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『進撃の巨人 25巻』ネタバレ解説!あらすじから結末まで!

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巨人がすべてを支配する世界。巨人の餌と化した人類は、巨大な壁を築き、壁外への自由と引き換えに侵略を防いでいた。だが、名ばかりの平和は壁を越える大巨人の出現により崩れ、絶望の闘いが始まってしまう。

エレンらの住むパラディ島を長年にわたって脅かし続けたマーレ。そこには祖国を守るため、自分達の人権を守るために日々奮闘する者達がいた。彼らは自らの存在価値を示すため、パラディ島への「宣戦布告」を準備するがそこに現れたのは……。

Amazon内容紹介より

前巻では、マーレに潜入していたエレンとライナーがついに対面し、二人の時間が交わりました。

そこからどう物語が展開していくのか。

気になる25巻の内容をあらすじや個人的な感想を交えながら書いていきたいと思います。

ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。

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第99話 疾しき影

回想シーンから始まり、壁の中に入る前のライナー、ベルトルト、アニ。

ベルトルトは開拓地で首を吊ったおじさんの夢をずっと見るのだと言います。

死ぬ前に彼らに話をしたことについて、アニは許してほしかったのではと感情なく言いますが、ベルトルトは誰かに裁いてほしかったのではと話し、現実に戻ります。

現実では、エレンを前にしてライナーが立ち尽くしています。

ただならぬ空気。

古い友人だと聞いていたファルコは戸惑いますが、エレンは気にせずに合わせてくれたことに礼を言い、積もる話が多いから何から話せばいいか分からないのだともっともらしい言い訳をします。

それに対しありえないと呟くライナーですが、座れよと促すエレン。

この上の建物は普通の住居で、演説の行われるステージの裏側です。

鉄格子のはめられた小さな窓からでもステージの喧騒が聞こえ、この上でも多くの住人がステージの幕が上がるのを楽しみにしていると、暗に彼らを人質にとるエレン。

その証拠に右手の横一線の傷から血が流れていて、いつでも巨人化できる準備がしてあります。

再度エレンに座れよと言われ、震え、冷や汗をかきながらようやく椅子に座るライナー。

重苦しい雰囲気にファルコは部屋を出ていこうとしますが、おまえもここで話を聞くんだとエレンに阻まれ、言う通りにするんだとライナーからも残るよう言われます。

場面は変わり、ステージ裏の控え室で鏡をのぞき込むタイバー卿。

緊張しているのか、汗をかいています。

そこに前巻のパーティにてウドを助けてくれたヒィズル国女性が現れ、タイバー卿と握手を交わします。

彼女の名前をタイバー卿はキヨミ様と呼びます。

キヨミ様はステージを離れると後ろを一瞥し、再び歩き始めます。

ステージの観客席。

ライナーの母親が挨拶するのは、アニの父親でした。

彼らは子供たちのいただいた『名誉』のおかげで特別に席を用意されていたようで、ライナー母がアニの父親の横に座ります。

話はベルトルトの父親のことになり、彼は亡くなったようです。

ライナーの母親はあくまでマーレに身を捧げた子供たちのことが誇らしいのであり、アニはすでに亡くなっているような話し方をしますが、アニの父親は彼女が生きている、帰ると約束したのだと頑なに信じています。

