名付けて一緒にいるようになります。

空は真っ赤に染まり上がり、この現象は『不可』と呼ばれることが決まりました。

不可はTOの最終形態であり、世界に残された時間は百年とも試算されます。

そんな中で、ナチルは無意識で魔法を使って人を傷つけてしまい、そのせいで無期懲役として収容されてしまいます。

時間は流れ、世界が終わりを迎えようとするその時。

ナチルは特赦を与えられて、ようやく外に出てきてペリコと再会を果たします。

年をとったナチルの姿は、ユリィカ編のオババ様でした。

最後の戦い

それからさらに二十年が経過。

ナチルは見つかったユリィカの日記によって記憶を完全に取り戻します。

また彼女の近くにいた黒猫の正体は、死んだと思われていたキットで、今は記憶をなくしたウールーを守っていました。

キットはここでようやく知っていることを明かしてくれます。

世界が二つに分裂した時、生まれたのがユリィカでありウールーでした。

彼女たちは巫女であり陽の魔女であり、その存在によって不可を抑えていましたが、ユリィカが死亡し、ウールーが記憶を失って実質的に死んだことでどちらの世界でも不可が顕現してしまいました。

不可自体は不自然な双子世界を正すための自然の摂理であり、膨張した不可を倒すことは人間の手では不可能です。

しかし、あの日から姿を消してしまったツェツィはアルステラの終わりを待っているのではないのか、そこにこの状況を打開する術があるのではと考えます。

そこでナチルは、ユリィカの日記を見て気が付きます。

ウールーを経由してユリィカの日記を使えば、既に滅びたアルムーンではなく、仮初のアルムーンに飛べるのではないのかと。

この仮初のアルムーンこそが、ユリィカ編の世界であり、実は順番として『ナチル編⇒ユリィカ編』となっていることが明かされます。

またナチルはここで加齢に伴って命を落としますが、フォージーという魔女の転写の魔法によって甦ります。

しかし、フォージーの魔法は見様見真似であり、ナチルは記憶の一部を欠損してしまいます。

そのためアルムーンに向かった後、ガレリア宮で起こったことを忘れていることもあり、苦労していました。

その後、ユリィカ編の最後に繋がり、ユリィカが死亡したことで不可が顕現しようとしていましたが、これはナチルの計算通りでした。

いくら考えたところで不可の出現が止められないと分かったナチルは、不可を封じるための準備をしてきました。

絶望からの希望。

こうして最後の戦いが始まります。

準備

ナチルとコウレイトウはガレリア宮へと向かいます。

道中、ナチルが用意したピラーというものがあり、それを九つ破壊する必要があります。

ピラーには強い自己防衛の意思があり、ナチルを主人と認識できるほどの知能がないため、戦闘に勝利をしてからでないと破壊できません。

ピラーを破壊する中でナチルが仮初のアルムーンでしてきたことも同時に明かされ、ここでトバにはマルクの姉であるコーラルサリィが、カヤックにはマルクがそれぞれ憑依していたことが判明します。

