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『サファイア』徹底ネタバレ解説!あらすじから結末まで!

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あなたの「恩」は、一度も忘れたことがなかった―「二十歳の誕生日プレゼントには、指輪が欲しいな」。わたしは恋人に人生初のおねだりをした…(「サファイア」より)。林田万砂子(五十歳・主婦)は子ども用歯磨き粉の「ムーンラビットイチゴ味」がいかに素晴らしいかを、わたしに得々と話し始めたが…(「真珠」より)。人間の摩訶不思議で切ない出逢いと別れを、己の罪悪と愛と夢を描いた傑作短篇集。

「BOOK」データベースより

湊かなえさんの短編集で、七つの宝石をモチーフにした七つの短編から構成されています。

湊さんの代名詞ともいうべき『イヤミス』というよりは、『世にも奇妙な物語』を観た後のような読了感が印象的でした。

着地地点が分からずに読み進めて行くと、けっこうホラーだったなとか。

もちろん希望が見えるスッキリしたお話もあるので、色々なテイストを楽しむことが出来ます。

『イヤミス』を期待しているのであれば、ちょっと物足りないと感じてしまうかもしれません。

ただ個人的にはぜひオススメしたい作品ですので、この記事では、あらすじや個人的な感想を交えながら本作の魅力を書いていきたいと思います。

ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

真珠

平井篤史は中学生時代、ムーンスター社の『マイルドフラワー』というシャンプーの匂いが印象的だった同級生の女子と知り合い、成人式の日に再会。

彼女と付き合うことになり、そこで使っているシャンプーの銘柄を教えてもらいます。

それから平井の人生は充実し、『マイルドフラワー』の素晴らしさを世間に広めたいと(株)ムーンスターに入社。

しかし、配属されたのはお客様相談室で、熱意を伝えるどころか客の理不尽なクレームに耳を傾ける毎日。

それでも彼女がいてくれたことでそれを乗り越え、後に結婚。

ところが、今度はムーンスターが経営破綻し、株式会社W&Bに吸収され、またしてもお客様相談室に配属されます。

そんなある日、お客様相談室に一本の電話があり、相手は日本中の注目を集める放火犯・林田万砂子。

今回の放火にはムーンスター製品が大きく関わっているため、お客様相談室の人間を呼んでほしいと依頼されます。

そこで白羽の矢が立ったのが平井。

彼は林田と面会し、彼女の事情を聞きます。

すると、聞かされたのは意外にもムーンスター製品への大きな感謝でした。

林田はムーンスター社の『ムーンラビットイチゴ味』を小さい頃から愛用し、そのおかげで人生が成功したのだという。

また話は彼女の短大時代のことになり、彼女は寮生活の中でM子と出会います。

大学生にも関わらずM子もまたムーンラビットイチゴ味を愛用していて、二人は意気投合。

体系など共通点も多くあり、二人は親友になりました。

しかし、M子は寮が火事にあい、そのまま帰らぬ人になったのだという。

ここまで話して、彼女が望むことはただ一つ。

それは販売中止になったムーンラビットイチゴ味を復活させてほしいというものだった。

しかし、一般人である自分がその素晴らしさを話したところで、誰にも伝わらない。

だから放火をして、全国の注目を集めた中でこの思いを伝えたかったのだという。

だが、平井はここまで林田の話を聞いて、違和感を感じていました。

彼女はムーンラビットイチゴ味のおかげでモテて、パティシエとしても成功したと話すが、彼女の顔は正直言って昔モテたとは言い難いものでした。

いくら香りの力があるとはいえ、自分の魅力を何倍にも高められるわけがありません。

平井はまだ彼女が話していない事情があるのだと察し、もしかしたら昔は本当に綺麗だったのではないかと考えます。

例えば、整形して今の顔にしたとか。

最初こそ林田は反論しますが、平井には確信がありました。

すると、観念したのか、林田は真実を語り出します。

彼女の本当の名前は倫子(みちこ)。

短大時代の親友・M子こそが万砂子であり、倫子が放火して殺害したのです。

倫子は母親からムーンラビットイチゴ味を卒業するよう強く言われていて、このままでは家では二度と使えない。

ならば、万砂子を殺害して、自分が万砂子になればこれからもムーンラビットイチゴ味を使える。

そのためなら不細工になっても構わないと倫子は本気で思っていました。