対して、それを見るライナーの母親の目は冷たいです。

場面は変わり、観客席に集まるマーレの兵士たち。

そこにはジークを始めとした巨人を宿す戦士たちや、ガビを始めとする戦士候補生たちもいます。

雑談をしていると、突然金管楽器の大きな音が鳴り響き、式典が始まります。

ガビはファルコとライナーがいないことを気にかけていますが、そこで顎鬚を生やした兵士が現れ、マガト隊長がお呼びだとして戦士四人を別の場所に連れていきます。

場面は変わり、式典開始の楽器の音に合わせてライナーが口を開きます。

エレンに何をしに来たんだと恐る恐る聞きますが、お前と同じだよと即答され頭を抱えてしまいます。

しかし、エレンは「何でってか? 分からないか? お前と同じだよ。『仕方なかった』ってやつだ」と容赦ありません。

ライナーが何やら弁解しようとしますが、幕が上がったから聞こうとエレンが止めます。

ステージではタイバー卿が立ち、演説を始めます。

背後の閉じられた幕をスクリーンのようにして、そこには巨人が人間を食べている影が映し出されます。

今から百年前、エルディア帝国は巨人の力で支配されていました。

タイバー卿の言葉に合わせて、太鼓の音が力強く鳴り響きます。

最新の研究によると、巨人の犠牲になった人数は、現在の人類が三度絶滅しても足りないほどだと言います。

背後では、巨人から逃げる民衆役の多くの演者が恐怖の声を上げ、血塗られたような演出がなされます。

その殺戮が人類史であり、エルディア帝国の歩んだ歴史でした。

そして敵のいなくなったエルディア帝国は同族同士で殺し合うようになり、これを『巨人大戦』といいます。

八つの巨人の力を持つ家が結託や裏切りを繰り返しながら争う中、この状況に英雄ヘーロスというマーレ人が勝機を見出します。

彼は巧みな情報操作でエルディア帝国を同士討ちにさせます。

そして、彼はタイバー家と手を組み、勝つことは不可能とさえ言われたフリッツ王も島に退かせることに成功します。

ここで観衆から大きな拍手が上がります。

ステージ上にはフリッツ王と思しき人物が冠をかぶり、スクリーンには超大型巨人が何体も立っています。

フリッツ王を島に退かせることには成功したものの、彼の力はいまだ健在であり、あの島には世界を踏みつぶせる力を持つ幾千万もの巨人が控えています。

現在、巨人学会は、彼らのいる世界が巨人に踏みつぶされていないのは偶然としか説明できません。

この状況にマーレは四体の巨人を送り込み、この脅威を排除しようとしましたが、戻ってこられたのは『鎧の巨人』だけでした。

またこの四年間で調査船を32隻送りましたが、その全てが消息を絶っています。

つまり、暗黒の人類史たるエルディア帝国は健在なのだとタイバー卿は強く言います。

場面は変わり、そのタイバー卿の言葉を受け、あれが壁を破壊した理由なんだろ? とライナーに問いかけるエレン。

ライナーが答えられずにいると、エレンは世界を救おうとしたんだろと言い、ライナーは顔を上げます。

まだ何も知らない子供が四人、島に放り出されただけだ、とライナーを擁護するようなことを言うエレン。

ライナーは信じてよいのか疑心暗鬼の状態です。

一方、マガタ隊長率いる兵士たちは、高い建物から周囲に異常がないか観察しています。

タイバー卿は一旦袖にはけ、水を飲んで休憩しています。

場面は変わり、兵士に連れていかれるジーク、ポルコ、ピークの三人。どうやらコルトは観客席に残っているようです。

ジークは一人正門に向かうよう指示され、ポルコとピークは兵士に付いていきます。

どこかで見たことがある気がするというピークの問いに、兵士は西のラクア基地の所属だと答えますが、顔は相変わらず見えず、明らかに怪しい。

そこにパンツァー隊が通りがかり、こんな日までお勤めご苦労とそのうちの一人に抱き着くピーク。

他の隊員は戸惑っています。

ご機嫌な様子でその場をあとにするピークですが、パンツァー隊は驚いた表情でその後ろ姿を見送ります。

兵士はとある建物に到着するなり、中に二人を先に通しますが、そこにマガト隊長の姿はありません。

ポルコは隊長はどこかと振り返りますが、それより先にピークが気が付きます。

兵士が入口近くに垂れている紐をナイフで切ると、ピークとポルコの立っている床が抜け、二人は下に向かって落ちていきます。

二人が落ちたことを確認すると、兵士は扉を閉めてその場をあとにします。

場面は変わり、ライナーが怯えていることを不審に思うファルコでしたが、そこでエレンとライナーはパラディ島で知り合った、つまりエレンが壁の中にいたエルディア人なのではという考えに行き着きます。

