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『あの家に暮らす四人の女』徹底ネタバレ解説!あらすじから結末まで!

harutoautumn
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ここは杉並の古びた洋館。父の行方を知らない刺繍作家の佐知と気ままな母・鶴代、佐知の友人の雪乃(毒舌)と多恵美(ダメ男に甘い)の四人が暮らす。ストーカー男の闖入に謎の老人・山田も馳せ参じ、今日も笑いと珍事に事欠かない牧田家。ゆるやかに流れる日々が、心に巣くった孤独をほぐす同居物語。織田作之助賞受賞作。

「BOOK」データベースより

『まほろ駅前多田便利軒』、『舟を編む』などで有名な三浦しをんさんの作品で、テレビドラマ化されました。

杉並にある古びた洋館に住む四人の女性の同居生活を描いた作品で、緩やかな流れの中に笑いあり、切なさありで、すぐその世界観の虜になってしまいました。

女性はもちろんのこと、男性でも楽しむことができる作品なので、気持ちをほぐしたいという方にはぴったりの作品です。

以下は本書に関する三浦さんへのインタビューです。

https://bookshorts.jp/miurasion/

この記事では、そんな本書の魅力をあらすじや個人的な感想を交えながら書いていきたいと思います。

ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

牧田家

東京都杉並区、JR阿佐ヶ谷駅から徒歩二十分はかかるところにある古い洋館。

この洋館は代々牧田家が継いできたもので、現在の所有者は七十歳近くの牧田鶴代。

そこに娘の佐知と二人で暮らし、同じ敷地内の離れには八十歳になった山田一郎が住んでいて、彼は居候とも使用人とも言えない、説明の難しい立場にありました。

また佐知が人違いをしたことをきっかけに谷山雪乃が一緒に住むようになり、さらに雪乃の会社の後輩である上野多恵美がストーカー化した元彼・本条宗一から逃れるために牧田家に転がり込み、こうして女四人での奇妙な共同生活が始まりました。

開かずの間

牧田家には『開かずの間』と呼ばれる部屋があり、四十年近く開かずの状態となっていました。

ある日、雪乃の部屋が雨漏りしてしまい、同居をして一年近く経ったこの時点でようやく山田は、雪乃と多恵美が同居していることを知ります。

山田が応急処置をしてくれますが、業者を呼んできちんと直すには時間がかかり、その間、雪乃は佐知の部屋で寝泊まりをします。

しかし雪乃は、在宅で刺繡教室の仕事をする佐知に迷惑をかけてはいけないと考え、部屋のリフォームが終わるまで開かずの間で寝泊まりすることを決めます。

雪乃は鍵穴にヘアピンや針金を差し込んで鍵を開けると、中は予想以上に埃まみれでした。

掃除のついでに、行方不明となっている佐知の父親、鶴代の夫の正体を突き止めようと意気込む雪乃ですが、箱の中から出てきたものに驚きます。

それはミイラでした。

雪乃は慌てて佐知と多恵美に声を掛けますが、誰もその正体を知らず、まさか佐知の父親のものなのではと考えてしまいます。

鶴代が帰ってくると、三人は事情を説明。

鶴代は驚きこそしませんが、なかなか事情を説明してくれません。

行方不明の父

ここでミイラの正体について語ってくれるのがカラスの善福丸です。

善福丸とは一匹のカラスのことではなく、時空を超えた『カラスそのもの』ともいうべき存在で、この地域のことであれば過去、現在、未来の全てを知っています。

その善福丸が語る鶴代とミイラについて。

当時、女性としては珍しく四年生の大学に進学し、そこで後の夫となる神田幸男と出会い、交際します。

鶴代が大学卒業後、幸男は婿入りを条件に鶴代との結婚を許され、牧田家で一緒に暮らし始めます。

結婚生活は最初こそうまくいっていましたが、鶴代の祖父が亡くなったことで抑えとなる存在がいなくなり、鶴代の父親と幸男は好き放題しだします。

その頃、幸男は骨董品蒐集にはまり、家を空けることもしばしば。

それでも鶴代は我慢していて、その一年後に佐知を身ごもり、出産します。

これを機に幸男も変わるのではと淡い希望を抱いていましたが、彼が変わることはなく、出産祝いとして出先から送ってきたのが開かずの間にあった河童のミイラでした。

これにはさすがの鶴代も我慢できなくなり、帰ってきた幸男に離婚を言い渡し、家から追い出します。

その後、夫婦の寝室として使われていた部屋は鍵をかけられ、以降開かずの間として今に至ります。

これまで幸男の生死は不明とされていましたが、後に離婚から七、八年後、亡くなっていたことが判明します。

また河童のミイラについて、幸男なりに娘のことを思って送ったことも後に判明します。

結局、開かずの間はそのままにすることになり、雪乃は変わらず佐知の部屋で寝泊まりすることに。

その夜、雪乃はふと、佐知の名前は父親の幸男から取ったんだねと口にし、それに対して佐知はありがとねと返し、お互いに満たされた気持ちで眠りにつくのでした。

不恋

雪乃の部屋をリフォームするためにやってきたのが、内装業者である梶とその甥でした。

梶は無口ですが端正な顔立ちで、しかも顔に似合わず刺繡に興味があり、佐知の恋心に一気に火がついてしまいます。

佐知は何とかしてお近づきになろうとしますが、梶が既婚であると梶の甥が言い、本人に告げる前に恋は終了。

後で雪乃からは、『失恋』ではなく『不恋』だと言われてしまいます。

しかし佐知は知りませんが、既婚というのは嘘です。

梶はお客から言い寄られることもしばしばあり、これでは仕事にとって好ましくないと考えた社長である梶の父親は、梶の甥に梶が既婚であると吹聴するよう指示していたのです。