倫子が万砂子になるためには、本物の万砂子に倫子として死んでもらわないといけません。

そこで倫子は放火当日、万砂子の自分の服、自分の真珠のイヤリングをつけさせ、放火したのです。

倫子に罪悪感などなく、あるのはムーンラビットイチゴ味への欲求だけ。

平井は、彼女が公の場でムーンラビットについて語るのを阻止しなければなりません。

そして仮に阻止できたとしても、妻は大学時代に再会した時には倫子のように整形していました。

目の前の倫子を見て、整形した妻をこれからも愛し続けることができるのか。

平井はこれからの未来に静かに絶望するのでした。

ルビー

東京の出版社で働く女性が実家のある島に帰省したところから物語は始まります。

実家の窓からは老人福祉施設『かがやき』が見えます。

これまで交渉してきた先で全て断られ、ようやく建設の許可が下りた施設。

妹の話によると、『かがやき』の最上階からおーいおーいと声を掛けてくる老人がいて、ここの家族は彼のことを『おいちゃん』と呼んでいました。

最初は母親に話しかけてきて、母親がそれに応える内に父親、妹も順番に親しくなり、彼と話すことが日課になっていました。

三人は彼を自宅に招待しようと考えますが、施設の許可がおりず、逆に三人で施設にお邪魔して食事をし、最後に母親は赤い大きなブローチをもらいます。

女性は妹とそんな話をしている中、仕事用に用意していたネタとして『情熱の薔薇事件』について語り始めます。

昭和三十年代後半、鉄工場で莫大な財産を築き上げた『鉄将軍』の異名をとった男は、妻への愛情を示すために時価一億円相当のブローチをプレゼントしました。

しかし、妻はそれを愛情とは受け取らず、夫の秘書と関係を持ち、駆け落ちを決意します。

二人は夫が出張でいない隙を見計らって逃げようとしますが、駅のホームで鉄将軍と遭遇してしまいます。

二人を自宅に連れて帰った鉄将軍は問い詰めますが、こんなブローチを愛だと思えるあなたは愚かだと青年に言われて怒り、部屋に飾ってあった日本刀で二人に切りかかるのでした。

その後、鉄将軍は無期懲役、青年は行方不明で、ブローチは青年が持って逃げたのではないかと言われています。

妹は姉がおいちゃんを青年だと疑っているのではと考えますが、姉は逆に彼の前科を問います。

そう、『かがやき』は刑務所出所専用の老人ホームだったのです。

おのずとおいちゃん=鉄将軍という流れになり、それなら母親のもらったブローチは時価一億円相当のものになりますが、しかし、姉はこれを創作だと言って妹を驚かせます。

ここで話は終わりましたが、深夜、妹が突然、結婚することを報告してきます。

相手は、『かがやき』の職員である園田。

妹は、園田からおいちゃんの本名が『神蔵恩太郎』であることを教えられ、名前を調べてみると、『A市日本刀殺害事件』を知ったのでした。

そう、妹はすでに母親に贈られたブローチが高価なものなのではないかと予想していたのでした。

そして、姉もそのことを知りながら嘘の事件をでっち上げて妹の興味をブローチからそらそうとしましたが、それは妹も同じでした。

つまり、二人ともブローチを狙っているのです。

二人は同じことを考えていることを確認し、眠りにつくのでした。

ダイヤモンド

古谷治はお見合いパーティーで山城美和という女性と知り合い、交際に発展。

ゆくゆくは結婚まで考えていて、彼の人生は幸せの絶頂でした。

そんなある日、古谷はお店のドアにぶつかって意識を失ってしまった雀を保護。

雀はその内に意識を取り戻し、飛び去っていきます。

古谷は良いことをしたと思ったが、特に気にも留めませんでした。

するとその晩、治のアパートに昼間助けてもらった雀を名乗る十代~二十代前半の女性が訪れ、彼にお礼がしたいと持ち掛けてきます。

神様にお願いをして、一週間だけ、人間の姿に変身できるようにしてもらったのだという。

とても信じられるような話ではありませんでしたが、何かしら頼まないと帰ってくれないと思った古谷は、美和の一番欲しいものを調べるよう依頼します。

古谷はこの出来事を夢だと思っていましたが、その二日後、雀は同じ格好で彼のアパートを訪れ、美和の一番欲しいものは鈴木崇史という男性だと教えてくれます。

聞くと、どうやら美和はその鈴木と付き合っているようです。

信じられない古谷は、今度は美和の生活全般について調べてくるよう言います。

すると翌日、また雀は現れ、美和が栄養士の専門学校になど通っていないこと、本当は小さな食品会社の事務をしていて、鈴木はそこの親会社の課長であり、付き合って二年。おまけに鈴木には妻子がいることも教えてくれます。