外では、演説がいよいよ本題に入ります。

ここまで語った話は誰もが知る真実ですが、事実とは少々異なると言うタイバー卿。

これはタイバー家が『戦槌の巨人』と共に受け継いできた記憶だとして、この事実を公の場で発表することは初めだと前置きした上で、『巨人大戦』を終結して世界を救ったのはフリッツ王だったと明かします。

正しくは145代目の王・カール・フリッツ。

彼は『始祖の巨人』継承以前からエルディア帝国の残虐な歴史を嘆いていて、彼は『始祖の巨人』を継承すると同時にタイバー家と結託し、エルディア帝国の歴史に終止符を打つために自らの身を捧げます。

フリッツ王はタイバー家と画策してマーレ人を英雄と称して活躍させ、それがヘーロスでした。

フリッツ王はエルディアが同士討ちで倒れると、自らと出来る限りのエルディア国民を島に移して、壁の門を閉じました。

その際に、安息を脅かせば幾千の巨人が報復すると言い残しましたが、それはフリッツ王の真意ではなく、その証拠に彼は自らの思想を継承者に受け継がせるために『不戦の契り』を生み出しました。

全ての巨人を操る『始祖の巨人』の力を行使できるのは王家の血筋のみですが、この『不戦の契り』のおかげで今日まで巨人による侵略はなかったのです。

彼の目的は平和であり、もしマーレがいずれ王家の命や『始祖の巨人』の力を奪おうとすれば、それを受け入れる覚悟でいました。

それほどまでにエルディア人の犯した罪は重いと考えていたのです。

ここで群衆の間にどよめきが走ります。

今まで信じていたことが嘘だと分かり、ならばなぜパラディ島を侵略する必要があったのかと口々に言います。

しかし、とタイバー卿は話を続けます。

スクリーンには凶悪な巨人が映し出され、近年フリッツ王の平和思想は淘汰され、『始祖の巨人』の力はある者に奪われたのだと言います。

平和への反逆者、その名は『エレン・イェーガー』。

エレンはそれを静かに聞いています。ファルコは唖然としています。

第100話 宣戦布告

回想シーン。

演説以前、馬車の中で話し合うマガト隊長とタイバー卿。

彼らはこの時点で誰かが演説中に襲撃してくることを予想していました。

次点で幹部の移動のタイミングが考えられますが、直前まで移動経路を決めないため問題ないとのこと。

それに対し、タイバー卿は軍幹部を端の特等席にまとめるようマガト隊長に支持します。

マガト隊長は本当によろしいのですか?と確認しますが、タイバー卿の意思は変わりません。

多くの人間が死のうとも、敵をおびき出すにはエサが必要だと考えていました。

なおも躊躇するマガト隊長に激高するタイバー卿。

そこでようやく腹をくくったのかマガト隊長は一度目を閉じてから開け、貴方を守ることはできないと明言しますが、タイバー卿も覚悟の上でした。

『予期せぬ襲撃』の被害者に自分がいなければ、世界を味方につけることはできないと考えていました。

これで二人の迷いは完全に消えました。

二人は握手を交わし、マガト隊長はエルディアは悪魔の末裔だと言った上で、自分たちのことを悪魔と呼ぶのでした。

場面は演説のシーンに戻り、タイバー卿は当主となった日にこの事実を知り、そこから目を背けたのだと話します。

それはありもしない名誉を貪る行為であり、群衆は動揺を隠せません。

すると、マガト隊長の元に兵士たちが現れ、ジークたち戦士が姿を消したと報告します。

マガト隊長は襲撃の開始を察知し、戦士たちの捜索を指示します。

場面は変わり、抜けた床の遥か下のピークとポルコ。

床に藁が敷いてあったおかげで怪我の程度は小さいものの、それでもピークは足を、ポルコは左腕を骨折していて、巨人の体が直そうと湯気を発しています。

ここはマーレが用意した戦士を拘束するための仕掛けの一つで、この狭さでは巨大化できず、最悪圧死もあり得るといいます。

床には水と、食事、それからおまるも置いてあります。

二人はここまで連れてきた兵士のことを考えますが、マーレ軍なのか単独犯なのか分かりません。