コーラルサリィはその後、革命の時に自ら命を絶とうとしたケイにも憑依していました。

しかし相性が悪いためケイの意識が表層に出てしまうこともあり、その時は殴ってでも主導権を取り戻してほしいとマルクに依頼していました。

ユリィカが聞いた、カヤックとケイの争う声はこれでした。

そして、ユリィカが自殺した理由。

彼女は陽の魔女としての素質が目覚めつつあり、その千里眼によって未来を見通していました。

その未来を変えるためにケイに代わって自ら首を吊ったのでした。

ガレリア宮に辿り着くと、待っていたのはゴズでした。

世界樹の一族であれば一つの世界がダメでも他の世界に飛べば良さそうに思えますが、そう簡単にはいきません。

数多世界上位26環に辿り着く可能性はゼロに等しく、今回のように辿り着ける保証はどこにもありません。

また他の世界に移ったとしても、上位26環から派生した世界は抑止力によってどの道消滅する運命になります。

その抑止力とは今回でいうDTOであり、ルフランでいうオオガラスになります。

ここでナチルもまた世界樹の一族であることが判明します。

後々で彼女の本当の名前がポルカであることが明かされ、明言こそされていませんが、ルフランに登場するマズルカの娘ではないかと推測できます

ナチルは無事にゴズを撃破。

ゴズは現れたツェツィに助けを求めますが、逆に記憶を消されてクゥのようになってしまいます。

その後、ナチルもまた記憶を消されそうになりますが、死にかけのハンスの一撃で偽物だったツェツィは霧散。

同時にナチルの命も尽きようとしていました。

交代

死にかけのナチルを見つけたのは、若いナチルでした。

彼女はユリィカを失ったとしても、オババ様やペリコまでを見捨てては置けないと危険を承知で探していたのでした。

これは嬉しい誤算であり、ここで引継ぎが行われます。

若いナチルは奇品の効果で、オババ様の記憶を得て状況を把握します。

おまけにユリィカにはオババ様が飲むはずだったエリクシールがすでに摂取されているので、死んだと思われていたのが甦って現れます。(ルーナタールの魔女が年齢よりも若いのはエリクシールを飲んでいるから)

オババ様はここでリタイアとなり、ここからは若いナチル、ユリィカ、ペリコ、コウレイトウで不可に立ち向かうことになります。

内容とは関係ありませんが、ここでユリィカの底抜けの明るさが光っていて、その魅力に気づかされた瞬間でもありました。

奇跡

迷宮は複雑極まりなく、不可に辿り着くことすらできない状況でした。

そこで活路を開いたのがユリィカです。

千里眼の力でみんなを導き、その先でツェツィと対峙します。

対話の末、分かり合えないことを確認してから戦闘に入ります。

勝負はナチルたちの勝利となりますが、再びツェツィは記憶操作をしようとします。

その時、ナチルが取り出したのはこの世界で集めた奇品で、それによってツェツィは自らの魔法で消していた記憶を取り戻します。

ここでツェツィは思い違いにようやく気が付きます。

望んでいたことは子どものいる世界の創生ではなく、死者への絶えぬ思いだったのだと。

全てを取り戻したツェツィは、奇品の力や九つのピラーの力を借りて不可の強大な力を封じることに成功します。

最後はナチルたちが戦い、何とか不可を封じることに成功しました。

エンディング

不可を封じて赤ちゃんのような状態にまでになりますが、そのままにしておくわけにはいきません。

ツェツィは世界の外に運ぶことを決意し、ペリコがその後に続きます。

ペリコは、生まれてくるはずだったツェツィの子どもであることが推測できますが、明言はされていません。

一方、ナチルとユリィカは元の世界に戻れないほど遠くにいましたが、ナチルはユリィカを騙して彼女だけを元の世界に戻します。

ベストではないかもしれないけれど、幸せが望める世界に。

エクストラ

ここからは35の奇品を集めた場合だけに進めるおまけの部分です。

ユーザーは条件を満たすと、全3,652層にも及ぶグラン・カテラドルに挑戦することができます。

長い道のりの末、そこで待っていたのは自分の名前すらも忘れてしまったナチルでした。

ナチルは今のアルムーンを守るためにずっと戦っていましたが、ユリィカは彼女のいない世界を認めていませんでした。

ユリィカは彼女を取り戻すために戦い、勝利してナチルは自分を取り戻します。

そして、二人はアルムーンとアルステラを混ぜた上で、新たな世界を創造します。

そこには彼女たちの思いが込められていますが、残念ながらナチルが存在することはできませんでした。

それでもユリィカはナチルを探すといって旅に出ることにして、最後に笑顔の二人が並ぶ絵で終わりますが、このシーンは時系列的には過去の思い出であることが公式ガイドブックで言及されています。