つまり、美和にとって鈴木が本命であり、古谷と付き合っている理由はお金を巻き上げることだったのです。

しかし、古谷は鈴木に借金があり、美和は鈴木に脅されているのではないかと考え、雀に証拠の写真を撮ってくるようデジカメを渡します。

さらに翌日、雀は現れ、鈴木と美和のやりとりを動画で撮影してきました。

音声しかとれていませんでしたが、やはり鈴木には借金があり、それを美和が代わりに返済しようとしていたのです。

古谷はこの動画を持って、美和の家を訪れます。

家を教えていない美和は慌て、しかし平然を装って古谷を家の中に招きます。

古谷は雀から教えてもらったことを美和に伝え、彼女を助けたいのだと言います。

すると、美和は鈴木に脅されていたのだと言い、彼にすがります。もちろんこれも嘘ですが。

古谷は美和との関係を取り戻したと勘違いしていましたが、さらに翌日、雀が現れ、小型のレコーダーを古谷に渡します。

そこには鈴木と美和の会話が録音されていて、やはり古谷を二人してカモにしていたことが判明します。

これでさすがの古谷も美和の愛が偽物であることに気が付き、雀に最後のお願いとして美和に渡したダイヤモンドの指輪を取り返してほしいと依頼します。

翌朝、テレビで美和と鈴木が交通事故で亡くなったと報道されていました。

茫然とする古谷ですが、その時、ドアに何かがぶつかった音がして外に出ると、そこにはあの雀がいました。

そして、羽には古谷が取り返してほしいと依頼していたダイヤモンドの指輪がはめられています。

もしかしたら神様などではなく、命の引き換えに悪魔と契約して自分に恩返しをしようとしていたのではないか。

そう思うとやるせない気持ちになり、古谷はダイヤモンドの指輪を雀の左の羽にはめると、木の下に埋めたのでした。

一週間後、古谷は美和の事故の件で警察に重要参考人として呼び出されます。

美和の車のタイヤには破裂するよう細工がされていて、車には以前乗った時に落とした古谷の毛髪が残されていたため、彼が疑われているのです。

さらに、美和にストーカー行為をしていた証拠品として、デジカメやレコーダーも押収されているのです。

そのわけを話すには雀のことを話さなければならないが、果たして信じてもらえるだろうか、古谷は胸の中で雀に問いかけるのでした。

猫目石

大槻家はマンションの隣に住む坂口愛子の猫、キルマカット・エリザベス三世(エリちゃん)が行方不明になったことを知り、捜索を手伝います。

すると、木の上から下りられなくなってしまったエリちゃんを発見し、夫の靖文がこれを救出。

以来、坂口は靖文だけでなく、妻の真由子、娘の果穂にも親しく話しかけてくるようになりました。

そんなある日、坂口は大槻家全員が秘密を抱えていることを知り、大事な話があると言ってその秘密を家族に話します。

内容、相手は以下の通り。

靖文:真由子の秘密。
真由子:果穂の秘密。
果穂:靖文の秘密。

靖文の秘密

職場の銀行をリストラされていて、それを家族に隠すためにスーツで出勤するふりをして、隣町の図書館で時間を潰していた。

さらに昔の同級生の中野からお金を強請っていて、果穂は自分の秘密をネタにしていることを悟ります。

真由子の秘密

スーパーでツナ缶を万引きしている。靖文はストレスが原因で無意識にやっているのだと推測し、自分の秘密が彼女にバレていることを悟ります。

果歩の秘密

果歩は靖文の昔の同級生である中野と援助交際をしている。そして、真由子の秘密にも気が付いていて、親も犯罪者だから平気だと考えている。

そして後日、坂口が車に轢かれて亡くなったとニュースで報道されます。

三人はそれぞれの秘密を明かし、円満に解決したようです。

また坂口の事故は偶然ではなく、三人が計画したことでした。

エリちゃんが外にいると坂口に伝え、道路の向こうにいるエリちゃんを助けにいくよう仕向けて車に轢かれるよう計算したのです。

その証拠に、ベランダから三人の様子を見ているエリちゃん(猫目石)を見て、真由子は後をつけて見ていたことが悪いのではなく、ぺらぺら喋るからいけないのだと言い放ち、エリちゃんから見えないようにカーテンを引くのでした。