しかし、ピークは以前にもどこかで見たことがあるようでした。

さらに場面は変わり、タイバー卿の演説も大詰め。

彼が舞台袖に目を向けると、そこには兵士や使用人の女性、その他大勢の人がいます。

タイバー卿は使用人の女性に向かってと思われますが、「そこで見ててくれ、これがお前を犠牲にした、俺のけじめだ」と改めて覚悟します。

フリッツ王が生み出した巨大な盾と矛、それが始祖ユミルの3人の娘の名を借りた三重の壁、ウォール・マリア、ウォール・ローゼ、ウォール・シーナだといいます。

この壁は幾千万の超大型巨人で作られていて、パラディ島の脅威とはこの超大型巨人たちによる地鳴らしだといいます。

本来、『始祖の巨人』の力は王家の血筋でしか発動できませんが、ライナーの報告によるとエレンが『始祖の巨人』の力を発動できることが確認されているため、だから危険なのだと訴えます。

そんな演説にもエレンは動揺せず、欠損している左足のズボンをまくり上げます。

すると左足がみるみるうちに修復され、元に戻っていきます。

ここでファルコはようやく騙されたことに気が付きますが、エレンはお前には助けられたと言います。

ここでファルコはエレンから預かった手紙を思い出します。

ファルコは家族に送る手紙だと信じていましたが、実は仲間にあてたものだと判明します。

その事実が意味するところに気が付き、ファルコは泣きながら尻もちをつきます。

外ではタイバー卿が超大型巨人たちの地鳴らしの恐ろしさを説明していて、現代においてもその力を上回る兵器は存在せず、一度発動してしまえば、あらゆる都市や文明は文字通りすべて平らな地表になるだろうと話します。

だから、そうなってからでは手遅れだと。

ファルコはその話を聞いて、逆に今こそがチャンスなのでは機会をうかがいますが、エレンが自分が悪者だと認めたことに驚きます。

エレンは巨人が街を襲撃し、母親を殺された時から、ずっとなぜ大勢の人が食い殺されたのか考えていました。

その理由を一つ一つライナーにたずね、ライナーに苦しそうに、しかしちゃんと答えます。
ライナーは以前エレンに言われた『お前らができるだけ苦しんで死ぬように努力する』という言葉に怯えていますが、当のエレンは忘れてくれとなぜか恥ずかしそうです。

その言葉に驚きを隠せないライナー。

なら、なぜエレンはここに来たのか?

エレンはこの国で暮らす中で、海の外も壁の中も変わらないのだと知りました。

そして、ライナーたち子どもたちは壁の中にいる奴らは自分たちとは違うのだと教えられていたから仕方なかったのだと、ライナーの痛みに寄り添うようなことを言います。

泣きそうになるライナーですが、途中で違う!!と思い切り土下座をします。

彼はマルセルが食われた日、アニとベルトルトの反対を押し切って作戦を続行させたのは自分であり、英雄になりたかったのだと本心を明かします。

彼はそんな自分が悪いのだと自覚し、エレンに殺してほしいのだと懇願します。

エレンは、そんなライナーを無言で見つめます。

ステージでは、タイバー卿は誰よりもエルディア人の根絶を願ってきたと明かしたうえで、死にたくない、だから死にたくない者は力を貸してほしいと涙ながらに訴えます。

すると、胸を打たれた群雄は涙を流し、会場は大拍手が起こります。

そのタイミングでエレンは微笑を浮かべ、土下座するライナーに立てよと手を差し出します。

ライナーはその手をとって立ち上がりますが、エレンは俺はお前と同じだと言います。

そして、「オレは進み続ける、敵を駆逐するまで」と言うと同時にライナーに差し出した手が光を放ち始めます。

巨人化に気が付いたライナーはファルコを庇おうと慌てて振り返ります。

タイバー卿が宣戦布告を宣言したタイミングで真上からエレン巨人が咆哮を上げ、そこにいた市民が吹き飛ばされていきます。

タイバー卿は上を見上げてエレン巨人を確認しますが、次の瞬間にはエレン巨人の拳がタイバー卿のいたステージごと叩き壊し、群衆は起きていることが理解できずに茫然とします。

