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『ぼくは数式で宇宙の美しさを伝えたい』ネタバレ感想!全米ベストセラーをご紹介!

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9歳で大学入学、相対性理論に取り組み、将来ノーベル賞候補とも言われる天才児ジェイク。けれどその才能はあやうく失われるところだった。2歳で重度の自閉症と診断。障害児訓練が彼の笑顔を奪っていることに母クリスティンは気づく。星空を夢中で眺めるジェイクに好きなことをさせてあげたい。夫と障害児の保育施設を立ち上げ、息子の進学に奮闘。やがて彼の才能が開花する出来事が起こる―。全米ベストセラーの感動の手記!

「BOOK」データベースより

つい店頭で手にとった作品です。

税込で千円を超える金額に少し尻込みしましたが、これは面白いという直感があったため購入。

結果として、学問に対するロマンもそうですが、それ以上に一人の母親の子どもへの愛情がこれでもかと詰まった良作でした。

また翻訳された文章にもかかわらず、とても読みやすくて親しみやすいのもポイントでした。

内容については後述しますが、『数式』や『宇宙』というキーワードに惹かれた方だけでなく、自閉症やアスペルガー症候群で悩む両親にも読んでほしい一冊です。

意外でしたが、僕は本書を読んで子どもとの向き合い方について自信がついた気がします。

この記事では、そんな本書の魅力をあらすじや個人的な感想を交えながら書いていきたいと思います。

ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。

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本書について

本書には九歳で大学に入学し、その才能を見事に開花させたジェイクという自閉症の少年が登場します。

この本は、彼との奮闘の日々を母親であるクリスティン・バーネット(クリス)が綴った自叙伝です。

これだけ見れば華々しい人生ですが、もちろん簡単にそこにたどり着けたわけではありません。

普通の親子が経験しないような苦悩に満ちた日々を過ごし、それでもジェイクらしさを守ろうとするクリスの愛情がそこにはありました。

自閉症とは

内容に入る前に、自閉症について説明したいと思います。

以下、東京都自閉症協会のHPを参考にしています。

近年、特によく耳にするようになった言葉ですが、先天的な要因から以下の特徴があらわれることから診断される障害です。

1. 対人関係の特異性

2. コミュニケーション能力の質的障害

3. イマジネーションの質的障害

自閉とありますが、決して自らこころを閉ざしているわけではありませんし、育て方によって後天的になるものでもありません。

原因は不明ですが、先天的な脳機能の違いが原因となる障害だと考えられています。

自閉症は重度の知的障害を合併していることから、知的障害がほとんどない人、IQ(知能指数)が通常よりも高い人まで幅広く、その個性も様々です。

そのため、知的障害と自閉症を区切ることはできず、虹の光のように連続しているから自閉症スペクトラム(ASD)といわれています。

これまでは知的障害のある人が7~8割だといわれていましたが、最近では知的障害を伴わないアスペルガー症候群などの高機能ASDの割合が増えているとされています。

つまり、アスペルガー症候群とは自閉症の一種ですが、知的な発達が正常な自閉症のことを指します。

ただし、アスペルガー症候群と自閉症は繋がっているので、二つに分けて考えるものではありません。

強いて区別するなら、一見しても障害があるように見えない、いわば自閉症に見えない自閉症の人をアスペルガー症候群といいます。

診断された後

本書に登場するジェイクですが、彼は二歳で自閉症と診断され、クリスは自分だけの世界に閉じこもっていくジェイクを見ているしかありませんでした。

自閉症はジェイクから、希望や夢を奪う泥棒だと思いました。

しかし、大好きだった祖父にジェイクは大丈夫だと言われ、クリスはその言葉を信じることにします。

ところが、次に生まれたウェズリーは反射性交換神経性ジストロフィー(RSD)と診断され、夫婦はますます困難な状況を迎えます。

それでもクリスは諦めず、自閉症児への働きかけは五歳までが最も効果的であるという結果を信じ、毎日必死になって闘います。

日常のルーティンやセラピーを通じて、ジェイクは少しずつコミュニケーションのとり方を覚えていきます。

ジェイクはセラピーに集中できないことがよくありましたが、クリスはジェイクが快適であることを優先します。

嫌なことを無理やりさせるのではなく、したいことをどんどんさせようと。

また自分の子ども時代を思い出し、遊ぶ時間も十分にとるようにしました。

ゆっくりではありますが、前進しているように見えました。

しかし、特別支援クラスに通い出すと、ジェイクは良くなるどころか、これまでで出来るようになったことも出来なくなってしまいます。

それはプリスクールに通い出しても同じで、クリスは夫のマイケルの反対を押し切って学校には行かせず、キンダーガーデン(幼稚園)までに普通クラスに入れるようなんとかしようとします。