ムーンストーン

わたしは彼が初出馬の時、彼の選挙事務所でアルバイトをしていて、それがきっかけとなって半年後、彼の妻になります。

夫は市会議員に当選し、娘も生まれ、わたしは幸せな生活を送っていました。

しかしある日、夫は所属する党の支部から県会議員への格上げを打診され、市会議員を辞職。

県会議員選挙に出馬しますが、結果は落選。

幸い、夫は父親が経営する建築会社に再就職することができましたが、夫のプライドはズタズタに引き裂かれていて、何かがあるごとにわたし、娘に手を上げるようになりました。

そして、わたしが夫の足をすくった時に頭から仰向けに倒れ、わたしは夫の頭目掛けて置物を振り下ろしたのです。

こうしてわたしは逮捕され、刑務所行きは確実なように思われましたが、テレビ番組で名の売れた若手女性弁護士が弁護したいと申し入れしてきます。

その女性とは、わたしと中学時代を共に過ごした友人でした。

場面は変わり、中学時代の話。

わたし、堀端久実はあがり症が原因でまともな受け答えが出来ず、それをネタにクラスメイトからいじめられていました。

そんな中、クラスの中心ともいうべき存在、高坂小百合だけが彼女のことをかばってくれました。

また小百合は、久実の書いた読書感想文がコンクールの代表に選ばれたと言い、全校生徒の前でそれを読んでほしいと頼みます。

もちろん久実は拒否しますが、それだと小百合が読むことになり、しかし自分の感想文は久実のものより劣っていると理解している小百合からしたら、馬鹿にされているようで納得いきませんでした。

結局、小百合に押し切られる形で久実は読書感想文コンクールに出ることになり、小百合との練習が始まります。

すると、練習を追うごとに久実の読み方は上達し、クラスメイトもそれに感動して、誰も彼女のことを馬鹿にしたりしません。

残念なことに読書感想文コンクールでは二位に終わってしまいますが、久実にとっては幸せなことでした。

それからは小百合と同じグループに所属し、人生が変わったようでした。

しかし、実際は自分だけが心を許してもらっていないことを知り、友人の一人が旅行に行った時も、久実の分だけムーンストーンのお土産を買ってこなかったことを黙っていました。

すると、小百合はムーンストーンのピアスを選ぶと、ピアスの土台からムーンストーンを外し、自分と久実の名札にそれぞれ付けてくれたのです。

このおかげで友人との距離も縮まり、久実の中学生活は楽しいものになりました。

その後、久実と小百合は疎遠になってしまいますが、久実の右耳にはいつもムーンストーンのピアスがあります。

そして場面は戻り、わたしと女性弁護士の対面。

実はこのわたしと回想のわたし=久実は別人であり、夫を殴ったわたしが小百合、女性弁護士が久実だったのです。

当時、小百合は正義感に燃えていただけで、久実のことなど考えてはいませんでしたが、小百合のおかげで今の自分はあると久実は言い、小百合からもらったムーンストーンのお礼に無料で弁護させてほしいと頼んできます。