エレン巨人が振り下ろした手を真上で開くと中から胴体が真っ二つに裂けたタイバー卿が落ちてきて、エレン巨人はそれに向かって大きな口を開けます。

第101話 戦槌の巨人

エレン巨人はそのままタイバー卿を食べてしまいます。

そしてそれが合図となり、群衆が一背に逃げ始めました。

エレン巨人は跳躍をして群衆の群れに飛び込みます。

コルトの呼びかけで意識を取り戻すガビとウドですが、ゾフィアは大きな岩の下敷きになって両足以外はすでに潰れていました。

現実を受け入れられないガビですが、ウドはゾフィアの助けに入ります。

コルトは止めようとしますが、ウドは逃げ惑う群衆に頭を思い切り蹴られ、寝転がっているところを次から次へと踏まれていきます。

コルトはガビを抱え、岩を壁にして群衆をやり過ごすだけで精一杯です。

ガビは凄惨な光景を見て、ようやくこの重大さを認識します。

エレン巨人が暴れる中、タイバー卿の妹、先ほど舞台袖にいた使用人のような女性は頭から血を流しながらなんとか立ち上がり、タイバー家の務め、大変ご立派でしたと言い、なんと巨人化します。

ステージ中央から現れる巨人。

これが戦槌の巨人です。

エレンは戦槌の巨人が登場するなり、右ストレートを顔面に叩き込み、さらに両手を硬質化させ、マウント状態で何度も殴ります。

一方的に戦槌の巨人がやられるのを見ているマガト隊長と兵士たちですが、何を考えたのかマガト隊長が鉄砲を一発、エレン巨人に向かって放ちます。

しかし、全く効果はありません。

彼はこれでマーレ軍反撃の口火を切ったと兵士たちを鼓舞し、持ち場について戦闘の用意をする指示。兵士たちも了解!!と従います。

なおも殴り続け、このまま勝利かと思われたエレン巨人ですが、戦槌の巨人の目が光ると、巨大な針状のものが地面から突き出てエレン巨人の腹を突き破り、そのまま串刺し状態でエレン巨人を捕獲します。