そこでクリスは発達障害の療法士であるメラニーに相談し、キンダーの普通クラスに入るために必要なことをリストアップし、新しいルーティンを組みます。

したくないことばかりではなく、好きなことにもたくさんの時間を割く。

すると彼の類まれなる記憶力や計算力が発揮され、教科書を読んでいないにもかかわらず、日常にあるものから数式や物理法則を見出していきます。

リトル・ライト

ここでクリスは思い切って自宅のガレージを改装し、そこで保育所を運営し、さらに自閉症児のためのキンダーガーデン・ブートキャンプを開きます。

そこにはクリスと同じような悩みを抱えた親子が殺到し、クリスはこのプログラムを『リトル・ライト』と名付けます。

その子どもの中にある小さな明かり=リトル・ライトを見つけてあげたいという思いから名付けました。

クリスは既存のアプローチを無視し、子どもたち一人一人がやりたいことを見つけ、そこを伸ばすよう心がけます。

そうするとどの子にも特別な才能があり、驚くほど伸びていくのを実感します。

その後、クリスは三人目となるイーサンが生まれますが、クリスが思わず完璧だと思わずにはいられないほど手のかからない子どもでした。

またジェイクの関心が宇宙や星にあることが分かり、クリスは彼をプラネタリウムに連れて行きます。

するとジェイクは人気天文学者の講義中、三歳とは思えない知識を披露し、その場にいた全員を驚かせます。

しかし、それでもクリスは彼の特異的な部分だけに固執せず、これまで通り、子どもとして接することを選ぶのでした。

入学と挫折

リトル・ライトでの取り組みの甲斐もあり、ジェイクは無事にキンダーに入学することが出来ました。

しかし、過労のせいもあってクリスは脳卒中になってしまい、左半身に麻痺が残ってしまいます。

マイケルは彼女を代わりを務めようと必死になりますが、そのとてつもない現実に押しつぶされ、一度家を出ていってしまいます。

それでもクリスが呼び戻し、二人は本当の意味で強い絆で結ばれた夫婦になったのでした。

ジェイクの努力もあり、徐々に日常的なことも出来ることが増えていきますが、一方で、キンダーでの勉強はジェイクにとって退屈以外のなにものでもなく、クリスは悩みます。

そこで彼女は思い切ってお願いし、大学の天文学の授業にジェイクを参加させてもらいます。

するとジェイクは大学生ですら答えられないような質問にいとも簡単に答え、コースを修了してしまいます。

暗黒時代

その後、クリスの取り組みはどんどん拡充していきますが、不況の波に飲まれ、マイケルは職を失ってしまいます。

一家は日々の食べ物にすら困ってしまいます。

しかし、善意ある人の手助けもあり、一家は窮地を脱します。

彼らしくいられる場所

それからも日に日に驚異的なスピードで知識を吸収するジェイクにクリスは戸惑い、専門家に相談すると、キンダーは彼にとって退屈すぎる場所であり、創造力が失われてしまうといいます。

大学に行くべきだと背中を押され、キンダーをやめて大学に通うことを決意。

最初は社会的スキルの不足から著しい制限をかけられてしまいますが、ジェイクは学校に行かなくとも独自に勉強や研究をする逞しさがありました。

ある日、彼はついに相対性理論の一種で、それが正しければ新しい物理学の一分野をひらいたことになる理論を発見します。

ジェイクはそれから眠らなくなり、一心不乱に理論に欠陥や穴がないかを探してしまうのです。

このままでジェイクはまずいと思い、専門家に一度見てもらうことを提案。

そこでジェイクはとある宇宙物理学者を指名し、クリスはこの理論を送ります。

するとこれがオリジナルな理論であることが分かり、ジェイクを全力でサポートしたいと言ってくれます。

こうして彼は正式に大学生になります。

それからメディアにも取り上げられるようになり、状況は一変。

またジェイクはまだ誰も解けなかった数学の問題を解いてしまい、その能力を遺憾なく発揮します。

彼は今後、科学の分野で世界に大きく貢献できるといわれていますが、彼は生まれてからずっと、宇宙の背後にある支配的な数式を理解しようと努力し続けているのでした。

母親として望むこと

クリスは類まれなる才能を持つジェイクのストーリーを通じ、どんな子どもにも無限の可能性があるのだといいたかったといいます。

子どもの内にあるきらめきに注目し、それを伸ばしてあげれば必ずいい方向に向かう。

時にはとてつもない勇気が必要な決断を迫られることもありますが、それでも子どもを羽ばたかせるためには信念と勇気を持たなければならない。

これは自閉症の有無に関係ないことで、ぜひこの物語を読んだ人にそのことが伝わればいいと言っています。

おわりに

ここまで過酷な経験をする親子はそういないのかもしれません。

しかし、それでも諦めずに信念と勇気を持って子どもと接し、夢を掴んだクリスとジェイクには本当に感動させられました。

しかもこの成功は才能があったからだけではなく、母親としての愛情や子どもとしての愛情に起因する部分も多かったと思います。

もちろん、この本にあるようにやって誰もが幸せになれるとは限りません。

ですが、自分の子どもを信じ、その子のやりたい気持ちを伸ばし、それが許される環境にいられるのならば、親子ともにこんなに幸せなことはないと思います。

ただ一点。

僕は父親として思いますが、どうしても仕事の関係で子どもと接する時間が奥さんに比べると短いため、彼女の抱える不安を全て理解してはいないと思います。

だから彼女が子どものことで何か不安を感じる時、それを理解してあげられるよう最大限の努力をしたいと思います。

彼女と同じ目線、彼女と同じ気持ちになって。

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