小百合がお願いすると、久実は力強いまなざしで優しく微笑むのでした。

サファイア

紺野真美は人に何かをしてもらうことの出来ない女性でしたが、大学一年生の夏、中瀬修一と出会い、少しずつ変わっていきます。

旅先で偶然出会った二人でしたが、戻ってからも連絡をとろうとしたのは修一でした。

真美は修一とのやりとりを通して大切なのは物ではなく気持ちだと気が付き、やがて二人は交際をスタートします。

初めての誕生日に口紅をもらい、真美は修一にオーダーメイドのかばんをプレゼントします。

そこで自分も一生身に付けられるものが欲しいと生まれて初めて思い、二十歳の誕生日に指輪がほしいとねだります。

修一はその言葉を待っていて、彼は指輪をプレゼントしてくれると約束してくれます。

しかし、その約束は果たされず、二十歳の誕生日の前日、待ち合わせ場所に修一は現れず、真美は帰宅します。

その晩、夢に修一が現れ、真美の誕生月である九月の誕生石・サファイアのついた指輪をプレゼントし、毎日つけるようにと右手の薬指にしてくれます。

起きると、修一の姉・佐和子から連絡が入り、修一が電車に跳ねられて亡くなったことを知らされます。

佐和子からもらった手紙には夢で見た修一が言ったことと同じことが書かれており、指輪もやはりサファイアでした。

さらに隣人のタナカからは、修一と同じアルバイトをしたと知らされ、しかも内容は高価な指輪を売りつける悪質商法でした。

アンケートと称して通行人から色々な情報を引き出し、その人にあった指輪を作る。
価格は五十九万円。

タナカは三人から契約をとり、修一もまた三人から契約をとったのだという。

つまり、そのアルバイト代がこの指輪に変わったのだと知り、真美は修一が指輪を買った誰かから恨みを買って殺されたのではと考えるようになりました。

真美はこの考えを佐和子に打ち明けますが、彼女は取り合ってくれません。

真美は修一の死を誰かのせいにしたかったのだと気が付きます。

おねだりをしたから、修一は死んだのだと。

それから真美は、もう二度と『欲しい』なんて口にしないと誓うのでした。

ガーネット

サファイアの続き。

真美は勤務していた食品会社の広報部でCM制作を担当したところ、それが大ヒット。

そして夢の中で、修一から革表紙の本を渡され、書店に行くとそれに類似した本を見つけます。

タイトルは『あなたが作る世界でたったひとつの本』で、真美はそれをきっかけに作品を書いたところ、とある文芸誌に掲載されます。

そんな中、真美は同僚の女性から嫉妬の対象となり、危うく殺されかけます。

そこから、修一を殺した人間もこんな風なのではと考え、長編小説『墓標』を書き上げます。

それが大ヒット。映画化まで決定します。

主演はベテラン女優として頭角を現しつつあった麻生雪美で、近々対談が決まっていました。

対談当日、二人は『自分の人生を変えた品』を見せあうことになっていて、真美は最初こそ記念の万年筆を取り出しますが、雪美に修一からもらった指輪のことを指摘され、人生そのものだと答えます。

その答えに気を良くした雪美もまた、指輪を出します。

なんと、タナカが昔話していたあの五十九万円の指輪でした。

真美は修一が売った相手ではと動揺しますが、話を聞くとタナカが売った相手だということが判明します。(『サファイア』のY美が彼女です)

雪美はこの指輪があったからこそ今の自分があるのだと言います。

彼女は指輪を受け取ってがっかりしたものの、今の自分にそっくりだとも感じ、こんな指輪にはなりたくないと努力した結果、今の地位に辿り着いたのです。

指輪を買って幸せになった雪美を前に、真美は泣いてしまいます。

そして、『これだけは手放せない品』として、真美は修一のために作ったオーダーメイドのかばんを出します。

それに対して、雪美が出したのはポストカードの束で、全てタナカから送られたものでした。
一番上のポストカードには『暁の空に輝くガーネットを見つけた。以下省略』と書かれていて、それは雪美の誕生月である一月の誕生石であり、これはラブレターなのではと考えられます。

雪美はタナカのことが好きで、しかしタナカは指輪を売りつけたことを後悔していることが推測されました。

対談が終了し、真美はこのポストカードの主と幸せになってください、紺野真美がそう願っているとタナカに伝えてくださいと雪美に言います。

その後、出版社経由で真美にファンレターが届きます。

それは雪美と同様、あの指輪を購入した真美のファンが書いた手紙で、さらに読み進めると、それを売ったのが修一だと判明します。

そして、その女性は『墓標』を読んで自分の中の恨みといった負の感情が流れ、穏やかになれたのだといいます。

その夜、夢の中で真美は修一と出会い、これからも新しい本を書くことを決意するのでした。

おわりに

だいぶ内容を省略しながら書いてしまったので分かりにくい点もあるかと思いますが、間違いなく心に残る作品です。

未読の方は、ぜひ読んでみてください。

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