その様子を見て、一番槍を入れたのは自分だということを覚えておけよとマガト隊長は言います。

巨大な針に貫かれだらんと宙に浮くエレン巨人を尻目に、戦槌の巨人はどんどん再生していきます。

市民が逃げ惑う中、コルトは血だらけのウドを抱えて逃げていました。

ガビも一緒です。

急いでウドを病院に連れていかなければならない中、ファルコはどこだとコルトは叫びます。

地下にいるピークとポルコにも地上の混乱が聞こえてきます。

地響きから巨人同士が戦っていることを見抜くピーク。

脱出しなければと焦るポルコに、助けがくるはずだと言うピーク。

すると、上から声がして、見上げるとパンツァー隊がいました。

実はピークは初めから二人を連れてきた兵士が怪しいと睨んでいて、抱き着いたタイミングで自分たちを尾行するようパンツァー隊に指示していたのです。

パンツァー隊の投げたロープを伝って地上に戻ったピーク。

パンツァー隊の全員が我先にピークに手を差し伸べますが、ピークはそれを無視して現状の説明を求めます。

二人は走りながら現状を聞きますが、その時、町の屋根を伝っていく大勢の立体起動装置と思わしき影。

ピークはまさかと唖然とします。

場面は変わり、戦槌の巨人の再生が終わり、その姿があらわになります。

エレン巨人と同じくらいの細身の巨人で、目と口元が格子上の皮膚で覆われて目と口がわずかに露出しています。

エレン巨人が自分を捕えている針を殴って破壊しようとしていると、戦槌の巨人は持っている身長の倍近くある槌をエレン巨人目掛けて振り上げます。

エレン巨人は針を壊して自由の身になると、間一髪で槌を回避。地面に着地します。

しかし、今度は地面から無数の棘が生えてきて、エレン巨人の足を貫いて動きを止めます。

さらに屋根からは対巨人野戦砲が無数に放たれ、エレン巨人はうなじを守るだけで精一杯でした。

砲撃が止み、戦槌の巨人と向かい合うエレン巨人。

戦槌の巨人が槌を振り上げると、エレンは両手を硬質化して頭をガードしますが、槌はそれすら貫通し、エレン巨人の頭をえぐり取ります。

動かなくなったエレン巨人。

兵士たちが勝利を確信すると、うなじからエレンが出てきます。

そこで、簒奪者(さんだつしゃ)、エレン・イェーガーと言葉を口にする戦槌の巨人。
槌を振り上げ、言い残したことはないかと問いかけますが、エレンは今だ、ミカサと口にします。