梶はそのことを知りません。

こうして久しぶりの佐知の恋は、一日の内に生まれて消えるのでした。

盗っ人

多恵美の提案により、河童のミイラをガラスケースに入れてリビングに置くことになった牧田家。

河童のミイラは川太郎と命名され、最初は不気味がられましたが、いつの間にか牧田家に溶け込んでいました。

そんなある日、会社帰りだった雪乃と多恵美は、帰宅時を街路樹の陰で待ち伏せていた宗一にこちらから声を掛けて喫茶店に連行。

彼の出まかせを信じそうになる多恵美を雪乃が止め、二度と近づかないよう話をつけて一件落着となります。

その後、山田が夜、牧田家の表門をうろつく若い男を目撃。

その時、山田は熱を出していたため、佐知は幻覚だと信じていませんでしたが、出かけた際に一応警察に寄り、山田の目撃情報と多恵美のストーカー被害について話すと、パトロールを強化してもらえることになります。

翌日の夜、佐知は激しい雨と雷の音で目を覚ますと、急に不安になってリビングに降ります。

するとリビングと続いているダイニングに黒ずくめの男がいて、慌てた佐知は物音を立ててしまいます。

それで男は佐知の存在に気が付き、彼女の首もとに包丁を押し当てると、お金のありかを聞き出そうとします。

佐知は恐怖を覚えながらも、助けを呼ぶために叫ぼうかと覚悟を決める中、佐知の身を案じる人物がいました。

それは、今は亡き幸男です。

彼は死後、善福丸に懇願して牧田家がなくなるまで、この世に留まらせてもらえることになりました。

こうして魂になっても牧田家を見守ってきた幸男ですが、当然魂なので現世のものに物理的に干渉することはできません。

窮地に立たされた娘を救うためにどうするべきかと幸男が辺りを見渡すと、河童のミイラ・川太郎が目につきます。

これだと幸男は川太郎の体を乗っ取り、内側からガラスケースを破ります。

これには盗っ人だけではなく、佐知も驚き、思わず悲鳴を上げます。

当然の反応だろうと、落胆しながらも伸ばしていた手をおろそうとする幸男ですが、驚くことに今度は佐知が手を伸ばしてきたのです。

佐知はもしかして、と呟き、手は触れる寸前。

しかし、時間がきてしまい、川太郎の中にいられなくなった幸男は外に飛び出し、二人の手が交わることはありませんでした。

その後、佐知の悲鳴を聞きつけた三人が起きてきて、警察に通報。

パトロールを強化して周辺にいた警察官が駆け付け、盗っ人は無事に逮捕されたのでした。

盗っ人は河童が歩いたと証言しますが、もちろん警察は信じてくれません。

唯一、佐知だけは河童が動いたのは幻ではなかったのだと確信しますが、誰にも言うことはできません。

その代わりに、鶴代に『お父さんのこと好きだった?』とたずねます。

それに対して鶴代は、佐知が生まれて何にも替えがたい存在があることを知ったと前置きをした上で、今でも幸男のことは嫌いではないと言うのでした。

佐知はというと、この一件があったおかげで、何だかんだいって鶴代が幸男に出会ったこと、自分が生まれたことなど全部、『それでよかったんだ』と思えるようになったのでした。

結末

佐知は雪乃と二人で市民プールに行き、帰ると家の前で梶が待っていました。

近所の家で作業中で、盗っ人に入られた牧田家を心配して見に来たのだといいます。

佐知は心配いらないと遠慮がちですが、そこは雪乃が二人の間を持とうと強引に会話を盛り上げます。

すると、梶が独身であることがようやく判明し、雪乃が佐知の背中を押します。

佐知は机の引き出しにしまっていた『世界の壁飾り展』のチケットを梶に渡し、デートを申し込みます。

梶はそれを了承し、予定に目処が立ったら連絡するといって二人と別れます。

淡々としたリアクションに雪乃は不満そうですが、佐知からしたらこれは速すぎるくらいの前進であり、満足いく結果でした。

この日は四人で庭に出て焼肉をすることになり、肉をタレに漬け込む間に花火を楽しみます。

そんな彼女たちの様子を、善福丸は見ていました。

誰に気が付かれなくとも、牧田家に暮らす四人の女性を見守り続けるのでした。

おわりに

当たり前の中に幸せが詰まっている、そんな大切なことを四人の女性を通じて教えてくれる作品でした。

こんな人たちがどこかで暮らしているのだろうかと想像し、つい嬉しくなってしまいました。

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