美しい時間と、これからユリィカが旅立とうとする切ない瞬間。

ラストを締めくくるにふさわしいものでした。

感想

感想を書く前に、僕のプレイ状況を記載しておきます。

この記事を書くにあたり、二度目のクリア(エクストラ含めて)を果たしました。

プレイ時間は70時間程度で、魂移しを四回ほど行って最後まで問題なくいけました。

良かった点

練り込まれたストーリー

ルフランは最高のキャラクター、ストーリーで、唯一無二の感動を提供してくれました。

本作は既プレイのユーザーにもルフランの時と同じ感動を与えたいということで、そのコンセプトのもと制作されました。

同じことをやっては感動を与えられないけれど、どうしたら良いのか。

そんな難題を見事にはねのけた素晴らしい世界観で、物語が進めば進むほど引き込まれていきました。

ルフランほどキャラクターの第一印象がパッとしなかっただけに、一旦好きになるともう虜でした。

二部制

本作は一度壮絶なバッドエンドでユーザーを絶望のどん底に突き落とし、そこからまさかの振り出し。

しかも全く別の世界観。

この衝撃は、記憶を無くしてもう一度味わいたいくらいのものでした。

ファセットは一新され、それまでの知識や経験を用いてパーティーを再構成する。

最初はそれまでのパーティーはどうなったのか、など気になっていましたが、途中からはそれを忘れるくらいに第二部に夢中になっていました。

アパルトマンの音楽

第二部を盛り上げてくれたのはアパルトマンのダンジョンで流れる『Club Coven』というBGMでした。

100層以上に及ぶ長い道のりも、この曲のおかげで最後まで楽しんで進むことができました。

むしろ、聞きたくてダンジョンを隅々まで探検したくらいです。

改善点

ストーリーが説明不足

ストーリーが素晴らしいことは前述しましたが、完全かというとそうではありません。

一番の改善点は、その難解さでしょうか。

作中を会話や仕掛けをいくら見ても、込められた意味やメッセージが読めないことが多くありました。

それが公式ガイドブックを見て納得。

制作の都合で断念、省略する部分が出来てしまい、元から作品として不完全だったのです。

それゆえに作品で十分に説明されていなかったり、出演させられなかった要素を無理やり出演させたり、それはユーザーが混乱しても仕方ありません。

気になる方は少々値段が張りますが、公式ガイドブックを購入することをオススメします。

美しいイラストや作中で語られなかった制作秘話など、ファン必見の内容になっていて、値段以上の価値が間違いなくあります。

不完全でこれだけ素晴らしいのなら、完全体でもしリリース出来ていたら、どれだけ名作になっていたのだろうか。

おそらく完全版としてリリースすることは不可能なので、この思いは次回作に繋げたいと思います。

作業感が強すぎる

これがルフランとの一番の違いなのですが、とにかく作業感が強すぎる。

この一言に尽きます。

迷宮は探索で躓く⇒新たな能力を得る⇒奇品回収⇒ストーリーが進行の繰り返しで、迷宮もテイストが変わってもそこまで大きな変化はありません。

ボス戦があるわけでもないので、とにかく単調で、しかもユリィカ編はストーリー的な盛り上がりももう一つです。

これはナチル編に入るとある程度は改善されるのですが、エクストラに突入すると一気に悪化します。

苦行としか思えない作業の数々。

クリア後のおまけなのに、エクストラをクリアしないと物語としてスッキリしない。

これも制作の都合で本来の形とは違ってしまった結果なので、製作者の無念も考えると文句を言いにくいところではあります。

追加仕様が余計

本作では前作よりもシステムがブラッシュアップされていて快適になり、かつ新しいギミックも追加されています。

ところが、追加されたギミックがむしろ足を引っ張っていました。

具体的には『連れ去り』と『強制移動床』です。

前者は何の面白みもなく、ただただ煩わしいだけ。

後半になれば身代わり人形やスキルのおかげでほぼ無害化しますが、それまでのことを考えるとただのマイナス要素です。

後者は一応対策としてマギアアイゼンというスキルがありますが、それも絶対ではありません。

スキルレベルを最高に上げても絶対に回避できるわけではないので、場合によっては全滅することもあり得ます。

これは理不尽以外の何者でもありません。

何度クリアを断念しようかと思うほど、強烈な嫌がらせでした。

おわりに

スポンサードリンク
記事URLをコピーしました