すると、戦槌の巨人の背後から立体起動装置で近づく全身黒い戦闘服を着たミカサ。

その両手には、雷槍が四本ずつ充填されています。

戦槌の巨人は遅れて背後を向きますが、すでに雷槍はうなじに全弾命中。

ミカサは戦槌の巨人の正面に回り込むと同時に雷槍のピンを抜きます。

そして大爆発が起き、戦槌の巨人は倒れ込みます。

さらに野戦砲部隊にも複数の立体起動装置を操る兵士が襲撃し、形勢は逆転します。

ミカサはエレン巨人の肩に乗り、エレンはよかったと安堵します。

しかし、ミカサの表情は悲しそうで、お願いだから帰ってきてとお願いします。

エレン同様、より大人びた印象のミカサに対し、エレンは何も言いません。

第102話 後の祭り

調査団の襲撃にあい、特別警戒訓練中の陸軍一個師団を山から降ろし、沖の艦隊も呼び寄せるマガト隊長。

レベリオ地区を封鎖し、調査団を一人残らず殲滅するつもりです。

マガト隊長はこの虐殺事件を受け、彼らが世界の敵になることを確信していました。

しかし、それは彼らも分かっているはずだと思い直し、襲撃の意味を考えますが、待機していた部屋に手りゅう弾が投げ込まれたことで思考は中断。

慌てて逃げ、部屋が大爆発します。

外では兵士たちが調査団を打ち落とそうと躍起になっていますが、それを別の立体起動装置を操る調査団員たちが殲滅。

その中に髭を生やしたジャンがいます。

彼は民間人が住む建物まで攻撃するフロックたちを見つけ、民間への被害は最小におさえろと咎めます。

しかし、フロックにとってはここにいる全てが敵であり、聞く耳を持ちません。

ジャンは再度説得を試みますが、逆にエレンの行いを指さされ、何も言い返せません。

静まり返った広場。

ミカサもジャンと同様、エレンが民間人まで殺したことを静かに責めますが、エレンは無表情です。

それを見て、ミカサの表情はますます悲しいものになります。

見つめ合う二人ですが、まだ終わっていないとエレンが言うと、戦槌の巨人が起き上がるのが見えます。

ミカサが確かにうなじを吹き飛ばしたし、エレンも念入りに潰したはずでした。

しかし、戦槌の巨人は死んでおらず、その手には硬質化で作りだした弓矢。

戦槌の巨人はエレンたちに向かってそれを放ちますが、間一髪、ミカサがエレンを抱えて回避します。

エレンの分析によると、戦槌の巨人はどうやら硬質化によって何でも器用に作ってしまうようです。

倒れるエレン巨人の抜け殻。

エレンにはどうやら策があるようで、ミカサに陽動をお願いします。

そして、上手くいけば戦槌を食えると言います。

場面は変わり、負傷者の収容所は人で溢れていました。

コルトはウドを見て欲しいと懇願しますが、とっくに死んでいると一刀両断。

地面に敷かれたシーツの上に血まみれのウドを乗せます。

コルトは広場の巨人は戦士隊が倒してくれるとして、自分はファルコを探すために戻るといいます。

すると、ガビも戻ると言います。

ガビはウドとゾフィアが殺された理由が分からないとエレンのようなことを言い、コルトを置いて一人戻ってしまいます。

兵士たちが輸送される車の横を駆け抜けるガビ。

すると、門兵に捕まり、家に帰るよう説得されます。

と、向かう先で爆発が起きます。

どうやら立体起動装置を操る調査団が上から爆弾を落としてきているようです。

爆撃と狙撃によって次から次へと命を落としていく兵士たち。

ガビが見上げる先には、銃を構えたサシャがいました。やはりミカサ同様、大人びています。

その横に着地したのは、コニーです。

彼の坊主頭は少しだけ髪が伸びていて、おまけに背が高くなって今やサシャよりも高そうです。

コニーは行くぞと声を掛けますが、明かりを灯すことをお忘れですか?とサシャは懐中電灯のようなものを取り出します。

思い出したコニーもそれを取り出し、民家の屋根に設置します。

調査団が去る中、ガビは落ちている銃を手にします。

あらかた制圧が終わり、合流するジャン、コニー、サシャ。

戦槌の巨人を時間までに無力化できれば作戦は順調だが、何が分かるかわからないと気が抜けません。

そして、この戦いの先に何があるのかを見極めるためには、生き残らないといけません。

場面は変わり、ミカサは懸命に戦槌の巨人を攻撃し、時間を稼いでいます。

戦槌の巨人も硬質化で剣、鞭のようなものを作り出して攻撃しますが、ミカサはそれを回避します。

エレンはステージ中央にて、戦槌の巨人が現れた時から違和感を感じていて、それは足元から体ができていったことだといいます。

うなじではなく、ステージ中央の地面から。

つまり戦槌の巨人の本体はそこにいるとエレンは確信し、左手を噛みちぎってそこに飛び込みます。

穴からは細い綱のようなものが伸びていて、それは戦槌の巨人まで伸びています。

戦槌の巨人の背後でエレンは巨人化し、地面に手を突っ込むと、そこにはアニが作りだしたような結晶に覆われた使用人の女性がいました。

エレンはそれを掴み、戦槌の巨人と繋がる綱を引きちぎります。

すると、力の供給源を断たれた戦槌の巨人はいとも簡単に倒れてしまいます。

マガト隊長はまずいと焦ります。

エレン巨人は女性を食べようと口を開けますが、背後から顎の巨人が襲撃。

逆にうなじに噛みつかれてしまいます。

ガリアードは勝利を確信しますが、噛みつく瞬間、急降下してきたリヴァイに顎の根元を切られ、うなじを噛み切れません。

その隙にエレンは顎の巨人ごと背中から背後の建物に突っ込み、顎の巨人を離します。

ガリアードはリヴァイの存在に気が付き、慌てて撤退を図りますが、ミカサを初めとする調査団たちに囲まれ、絶対絶命のピンチに陥ります。

しかし、そこに遠くから無数の銃弾が飛んできて、ミカサやリヴァイは慌てて回避しますが、何人かはその犠牲になってしまいます。

銃弾を撃ったのは、重機関銃を装備した車力の巨人でした。

ピークはパンツァー隊にも指示を出し、戦局はまだどうなるか分かりません。

そんな中、結晶の中の女性は目を開け、エレン巨人を睨みます。

と、再び地面から戦槌の巨人を出現させ、無数の針でエレン巨人を再度串刺しにします。

さらに、そこにダメ押しでもするように獣の巨人が登場します。

これで役者は揃い、怒りに燃えたガビも銃を手に広場に向かって走っています。

逃がすな、殲滅しろと命令するジーク。

死ぬな、生き延びろと命令するリヴァイ。

ついに、死闘が大詰めを迎えました。

おわりに

成長した調査団の面々が登場したことは嬉しかったのですが、一方で、すでに心を許してしまっていたこの街に住む人たちが殺されていくのはかなり堪えました。

見る角度によって正義は異なる。

そして、二つの角度から物事を見た時、我々読者はどう思えば良いのでしょうか。

巨人同士の戦いも白熱し、ますます盛り上がる『進撃の巨人』。

また最新巻が出ましたら、記事にしたいと思います。

次の話はこちら。

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